池田龍夫のマスコミ時評⑰ 「日本政治の劣化」を危惧 民主党政権への期待感が揺らぐ
「日本政治の劣化」を危惧 民主党政権への期待感が揺らぐ
景気低迷に加え、小沢一郎幹事長がらみの政治資金疑惑騒動が、暗い影を落とす。政界浄化と民生安定を願って「チェンジ」を期待したはずだが、停滞する政治・社会状況に国民はウンザリしている。
景気対策のほか、沖縄・普天間基地移設問題などの難問をどう打開するか。…〝小田原評定〟が続くばかりの「時代の閉塞感」に国民が活力を失い、ひいては国際的地位の低下を引き起こす危険性を孕んでいる。オバマ米大統領も内外の重大案件の処理に四苦八苦。一月末に「オバマ一般教書」、「鳩山施政方針」演説があったばかりで、両国に共通の難題があることを痛感させられた。
鳩山首相の「施政方針演説」(1・29)が、国民の支持と期待を呼び戻す契機になったろうか。「いのちを守る」をキャッチフレーズとし、「地域主権、社会保障制度改革、教育改革、緑の分権改革」など〝鳩山カラー〟を盛り込んだ内容に〝新鮮さ〟を感じるが、具体策に欠けるのは遺憾だ。冒頭、首相自身の「政治資金処理の不手際」に陳謝したものの、国民が注視している「政治とカネ」への言及は不十分で、「普天間基地」のほか、「マニフェスト不履行」などの難題に踏み込んだ説明のなかったことが物足りなかった。
ガンジーの崇高な言葉に照らし、鳩山首相は「社会的大罪」二番目の『労働なき富』に当たるとの指摘であり、弁解の余地はあるまい。資産家の鳩山家を攻撃するつもりは毛頭ないが、「政治とカネ」について自らの姿勢を明示し、その反省に立って企業団体献金禁止などの抜本改正を断行することを公約すべきだ。その上で、「いのちを守る」ための具体策を推進してほしい。
①政府の価値判断を明確にするため政策的な優先順位を判断する参照基準を具体的に明示する
②地域主権や行財政改革等縦割りを超えた制度設計に対しては他の会議体に比べ、より高い実質的権威を付与する
③尊重しても反映できない場合は政府として経緯を含め詳細な説明責任を果たす――などが必要となる」と、宮脇淳教授(北海道大公共政策大学院)が、「国政の決断力」と題する貴重な一文を毎日新聞(2・6朝刊『経済観測』)に寄稿している。政府・与党内での調整に基づき、「優先順位をつけて政策を決断することが国民の信頼につながる」との指摘は示唆に富む。
「コンクリートから人へ」という政策目標の具体策を迅速、着実に積み重ねていけば、閉塞感を吹き飛ばす展望が見えてくるはずだ。政策に不慣れな民主党政権を非難するだけでなく、国民、マスコミからの建設的提言とサポートの必要性を痛感している。
「25日夕刊の『石川議員、手帳にホテル名』の記述で、『東京地検特捜部が押収した石川知裕衆院議員の手帳には中堅ゼネコン水谷建設の元幹部らが同議員に5000万円を渡したとする2004年10月15日の欄に、授受の場所とされるホテル名が記されていた』とありますが、手帳は、04年ではなく、05年のものでした。
関連記事
-
-
ユビキタス歴史論
1 ―2004年1月― 『ユビキタス歴史論』―~戦国大名の情報収集の在り方との比 …
-
-
『世界漫遊記/ポルトガル・リスボン美術館ぶらり散歩⓾』★『リスボン国立古美術館ー日葡(日本・ポルトガル)の交流の深さを実感した。
2013/01/20 『F国際 …
-
-
ナショナルジオグラフィック協会会長に就任した ゲーリー・ネル氏の記者会見(5/12)「意見よりも事実の提示を」
ナショナルジオグラフィック協会会長に就任した ゲーリー …
-
-
<F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(207)> 『7年ぶりに、懐かしのアメリカを再訪,ニューヨーク めぐり(5月GW)⑤』 『2階建バスツアーでマンハッタンを一周』ブルックリンブリッジを通過、 イーストリバーを右手に、国連ビルを見上げ、 トランプタワーを見て、セントラルパークに向かう➀
<F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(207)> 『7年ぶりに、懐 …
-
-
鎌倉カヤック釣りバカ日記(2022年5月24日)忍者・カワハギ君と久さしぶり決闘、逗子マリーナ沖の魚クンにもご挨拶しましたよ.
24日午前5時半、川越名人とスタート。快晴、無風、ブルースカーイ、富士山がかすん …
-
-
日本リーダーパワー史(417)『軍部テロと闘った不屈の新聞人・菊竹六鼓ー世界の報道人100人」に選ばれた』
日本リーダーパワー史(417) 『軍部テロと闘った不屈の新聞人・菊竹 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(150)再録★<『英タイムズ』(1906(明治39)年12月28日付記事)が報道したよくわかる日本史『海洋民族/海洋国家日本の900年の歴史★蒙古襲来から日露戦争までの海の道>―今こそ、第3の鎖国を解き、アジア太平洋海洋国家へ飛躍しようせよー
2011/11/28   …
-
-
野口恒のインターネット江戸学講義(16)>諸国を遍歴、大仕事をした“歩くノマド”たち(下)ー90歳まで描き続けた葛飾北斎
日本再生への独創的視点<インターネット江戸学講義(16)> &nb …
-
-
『Z世代のための日本の超天才人物伝⑤』★『生成AIをはるかに超えた『世界知の極限値』・南方熊楠先生の書斎訪問記(酒井潔著)は目からウロコ②』★『大英博物館をわが書庫にして8年間、研究三昧で世界一の読書家に』★『東大あたりの官学者が、わしをアマチュアだ言うが馬鹿な連中だ。アマチュアではなく、英国でいうリテラート(独学で叩き上げた学者)で英国では大いにもてたよ』
2015年4月29日の記事再録、編集 酒井潔著の個人雑誌「談奇」( …
-
-
『Z世代のためのオープン講座』★『2022年の世界情勢はどう変化したのか(下)』★『習近平氏、異例の3期目で強権独裁時代を確立』★『「三重苦」の中国経済の失敗・低迷』★『●ウクライナ戦争、ロシアは敗北中へ』★『ロシア軍はクライナ南部の要衝ヘルソンから撤退』
前坂俊之(静岡県立大学国際関係学部名誉教授) ●『習近平氏、異例の3期目で強権独 …
