『Z世代のための日本政治家業講座①』★『笑う門には福来る、ジョークを飛ばせば長生きするよ』★『昭和の大宰相・吉田茂のジョーク集』 ★『吉田首相は五次にわたる内閣で、実数79人、延べ114人の大臣を『粗製乱造』した。その『吉田ワンマン学校」で、「果たしてステーツマン(真の政治家、国士)を何人つくったのか?」
「逗子なぎさ橋珈琲テラス通信」2024年7月27日am800
2016/02/10/日本リーダーパワー史(663)記事再録『昭和の大宰相・吉田茂のジョーク集』 ③
「金の面倒は見ないが、人事はすべて一任してくれ」
鳩山総裁から自由党総裁をひきついだ時の言葉だ。このあとに「いやになったらいつでもやめさせてもらう」がついている。
金の面倒は見ないとハッキリ公言したところが立派である、田中角栄以下『金権政治家』に煎じて飲ませたいくらいである。
「金の面倒を極力見る」ことによって自己の派閥をふとらせ、一方、人事は適材適所よりも各派閥のバランス人事をむねとする総裁があるなら、これを遺訓としてキモに銘じるがよかろう。
- 『不逞の輩(やから)』
1947年の元日に、首相としての 「年頭の辞」にこの文句が登場した。おりから日本は食糧難がひどく、はじまった労働攻勢は2月
一日に予定された2・1ゼネストに向って、激流の勢いだった。
その矢先に、吉由首相は、ゼネストは日本の復興を阻害する行為であり、これに走る労働者は「不逞のやから」であると真向からきめつけた。
労働組合はいきりたち、「反動の元凶吉田」の暴言とはげしく非難したが、民主化で、セキを一時に切ったような労働攻勢の中で、「不蓬のやから」といい切った度胸は、敵ながらあっぱれと、組合側でも思ったことであろう。
- 「曲学阿世の徒」
1950年5月、月刊『中央公論』に「平和か、戦争か―日本再建の精神的混乱」という論文を発表、吉田首相の単独講和論に反対し全面講和論をとなえた東大の南原茂総長を、吉田首相は「曲学阿世の徒」「学を曲げて世に阿(おもね)ること」と決めつけた。思い切ったことをいったものだが、では南原総長の側からは吉田首相のゆき方をどう非難するか、残念ながら、このキヤッケ・フレーズに対応する強力発言は聞かれなかった。
70年後の今も、国会で集団自衛権行使、改憲論議をめぐって「「平和か、戦争か」の不毛な思考停止の2者択一論争が「曲学阿世の徒」によって続いている。
- 「臣 茂」
昭和27年の立太子札のときこう読みあげた。間違えて読んだのではなく、皇室を尊敬するあまりこう読みあげたのである。
- 「国会出演料は無料」
女優との対話で、「わたしだって国会がはじまると毎日映画に出ていますよ、出演料は無料。それにあなた方のマネごとと違ってこっちは本気なんですよ」。臣茂と自らを称する明治人が相手によってはこのようなジョークを飛ばす。
- 「戦力なき軍隊」
警察予備隊は違憲ではないかと国会で追及されると、これは戦力なき軍隊でありますと珍答弁で逃げた。現在の自衛隊は「戦力ある軍隊」か、それともまだ「戦力不十分な軍隊」か。吉田さん在世中にだれかがこの点をたしかめておかなかったのは残念である。
- 「バカヤロー」
衆議院予算委員会の席上、当時の右派社会党・西村栄一氏(現民社党委員長)の質問にむかっ腹をたてて、『バカヤロー』の一言をあびせ、懲罰動議を可決され、いわゆる「バカヤロー解散」となった。
西村氏にシテやられた感じの一幕だが、吉田さんの好きな言葉が、フランスの政治家タレーランの「パ・トロ・デ・ゼール」 (ムキになるな)であったというだけに面白い。
- 「その件につきましては大臣に答弁させます」。
吉田首相は五次にわたる内閣で、実数79人、延べ114人の大臣をつくった。国会でよく用いた言葉がこれ「その件につきましては大臣に答弁させます」。この文句を平気で使える総理大臣はその後いない。
- 「いまの代議士はポリティシャンで、ステーツマンではない」
首相時代によくいった言葉である。ポリティシャンは『政治屋』で、ステーツマンは政治家である。
その通りだが、こういうことを吉田首相以外の人物がいえば、なかなかうるさいことになるだろう。ワンマン首相の強い統率力があったから、遠慮なく毒舌が吐けたのである。
- 「国会は動物園だね。サル山のサルがいくらもいますよ」
手きびしい政界批評だが、富田さんは〝サル山のサル〟でないことを世間が早くから認めていた。
吉田ぎらいの阿部真之助氏は「吉田茂論」で「吉田は傲岸そのもの、民衆は眼中になく、専制君主の観がある」とやっつけているが、まさしく傲岸な一面がありながら、信頼する人も多かったのは、サル山のボス猿級ではなかったからだ。
- 吉田が一番嫌いな政治家は「河野一郎」。
昭和28年7月・衆院予算委員会でのこと、吉田の外交を追及した河野一郎に
