池田龍夫のマスコミ時評(36) 『原発依存」社会から脱却をー自然エネルギー転換への願い高まる』
菅直人首相は7月6日、玄海原発(佐賀県)再動稼動要請を覆して、「ストレステスト(耐性評価)」を全国の原発に義務づける方針に転換。従って、今回事故を起こした大飯原発は、検査停止中の他の原子炉と同じ「1次評価」の対象となり、「2次評価」を含め、再稼動の関門が厳しくなったため、原子炉を長期間停止せざるを得なくなった。
なにしろ『止めたくても止められない』という原子力の恐ろしさを思い知った。しかも地震の巣・日本列島の上にあり、地震が活動期に入ったといわれるのだ。再び事故を起こしたら、日本は立ち行かなくなってしまう。
そこで、『原発ゼロ社会』を将来目標に定めるよう提言したい」と主張、「技術の発展や世界の経済情勢に左右され見通すのは難しいが、20~30年後がめどになろう。そこで、たとえば『20年後にゼロ』という目標を掲げ、全力で取り組んでいって、数年ごとに計画を見直すことにしたらどうだろうか」と提言した論旨は極めて明快だった。
政局報道中心の新聞報道への批判が強まっている折、『朝日』が真正ジャーナリズム復権の覚悟で提言を発信したものと率直に受け止めたい。(ただ、特集面末尾に掲載した『原子力社説の変遷』は、〝原発神話〟のお先棒を担いだ報道責任についての釈明文の印象。過去のミスリードを綿密に検証した紙面を、改めて提供願いたい)
官尊民卑・電力業界の傲慢な体質は、先の玄海原発再稼動へ向けた九州電力の〝やらせメール〟が如実に証明しているではないか。原発推進役の経済産業省の下にお目付け役の原子力安全・保安院が〝同居〟している奇妙な構造はまだ改められず、〝安全神話〟にお墨付きを与えた原子力安全委員会のメンバーチェンジも行われていない。既存の安全規制機関(原子力安全・保安院と原子力安全委員会)を廃止し、独立性の高い安全機関を設立して、「脱原発」に向けた工程表作成こそ急務だ。
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