前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『Z世代のための日韓国交正常化60年(2025)前史の研究講座③」★『井上角五郎は苦心惨憺、10ゕ月後に朝鮮で最初の新聞「漢城旬報」を発行』★『清国から西洋思想、日本の宣伝機関である、「井上角五郎を誅戮せよ」と非難、攻撃された』

      2024/07/06

苦心惨憺、10ゕ月後に朝鮮で最初の新聞「漢城旬報」を発行

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E5%9F%8E%E6%97%AC%E5%A0%B1

先生は外衛門の顧問に就任すると、執務の傍ら頻りに新聞発行の必要を力説したので、協弁金允植氏がその計画の大要を見せてもらいたいと云った。先生は早速、漢城判弁金晩植氏と相談して次の様な計画案を作って示した。

①   新聞は旬報とし、毎十日に一度発行の事

➁ 官報を第一とし、内外の時事をあわせて載記する事

➂ 人智を開発し、殖産を奨励し、その他風教上必要なる論説を載記する事

④各官衛・高等官ならびに中央・地方の各面に義務購読を命ずる事。その他の購講に対してはその料金を低くする事

⑤編集事務の諸員は総べて官員とし、内外の事情に通じる者、文学の素養を有する者を採用する事

⑥差向きは漢文のみとする事

⑦局員一切の俸給・諸給は外衛門がこれを支出し、その他の費用は漢城府、これ之を支弁する事

 この案を提出すると、事は存外容易に決定して、新たに「博文局」と称する官衛を置く事となった。博文局の官制は、広く教育事務を掌るものと定めたけれども、差向き新聞発行の事務に併せや海外事情に関する著実なす事のみに限られ、総裁は組は外街門督弁閔泳穆とし、副総裁を漢城判弁金晩植とし、外国の事情に通じる者を入れて主事・司事の官名を授け、先生がその主任となり、先生の住居をそのまま局舎にあてて先づ新聞を発行する事となった。

  新聞は「漢城旬報」と題し、第一号には「朝鮮開国四百九十二年輿末十月初一日、総理衛門博文局発行」と署してある。

  これは我が明治十六年十一月の事で、朝鮮に於ける新聞紙発行の囁矢である。

体裁は四六倍大の美濃紙二十四頁の冊子で、全部4号組の漢文である。欄は国内官報・国内私報・各国近事・論談等に分け、各国近事の欄に放て世界各国の近状を述べて割合に多くの頁を費し、国内私報の欄に放ては日常生活に必要な新知識を輿へることに努めていた。

   先生はこの事を早速、福沢翁に報告し、且、真に血を以て刷り上げた「漢城旬報」を送った。先生にとっては何物にも代へ難い喜びであって、渡韓以来十ヵ月にわたる身命を賭しての苦闘もこれに依って酬いられる感があった。やがて翁からも、満足と激励をこめた手簡がきた。その中には

 「其御地新聞紙は第二号で御送致被下、着々皆可なり。一向一心に御勉強奉祈候。或は材料の為に海外の新聞紙購求の事も緊要ならん、又随て英文翻訳の人物も入用ならん,追々紙面に絵を挿む事も韓人の耳目に新らしき工風ならん、
或は朝鮮の仮名文字にて近浅なる理学医学の道理を知らせ、又は滑稽洒落文杯も妙ならん、とにかくに仮名は早々御用相成度、漢文のみにては区域狭くして埒明不申、実は仮名文を以て朝鮮の旧主義をも一転致し度事共なり。日本にて古論を排したるは独り通俗文のカとも可申、決して等閑に看るべからざるものに御座候」

と、朝鮮の仮名文字、即ち諺文の使用を勧めている。

しかし、「漢城旬報」が一度社会に出ると、朝鮮人の中にも反対があったが、殊に支那人側の激昂は甚しかった。

当時、朝鮮に対しては清国が支配権を持っているかの如く思っているにかかわらず、日本人井上角五郎の手に依って朝鮮の官報が発行されるということ自体が既に彼等にとっては何としても堪え難い屈辱であった。

