世界/日本リーダーパワー史(892)金正恩委員長からの会談を要請に飛びついたトランプ大統領、「蚊帳の外」に置かれた安倍首相、大喜びする文在寅韓国大統領のキツネとタヌキの四つ巴のだまし合い外交が始まる②
2018/03/17
世界/日本リーダーパワー史(892)
平昌五輪前後の韓国・北朝鮮・米国の三つ巴外交の経過について
「平昌五輪の閉会式にトランプ米大統領の長女イバンカ補佐官が出席した。これに合わせるように2月23日に米政府は北朝鮮による制裁逃れの密輸に関与した船舶を含む56の団体へ追加制裁を実施した。
『一国に対する制裁として史上最も重い制裁だ。もしこの制裁が機能しなければ第2段階に移行する。第2段階は非常に手荒いものになる。様子を見たい』」とトランプ大統領は述べた。この一連の経済圧力、軍事的な圧力が効果をあげて、北はギブアップしたのでしょう。
平昌パラリンピックは3月19日に閉幕する、この期間中は昔から『オリンピック休戦』ということで、対話・雪解けム-ドが高まり、今回もそうなった。
しかし、4月にはいると北では金日成誕生日(4月15日)、朝鮮人民革命軍創建記念日(4月25日)を控え、米韓合同演習も再開されるということで、再び緊迫ムードになるのではと心配されていましたが、一応この危機は先送りされたということでしょう。
「結局、今回の非核化のプログラムは 朝日(3月7日)の報道によれば米政府も関与しており、米国と北朝鮮の対話の前提条件として 『核・ミサイル開発の凍結』が最初の目標として盛り込まれたという。
金正恩委員長はこれを飲んで『対話が続く間、北朝鮮は追加の核実験や弾道ミサイル試射を行わない』ことで合意した。北朝鮮側との交渉はこれからが本番で厳しい外交綱引きの始まるというわけです。
『北朝鮮限定攻撃論の悪夢』(鼻血作戦)について
(C)「これまでの米国とアメとムチの両面作戦のムチの部分は軍事・経済制裁で極限まで圧力が高めることで、金正恩をギブアップさせた。その米軍の予防攻撃論(「鼻血作戦」)は『フォーリンアフェアーズ』(2018年2月号)のアプラハム・M・デンマーク前米国防副次官補(東アジア担当)による『北朝鮮限定攻撃論の悪夢―結局は全面戦争になる』で詳細に論じられている。
鼻血作戦はアメリカが1発パンチ食わせる作戦で、パルス攻撃、貫通爆弾、ピンポイントのミサイル攻撃をやっても北からの全面反撃はなく一撃で勝利できるという作戦です。
この論文はこの見通しが甘いと批判していた。国防総省のレポートでも、北朝鮮には地下軍事施設が多く、北朝鮮からすべての核兵器を排除するには地上軍を投入する必要がある」と指摘している。それに北朝鮮が大量破壊兵器を使用しなかった場合でも、3万から30万人の犠牲が出るという試算です。
全面戦争になればアメリカが第二次世界大戦以降に経験したいかなる戦争よりも破滅的なものになると警告した。
世界経済にも壊滅的な打撃を与える。中国、日本、韓国は、世界の国内総生産(GDP)合計の約20%、貿易取引は8800億ドル以上で米経済にも深刻なダメージが出る。さらに、韓国と日本の了解が不可欠だが、韓国は反対を表明しているし、日本も賛成しない、というわけです」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
習近平国家主席は3月9日、トランプ大統領と電話会談し、金正恩委員長との会談を決断したことを称賛した。トランプは「米朝が対話をすべきだという習近平の主張は正しかった。中国の重要な役割に感謝し高く評価する」と述べた、という。
トランプは、中国が早くから「双暫停」を主張していたことを認識、中国はまた、自国が主張してきた「双暫停」のシナリオに沿って朝鮮半島が動きき米朝が動いたというのである。
中国、米朝首脳会談は「双暫停」のお蔭――全人代第三報
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9711.php
