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『リーダーシップの日本近現代史』(260)/ 『 日中韓150年対立・戦争史をしっかり踏まえて日本外交はどうあるべきか② 尾崎行雄の日清戦争(明治27)の「清帝の逃走」論を読む

   

2013/07/02   日本リーダーパワー史(391)記事再録

日中韓150年対立・戦争史をしっかり踏まえて日本外交はどう対処すべきか②  ー<尖閣、竹島問題で150年前の歴史事実を外国メディアの報道によってチェックする。歴史健忘症の日本、歴史誇大症の中国、歴史恨み、被害妄想症の韓国の3重ネジレを読み解く

前坂 俊之(ジャーナリスト)

今から120年前の尾崎行雄の日清戦争<1894年(明治27>)を論じた「清帝の逃走」という評論がある。中国3000年の歴史の皇帝政治、中華思想から、現在の中華人民共和国というなの<共産党一党独裁、民主主義の議会なき、選挙なき、日本より100年以上も遅れている江戸時代のような「秘密皇帝政治、宮廷腐敗官僚政治」が延々と続いている。

『日本の議会政治の父』といわれる尾崎咢堂は、その政治腐敗体質を厳しく追及している。日清戦争が「日本の侵略である」と主張する中国、韓国や歴史の真実に無知な連中は、この尾崎の指摘をよく読んでほしい。

いまの「中国政治」もこのレベルからさほど変わっていない。延々と繰り返される温家宝の一件をみれば、変わらざる中華帝国・共産主義の将来を予測することができる。

その国の社会の進歩、発展は単に経済的な尺度の高さによってはかられるものではない。国家を形成している国民の生命財産が保障され、自由と権利が十分保障された上で、個人ベースの生活の豊かさと自由が増進した社会こそ、真の民主主義、成熟国家なのである。「経済発展」一点張り、公害、地球環境汚染の元凶となっている中国政治・経済に明日がないのは自明のことである。

尾崎行雄の日清戦争(明治27)での「清帝の逃走」論を読む

『支邦人(中国)古より政治を知らず、その所の政治なるものは、上に諂(へつら)い、下を虐げ、政権を借りて私利を営む謂なるのみ。それ故、多寡大小の別なく、支那官吏は官物を盗み、賄賂をとらないものはない。

往年、北京のフランス公使館より、2町(約200m)ほどの側溝の建設工事を依頼された政府は2万3千両を支出した。ところが、実際の経費は3千5百両で。残り19500両は当該官吏が盗剽んだ。

これはほんのわずかな一例で、10万人の養兵費をうけても、5万人を雇って残りの5万人分の経費を私し、ひどいものでは剣刀鉄砲弾薬などを盗みだして、将校自ら敗軍の原因を作るに至る。特に官吏が定額外の租税を徴収して、その私服を肥すに至ては、実に驚くべき者あり。

世界広しといえども、歴朝の聖賢が収賄の臣を非難せること、支那ほど激しいところはない。孔子の如きは「収欽の臣あらんよりは寧ろ盗臣あれ」と激語するに至れり。

これは支那官吏は、古来世界に無比なる収賄の悪習を有せしがためなり。他国に在ては、之を痛言するの必要を見ず、ひとり支那に於て之を見るは、支那官吏は世界無比の収賄を為すの習癖あるがためなり。

天下広しといえども、支那を除ては、<養廉銀>

注釈――ようれんぎん【養廉銀 Yǎng lián yín】  
中国,清代における文官給与の一種で,職務手当ともいうべきもの。養廉とは具体的には官僚が汚職をせずに生活することで,本来は正規の俸給にその意味がこめられていたはずであるが,明代以来本俸以外の手当にこの名を用いる例が出てきた。辺臣養廉田などというのがそれである。明代以来の官僚の給与はきわめて低く,そのため官界の腐敗にははなはだしいものがあった。地方官は徴税の際,付加税を恣意的に徴収して生活費にあて,上官は下僚からの付け届けに頼っていた。

http://kotobank.jp/word/%E9%A4%8A%E5%BB%89%E9%8A%80

の名を以て、特別の俸給を官吏に輿ふる者あらず。養廉銀は官吏の腐敗を公認し、之を輿へざれは、必ず賄賂窃盗の悪事を為すことを予定する者なり。

故に他の萬国は皆此の如き特別俸を輿ふるを恥づといえども、ひとり支那に至ては、官吏の廉潔ならざることを公認するが故に、養廉銀を給して、其廉恥心を養成せしむ。一

支那人は機会さへあれば、収賄盗剽をなさゞる者なし。故に全国数十個所の税関には、止むを得ず皆欧米人を使用す。支那人は決して欧米人を好む者に非ず。故に今なお之を目するに攘夷を以てし、之を呼ぶに洋鬼を以てす。

若し得可んば、自国人を捨て欧米人を用ひざること明けし。之を海軍に用ゆるは、支那人未だ自ら軍艦を操縦すること能はざるが為めなり。全国数十ヶ所の税関が、悉く欧米人を使役する所以は何ぞや。いわく支那官吏は必ず収賄盗剽窃を為すがためなり。

他官衛に在ては、官吏如何に不正なるも、其対手は同臭の支那人なるが故、差したる患害を生ぜずといえども、ひとり税関に至ては則ち然らず。其対手多くは外国人なるが故、賄賂を強求し、出入の貨物を盗剽する時は、たちまち国際の紛議を生ず。これ支那人の欧米人を嫌悪すること、特に深きにも拘はらず、全国の税関にはことごとく欧米人を使用する所以なり。

 

以上、列挙の事実は支那人決して正常の政治を為す能はざること立証するにたれり。彼等は常に盗剽の心を以て、政治に従事し、且つ其事を実行す。故に租税は半ば汚史の私庫に入り、人民は正税に倍するの責を課せらる。李鴻章が執権三十年間に、教千万両の私財を蓄積したるが如きは其の明証なり。

 

支那人は上下三千年の久しき未だかって正廉なる政治の恩澤に浴することなく、生命財産は常に不安全にして、日夜戦々恐々たりしなり。

 

かくの如き人民を治むるに、清廉潔白な日本の政道を以てせば、彼等の驚喜はいうまでもない。

東インド商会は能く印度二億の民衆を服従せしめたり。堂々たる我が帝国の力を以て、四億の民衆を服従せしむる能はずと云ふものあるも、余輩は之を信ぜず。

 

○「温家宝・中国首相の汚職」

http://blogos.com/article/57385/

 

 

○『清官(清廉)温家宝もー実は「超」のつく裸官(汚職官僚)だった。

http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2012/10/post-c522.html

 

 

○『尖閣で揺さぶりも…中国首相、鳩山氏と面会

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130702-OYT1T00013.htm?from=main2

 

〇『安倍首相が「中国が首脳会談に条件を付けてきた」と批判、その背景とは?―華字紙http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130701-00000034-xinhua-cn

 

○「尖閣問題」の歴史を知らない民主党の罪

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20101006/247616/

 

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

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