そこで西教伝播の具であるとか、日本の宣伝機関であるとか、種々の非難攻撃が先生の1身に集まった。中にも『易言」と題した書冊を著し旬報の発行を非難して、之を全国に配布したものがあった。

果ては市内の所々に「井上角五郎を誅戮せよ」という貼紙を見るに至った。先生がある日市中を散歩していると前の方に支那兵が銃創の先に何か紙片を突き刺して歩いているので、近づいて見ると、その紙片には「井上角五郎」と大書してあった。もとより捨身の先生は、是等のことを目撃しても別に恐怖を感じる事はなかったけれども、この一ヶ年は殆んどこうした危険にさらされ通しであった。

しかも「漢城旬報」は二号、三号と進むに随って・漸く世間からもその必要が認められ、事務も攻第に整備して来たのである。

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
世界も、日本もメルトダウン(960)『シベリア鉄道の北海道延伸を要望、ロシアが大陸横断鉄道構想 経済協力を日本に求める』●『シリア停戦崩壊、米ロ関係かつてない緊張へ』●『ロシア「アメリカは事実上のテロ支援国家」』●『比ドゥテルテ大統領「オバマ地獄に落ちろ」、兵器は中ロから購入と断言』●『北朝鮮幹部2人、日本に亡命希望か 官房長官は否定』

  世界も、日本も本メルトダウン(960)   シベリア鉄道の北海道延 …

no image
★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」-「日英同盟はなぜ結ばれたのか」①1902(明治35)年2月12日付『英タイムズ』『大英帝国と日本、重要な協約』(日英同盟の締結)

「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」 「日英同盟はなぜ結ばれたのか」① 1902 …

no image
海軍省記者クラブ黒潮会・<内外諸情勢が無気味な気配をただよわせる開戦前夜の報道秘話と大本営の内幕>

    歴史読本「太平洋戦争の証言」(昭和45年9月号)        &nbs …

『MF・ワールド・カメラ・ウオッチ(11)』「フィレンチェぶらり、ふらり散歩(4/19-4/28)「ウフィッツィ美術館」、「「パラティーナ美術館」を見て回る⑥

   2015/06/10  『MF・ワールド・カ …

『オンライン/ウクライナ戦争講座⑨』★『ウクライナ戦争勃発―第3次世界「見える化」SNS大戦へ(上)』★『植民地時代の恫喝・武力外交を相変わらず強行するロシアの無法』★『テレビ戦争からYoutube・SNS戦争へ』★『無差別都市攻撃・ジェノサイドの見える化」の衝撃』』

  ウクライナ戦争―第3次世界「見える化」SNS大戦へ(上) 前坂俊之 …

no image
日本リーダーパワー史(59)名将・山本五十六のリーダーシップ・人使い・統率の極意とは・・⑤

日本リーダーパワー史(59) 名将・山本五十六のリーダーシップ・統率の極意とは⑤ …

no image
日本メルダウン脱出法(659)「AIIBに関するレポート4本」「政府の「女性活躍推進」が「少子化推進」となってしまう理由」

   日本メルダウン脱出法(659)   ◎「政府の「女性活躍推進」が …

片野勧の衝撃レポート(76)★原発と国家【封印された核の真実】⑫(1981~84)風の谷のナウシカーイスラエルが建設中のイラク原子炉を攻撃(上)

片野勧の衝撃レポート(76) ★原発と国家―【封印された核の真実】⑫ (1981 …

no image
『ガラパゴス国家・日本敗戦史』⑰『日本の最も長い日(1945 8月15日)をめぐる攻防・死闘ー終戦和平か、徹底抗戦か②』

 『ガラパゴス国家・日本敗戦史』⑰     『日本の最も長い日―日本帝国最後の日 …

no image
立花隆氏が拙著『『言論死して国ついに亡ぶ』を激賞 (2003年11月)

1 立花隆氏が拙著『『言論死して国ついに亡ぶ』を激賞 (2003年11月) 前坂 …