米朝首脳会談が失敗すれば「戦争の瀬戸際」 半島問題専門家のビクター・チャ氏指摘http://www.sankei.com/world/news/180310/wor1803100048-n1.html
北朝鮮メディア、金正恩委員長による米朝首脳会談提案を伝えず
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9709.php
米朝首脳会談 トランプ米大統領は「リスクを理解している」CIA長官
http://www.bbc.com/japanese/43367660
北朝鮮が核ミサイル放棄?それはありえないhttp://toyokeizai.net/articles/-/212214
関連記事
-
-
日本リーダーパワー史(129) 『自滅国家日本の悲劇』ー太平洋戦争開戦でのリーダーシップと比較検証する①
日本リーダーパワー史(129) 迫り来る国家破産と太平洋戦争開戦でのリーダーシッ …
-
-
日本メルトダウン脱出法(819)『日本株が間もなく「落ち着き」を取り戻す理由―底打ちを示唆するシグナルが出揃いつつある』●『資源価格下落は日本への未曾有のボーナス(野口悠紀雄)』●『中国AIIBは、のっけから課題が山積しているー「格付けなし」で、どう資金を調達するのか』●『人民元安でも中国の輸出は拡大しない』
日本メルトダウン脱出法(819) 今回の下落相場は、まだ下げき …
-
-
片野勧の衝撃レポート(47)太平洋戦争とフクシマ⑳『なぜ悲劇は繰り返されるのかー 福島県退職女性教職員の人々(上)
片野勧の衝撃レポート(47)太平洋戦争とフクシマ⑳ & …
-
-
エピソードにみる明治のリーダーの面影 (下)
1 エピソードにみる明治のリーダーの面影 (下) 03,8月 前 坂 …
-
-
日本リーダーパワー史(973)ー『イチロー引退』★『日本最高のプロフェッショナル』★『「イチローに最大の敬意を払う。彼の球界における国際的なインパクトは殿堂入りで締めくくられるだろう。常にプロフェッショナルで、常に素晴らしい。引退後の人生が素晴らしいものになりますように」』★ <イチロー記事一覧>
日本リーダーパワー史(973)ー 引退イチローにMLB各球団が惜別投稿「素晴らし …
-
-
「日本スタートアップ・ユニコーン史」★『アメリカ流の経営学を翻訳・マネする前に、明治のスタートアップ起業者魂に学ぼう』★『鉄道王・根津嘉一郎(79歳)の「克己心」「大欲と小欲」「心配ごと」「安心保険料」「ほんとの儲(もう)け」 こそ 健康長寿・経営必勝法』
2019/04/26/知的巨人たちの百歳学(116)記事再録編集 根 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(47)記事再録/『異文化コミュニケーションの難しさ―< 『感情的』か、『論理的』かーが文明度の分かれ目>①『 STAP細胞疑惑問題にみる「死に至る日本病」』
2015/01/01月刊誌『公評』7月号―特集『実感 …
-
-
再録(まとめ)—『近代日中関係の創始者・孫文と『支援した熱血の日本人たち』—辛亥革命百年秘話
(まとめ)—近代日中関係の創始者・孫文と『支援した熱血の日本人たち』—辛亥革命百 …
-
-
「Z世代のための、約120年前に生成AI(人工頭脳)などはるかに超えた『世界の知の極限値』ー『森こそ生命多様性の根源』エコロジーの世界の先駆者、南方熊楠の天才脳はこうして生まれた(2)』★『独学/独創力/創造力/観察力/絵画力/集中力の研究』
2009/10/02 日本リーダーパワー史 (23)記事再録 『ノーベル賞を超え …
-
-
『Z世代のための最強の日本リーダーシップ研究講座(43)』★『ロシアと違い日本は宗教が自由の国』★『ルーズベルト大統領は「なぜもっと早く来なかったのか!私は君を首を長くして待っていた」と金子特使を大歓迎』★『ル大統領「日本のために働く」と約束』
ルーズベルト大統領は金子特使を大歓迎 米国到着、米国民はアンダー・ドッグを応援 …
