池田龍夫のマスコミ時評(76)『核のゴミ、米国も新たな最終処分計画を公表』 ◎『ボーイング787型機事故原因の究明』
池田龍夫のマスコミ時評(76)
◎『核のゴミ、米国も新たな最終処分計画を公表』 (1・21)
●『ボーイング787型機の事故原因を徹底究明せよ』
(1・18)
ジャーナリスト 池田龍夫
『核のゴミ、米国も新たな最終処分計画を公表(1・21)』
原発から出る使用済み核燃料処理に、各国とも困り抜いている。核のゴミをどうするかは世界が直面する難題で、処理を早く進めなければ、地球破壊につながりかねない。
朝日新聞1月14日付朝刊は「2010年に米ネバダ州ヤッカマウンテンでの最終処分場計画を撤回したオバマ政権は、『2021年までに中間貯蔵施設をつくり、48年までに地下に埋める最終処分場を建設する計画』である」と報じた。
原発104基を抱える米エネルギー省が11日に公表したもので、中断していた核のゴミ処理の目標を設定した意義は大きい。ただ、具体的方法には言及しておらず、難航が予想される。フィンランドやスウェーデン、イギリス、ドイツのように、貯蔵施設を20〜30年以内に稼働させる計画を立てている国は多いが、日本は核廃棄物処理の目標を明示しないばかりか、核燃料サイクル政策(プルサーマル計画)にいぜん固執している。
「核燃料サイクル」にこだわる安倍政権
茂木敏充経産相は1月17日、青森県の三村申吾知事と会談。使用済み核燃料を処理して再利用する「核燃料サイクル政策」を続ける方針を示した。茂木氏は「六ヶ所村再処理工場や中間貯蔵施設も、国策として継続していく」と述べた。世界の潮流を無視して〝原発推進〟に逆戻りした安倍晋三政権の原子力政策の危うさを感じざるを得ない。
フィンランドでは目下、世界初となる高レベル放射性廃棄物の地層処理場建設が進んでいる。地下420㍍の深さにある施設につながるトンネルは掘削作業が完了したという。駐日フィンランド大使館HPに基づき、工事の進捗状況を紹介して参考に供したい。
フィンランドは2020年処分場操業を目指す
「原子力エネルギーを利用している41カ国の中でフィンランドは真っ先に核廃棄物の最終保管場所の準備にとりかかった。『オンカロ』と呼ばれる最終保管所は、フィンランド語で『洞窟』を意味する。1980年代初期、フィンランドの原発事業者は核廃棄物をいずれどこかに処分しなければならないことに気づいた。
フィンランドには現在、西沿岸部にあるオルキルオトと南沿岸部にあるロヴィーサの2カ所に原発がある。オルキルオト半島には原子力発電所があり、核廃棄物が同所に蓄積されることが分かっていた。ここにオンカロをつくれば、廃棄物の移動距離も少なくてすむので、2004年工事に着手した。
米国とスウェーデンも、フィンランドと協力して同様な施設をつくる計画を進めている。地下400㍍余、オンカロへつながるトンネルは完成、2つの換気口と従業員用通路も近く完成する。その次の段階として、核廃棄物をカプセル化する工場を完成させ、カプセルを埋め込む円錐形の縦抗をつくる。全てが順調にいけば、2020年には操業開始の見込み。予想建設費は総額で30億ユーロに達するという」。
安倍政権は「核燃料サイクル」になお執着しているが、フィンランドの廃棄物処理の先見性、実行力に学んでほしいと思う。
ボーイング787型機の事故原因を徹底究明せよ(1・18)
米ボーイング最新鋭旅客機・787型機のバッテリーからの出火、燃料漏れなどのトラブルが続発。1月16日には、山口県宇部から羽田へ飛び立った同型機が、愛媛県上空で室内に異臭が立ち込めたため高松空港に緊急着陸する騒ぎがあった。
国交省と運輸安全委員会が17日に調査した結果、電気室内のメーンバッテリーを納める金属性容器が変色し、電解液が漏れていたことを確認。機体前方の通気口に黒いススがついていたという。運輸安全100人会 13・1・18
委などはバッテリーが異常な高温になった可能性もあるとみて香川県警と調査しており、バッテリーを製造したGSユアサ(京都市)も立ち会うことになっている。
バッテリーの不具合など、日米合同調査へ
世界の航空会社に先駆けて、787型機を合計24機導入・運航している全日空と日本航空は深刻に受け止め、安全確認できるまで運航を取りやめた。米国ボストン・ローガン空港でも1月7日、成田から到着の787型機バッテリーから出火するぼや騒ぎがあった。このため高松空港への緊急着陸を米国も重視、日米国家運輸安全委員会や米連邦航空局、ボーイング社が18日から調査に参加することを明らかにした。
軽量で燃費も安く、航続距離も長い新鋭機
787型機は機体の5割に炭素繊維の複合材を使用するなどして軽量化に成功し、航続距離を大幅に伸ばした。日経1月17日付朝刊は「ボーイング社は世界の航空8社に対し、787型機を昨年まで49機引き渡している。受注機は約800機。だが、事故多発によって、設計の一部変更を迫られるとみられ、運航への支障が心配される。新鋭機製造に当たり、日本企業との関わりは深い。三菱重工業、川崎重工業、富士重工業の3社で機体構造物の35%を担当。東レは翼や胴体向け炭素繊維と樹脂の複合材料を各社に提供している」と、日米
技術協力が生んだ新鋭機とコメントしている。
リチウムイオン電池の不具合か
