前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『アジア近現代史復習問題』・福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む(1)ー「北朝鮮による金正男暗殺事件をみていると、約120年前の日清戦争の原因がよくわかる」★『脱亜論によりアジア差別主義者の汚名をきた福沢の時事新報での「清国・朝鮮論」の社説を読み通す』

      2017/02/25

 『アジア近現代史復習問題』

福沢諭吉の『金玉均惨殺』から日清戦争開戦までの論説を読む(1)

   金玉均氏

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E7%8E%89%E5%9D%87

http://book.maesaka-toshiyuki.com/book/detail?book_id=101

『金玉均暗殺事件が日清戦争の発火点の1つ』朝鮮政府は日本亡命中の金玉均の暗殺指令を出していた

『金大中拉致事件(1973年)の前例』

http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/17797.html ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

福沢諭吉の論説『金玉均氏』「時事新報」明治27330日付

 韓客金玉均氏は清国、上海客舎に於て、同伴したる洪鐘字のために殺害せられたる由、既に其筋にも電報ありしと云へば、定めて疑ひもなき事宜なる可し。

氏が一朝計破れて、その本国を脱せし以来、憂き年月を異邦に関して 流寓漂泊十年徐、未だ身の安処を得ずして却て刺客の毒手に斃れたりとは人生の惨事、実に気の毒の至りに堪ず。

http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/2695.html

抑も此同金氏が清国行を企てたる因縁如何と尋ぬるに、前年、李経芳氏(李鴻章の養子) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E7%B5%8C%E6%96%B9 が清国公使として我国に来朝中、金氏とも交際を結びて音問往来、双方の親誼漸く深く、他人の想像よりは更に一層の間柄なりしが、

李氏帰国の後も敢て判然、書面を以て金氏を招きたるには非ざれども、噂の如く、伝言の如くその清国に来遊あらんを勧むること一再のみならず、 清国公使館の一員の如きも、切に勧告する所ありて,一たびは李中堂(李鴻章) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E9%B4%BB%E7%AB%A0

にも面会す可く、又、彼地には相應の商売もあり、事業もあり、種々の懇談に金氏も心動き、兎も角も李経芳氏の故郷なる蕪湖に至りて久闊を叙せんと決し、

呉静軒氏と云へる通群をさへ伴ふの便宜を得て、洪鐘字等と共に出帆せしは、これぞ此世の別れにして、果敢なき非業の最期を遂げたる次第なるが、

元来、この洪鐘字と云へるは、かつてフランスに遊び、爾来、朝鮮政府に対して不都合の事を働き、本国にも帰られずして浪々の余、昨年、我国に渡来したる者にして、おいおい金氏に親近を重ねたるより、素より性情の善からざる人物なれば、知る人は氏のために、之を危ぶみ居たりしに、ついに兇事を醸すに至りたるこそ遺憾なれ。

 

今となりて思い合すれば、洪鐘字は朝鮮政府に疎遠なるの故を以て、却てその政府の筋に内意を通じ、同類相謀りて金氏を暗殺し、其功を以て旧悪を政府に謝せんがため、大脇にも今同の兇行に及びしものならん。憎むに徐りある曲者にして、悪の報ひは忽ちに捕縛せられ、立合裁判に付せられつつありと云ふ。  

右の由来に裁て察するに、李経芳氏の伝言と云ひ、其他清国人の勧誘と云ひ、最も金氏を動かしたる原因なれば一見これを皮相するときは、其形、あたかも清韓、謀を通じて、一刺、後患を除かんと工(たく)みたるが如しなど疑ふ者もある可けれども、斯る卑劣の陰謀は清国のなさゞる所、又、なす可き要用あるを見ず。  

幸にして加害者も捕縛せられたることなれば、定めて厳重の糺問ある可く、又、李経芳氏の私情に於ても、之を等閑に附することはなかる可し。委細の事情は今後の来信を待つの外なし。吾輩の耳を欹(そばだ)てて聴かんと欲する所なり。          三月三十日    