また、メーンバッテリーは、自動車やバイク用バッテリーを製造するGSユアサの製品。バッテリーに用いられているリチウムイオン電池は電極の材料にコバルトを使用した特殊なもので、従来のニッケルカドミウムに比べて重量や体積が半分以下。
軽量で大容量という特性から787型機に採用された。ただ、リチウムイオン電池はコンパクトな一方、電池内に細かい金属粉など不純物があると、内部でショートを起こし発火する危険性も指摘されていたという。
たしかに、787型機は軽量で燃費も安いため、航空会社が魅力を感じる新鋭機だ。しかし度重なる事故によって、安全運行の不安が逆に高まっている。現段階では物損事故だが、まかり間違えば墜落惨事につながりかねない。欠陥自動車のリコールが頻発している現在、航空機の安全チェックはもっと厳格にすべきだ。日米が協力し合って、787型機事故の徹底検証をしてもらいたい。
(いけだ・たつお)1953年毎日新聞入社、中部本社編集局長・紙面審査委員長など。
関連記事
-
-
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』㉘『開戦1ゕ月前の「独フランクフルター・ツワイトゥング」の報道』ー「ドイツの日露戦争の見方』●『露日間の朝鮮をめぐる争いがさらに大きな火をおこしてはいけない』●『ヨーロッパ列強のダブルスタンダードー自国のアジアでの利権(植民地の権益)に関係なければ、他国の戦争には関与せず』★『フランスは80年代の中東に,中国に対する軍事行動を公式の宣戦布告なしで行ったし,ヨーロッパのすべての列強は,3年前,中国の首都北京を占領したとき(北支事変)に,一緒に同じことをしてきた』
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』㉘『開戦1ゕ月前の …
-
-
『鎌倉釣りバカ人生30年/回想写真録』㉑★『『コロナパニックなど吹き飛ばせ』★『10年前の鎌倉沖は豊饒の海だった』★『珍味ホラ貝を食べたよ、本当のホラ日記』ー鎌倉材木座沖でとれたホラガイを食す。アワビにおとらず旨
2010-09-16 、記事再録『これが本当のホラ日記」 テーマ …
-
-
世界/日本リーダーパワー史(917)米朝首脳会談開催(6/12)―「結局、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)は先延ばしとなりそう』★『米朝会談の勝者は金正恩委員長か』(上)
米朝首脳会談開催―「すべてはこれからはじまる」 前阪俊之(静岡県立大学名誉教授) …
-
-
『リモート京都観光動画』/初春の京都・大原三千院をぶらり散歩(2019/2/23)-大原バスターミナルから茶店の並ぶ参道をゆっくり歩きながら三千院山門までの風情を楽しむ』★『-御殿門を入り、客殿の庭園「聚碧園」、宸殿、有清園、往生極楽院など、青苔の庭園の幽玄の世界に浸る』★『京都大原の来迎寺(2/23)三千院より呂川沿いの山道をしばらく登ると来迎寺はある。』
初春の京都・大原三千院をぶらり散歩(2/23)-大原バ …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(159)』4/1の上野公園、満開初日の桜です。やはり中国人観光客 が多い印象です。
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(159)』 4/1の上野公 …
-
-
人気記事再録/「日本興亡150年史―外国人が日本を救う』★『明治の大発展から昭和の戦争敗北が第一の敗戦』★『戦後(1946年)廃墟から立ち上がり独立、奇跡の高度成長で世界第2の経済大国にのし上がるが、一転、バブルがはじけて第2の敗戦へ』★『「少子超高齢人口急減国家」「ゾンビ社会」に明日はない』
2018年6月20日/日本興亡150年史―外国人が日本を救う。 日本はついに移民 …
-
-
「トランプ米大統領の関税国難来る!ー石破首相は伊藤博文元老の国難突破力を学べ①』―「日露戦争開戦と同時に伊藤博文はルーズベルト米大統領と「ハーバード大の同窓生・金子堅太郎(農商相)を米国に派遣、 ル大統領を味方につける大統領工作に成功した。世界外交史に輝くインテリジェンス外交』
2025/04/08/「世界・日本リーダーパワー史」(1567) 石破首相は4月 …
-
-
『 地球の未来/世界の明日はどうなる』ー『トランプ大統領は認知症なのかどうか』★『レーガン元大統領はアルツハイマー病を告白した』★『認知症ではないが、アルコール中毒の病歴があったブッシュ大統領(第43代)』
CNNは1月15日、「トランプ米大統領は認知症ではないのか」と米、 …
-
-
『和製ジェームス・ディーンと言われた「赤木圭一郎」の激突死(1961/02/21)』★『不死鳥の“トニー”は嘘だった』★『鎌倉英勝寺に眠る』
赤木圭一郎が1961年(昭和36)2月14日昼休み、ゴーカートを運 …
-
-
日本の最先端技術『見える化』チャンネル-★再録『働き方改革EXPO(2008 /7/11、東京ビッグサイト)』でのプレゼンベスト5」★『富士ソフトブースでの「日本マイクロソフトが行った働き方改革」の実践。』
2018/07/21日本の最先端技術『見える化』チャンネル再録 &n …