『金玉均暗殺事件が日清戦争の発火点の1つ』

清国、朝鮮共謀で金玉均を上海に誘い出して暗殺、金の遺体

を清国軍艦で送り届けて、遺体をバラバラにして晒した。

これに憤激した日本政府と対立がエスカレートした

http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/17856.html

 

1894(明治27)年521日 英国『タイムズ』

上海の政治的暗殺事件(金玉均惨殺事件)

日清戦争への引き金となった

http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/269.html

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
速報(367)『日本のメルトダウン』総選挙を斬る緊急座談会<自民・民主対第3・4極の決戦、日本沈没をくいとめられるのか>

速報(367)『日本のメルトダウン』                  …

『オンラインぶらり動画旅行/明治維新の源流/山口県萩市の『松下村塾』への旅①』★『日本の聖地ー萩藩主毛利氏の廟所(萩市の東光寺)500基の灯篭と眠る志士たち』★『明治維新発祥の地ー吉田松陰の『松下村塾」、山口県萩市の松陰神社境内』

   2015/04/02 明治維新のふるさとー山口県萩市の …

no image
現代史の復習問題/記事再録★『山本五十六海軍次官のリーダーシップー日独伊三国同盟とどう戦ったか』★『ヒトラーはバカにした日本人をうまく利用するためだけの三国同盟だったが、陸軍は見事にだまされ、国内は軍国主義を背景にしたナチドイツブーム、ヒトラー賛美の空気が満ち溢れていた。』

  2012/07/29 記事再録・日本リーダーパワー史(2 …

no image
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』㉙『開戦1ゕ月前の『米ニューヨーク・タイムズ』の報道』-『日露戦争の行方はロシアは敗北する可能性を予測』★『ロシアのアジアへの「氷河的進出」には敬意を表するとしても,氷河すら朝鮮を大陸から隔てる山脈には阻まれるのであり,対日戦の必然的な目的である朝鮮征服にロシアはあらゆる不利な条件下で臨むことになろう。』

   『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』㉙『開戦1ゕ月 …

no image
日本リーダーパワー史(414)『魔王と呼ばれた明治維新の革命家・高杉晋作』<歴史読本(2013年1月号)に掲載>

 日本リーダーパワー史(414) 『魔王と呼ばれた明治維新の革命家・高 …

no image
日本の最先端技術『見える化』チャンネルー「海上大型風力発電こそ原発、火力発電に替わるの日本の再生エネルギのフロンティア』★『日立造船の「バージ型基礎構造物による次世代浮体式洋上風力発電システムー国家戦略で取り組め」

日本の最先端技術『見える化』チャンネル 国際風力発電展2019(2/27)ー日立 …

no image
終戦70年・日本敗戦史(67)徳富蘇峰が語る『なぜ日本は敗れたのか』⑯日本の統一教育の欠陥ー「個性無視、型にはまった人間を 粗製乱造した教育制度で日本亡国」

  終戦70年・日本敗戦史(67) A級戦犯指定の徳富蘇峰が語る『なぜ日本は敗れ …

no image
日本リーダーパワー史(424)『日中韓150年対立史⑩」英「タイムズ」,外紙は中国が侵略という「台湾出兵」をどう報道したか③

 日本リーダーパワー史(424)   ―『各国新聞からみた東 …

終戦70年・日本敗戦史(137)1932年(昭和7)のロㇲ五輪の馬術で優勝した国際人・西竹一は陸軍内では左遷に次ぐ左遷で『戦車隊長」で硫黄島に配属、玉砕した。

終戦70年・日本敗戦史(137) <世田谷市民大学2015> 戦後70年  7月 …

no image
日本メルトダウン脱出法(854)「偶然ではない!トランプとオバマの政策はそっくりだ」●『「斬首作戦」に慌てる北の独裁者、核発射の危険性も』●『真剣に考えた方がいい100歳まで生きるリスク』●『インタビュー:消費増税強行、かなりのリスク=浜田内閣官房参与』

   日本メルトダウン脱出法(854) 偶然ではない!トランプとオバマの政策はそ …