「キミは外国と交渉したことがないから そんなバカなことをいうのだ」と河野一郎をにらみ返して、タンカを切った。
吉田が一番嫌いな政治家は「河野一郎」。自分の政権を奪い取ったというので「盗っ人」呼ばわりまでした。
1963(昭和38)年7月15日に神奈川県平塚市にあった河野の自宅(建設大臣)が右翼に放火され全焼した。翌日、三木武夫(後の首相)が大磯を訪ねると、吉田は上機嫌で「三木君、今日は愉快だ。河野邸の焼き討ちだ」」と毒舌を吐いた。
- 「造船疑獄は流言蜚語」
国会で造船疑獄を追及されて、答えたのが「流言輩語であります」。これは国民の憤激と非難をまき起した。指揮権発動は吉田首相の
最大の汚点だが、本人は総裁として自分の身内をかばうのは当り前と堅く信じて幸たらしい。
政界浄化せめざす理想家はだではなくて、吉田首相は徹底した現実主義者である。
「戦力なき軍隊」や「造船疑鉄は流言蜜語」などの放言で煙幕を張って、相手をサムりにまく芸当も相当なものだ。
- 「足元は不如意だが、手もとは不如意でないよ」
老齢で足が弱わったのを心配した財界の某氏に対して、こういった。手もと不如意でないよい、ユーモアとタンカをまぜたような味がある。
政治家というと、とかく財界人の前では、手もと不如意の思わせぶりをする傾向があるので、思わず吉田さんの警句が飛び出したのであろう。こういうところも、現代の政治家に見習ってほしいものだ。
- 「アデナウアーに悪いからね」
加瀬俊一氏によれば、吉田さんはロールス.ロイスの車が好きだったが、ベンツを乗り回していた。西独のアデナウアー氏からおくられた車である。「アデナウアーに悪いからね」は吉田さんの律気さを語る1面だ。
- 『大臣づくりの次はバラとイヌ』
「ワンマンとワンワン」といわれるほど、吉田さんのイヌ好きは有名だった。かわいがったイヌの名前も吉田さんらしくシャレつ気たっぷり。
首相時代、最初に愛したセバードの名が、図体がでかかったので「デカ」。護衛されるような身分になったので、「刑事」の意味もあったかもしれない。
サンフランシスコ平和条約の調印のため渡米したとき買って帰ったケアンテリアのつがいは「サン」と「シスコ」で、サンフランシスコからとった。
晩年は、このケアンテリアを最も愛し、大磯の邸内に、多いときは十数匹もいた。愛するケアンテリアのなかにも好きなイヌときらいなイヌがあったという。
あるとき最愛のケアンテリア「ピコ」に手を噛まれたとき、秘書官に「人間よりイヌの方がよはど偉いね。私の手をかんだのはピコがはじめてだよ」と、ジョークをとばしたそうである。
「ワンワンと同じくらいに愛したのがバラ」
首相をやめてからは庭つくりに精を出しはじめ、さびしかった大磯の庭にもバラの花が咲き乱れた。「これはみごとですね」とある親しい人が吉田邸内のパラ園を称賛すると、「なにしろ会長さんのバラですからね」といってか
ら「それにバラの手入れは大使がやっていますから」と、つけ加えたが吉田さんは日本バラ協会の会長。大使というのは、シーズンごとにバラの剪定にはせ参じたある元大使のことを指す。
関連記事
-
-
『オンライン/新型コロナウイルス・パンデミック講座』(上)「コロナリバウンド・変異ウイルスの増加・東京五輪の女性差別発言ドタバタ劇の3月狂騒曲(上)」
「コロナ・変異ウイルス・東京五輪の3月狂騒曲(上)」 …
-
-
日本風狂人伝④ ノーベル賞作家・川端康成は借金の天才だよ
2009,6,18 日本風狂人伝④ ノーベル賞作家・川端康成は借金の天才だよ …
-
-
オンライン/藤田嗣治講座②』★「最初の結婚は美術教師・鴇田登美子、2度目は「モンパルナスの大姉御」のフェルナンド・バレー、3度目は「ユキ」と名づけた美しく繊細な21歳のリュシー・バドゥ』★『夜は『エ・コールド・パリ』の仲間たちと乱ちきパーティーで「フーフー(お調子者)」といわれたほど奇行乱行をしながら、昼間は、毎日14時間以上もキャンバスと格闘していた
2008年3月15日 「藤田嗣治とパリの女たち」 …
-
-
『Z世代のための 百歳学入門』(2010/01/25 )★『<日本超高齢社会>の現実と過去と未来②』 ★『人生は長短ではない。「千の風になって」の「私は墓にはいない、眠ってなんかいません」のように、命はすべて有限で、時間の長短はあれどいつかは死んで行く。肉体は滅んでも、その精神は永遠に生き続けるのです』
2010/01/25 百歳学入門⑩記事再録・編集 &n …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(130)/記事再録★『 陸軍軍人で最高の『良心の将軍』今村均の 『大東亜戦争敗戦の大原因』を反省する②』★「陸海軍の対立、分裂」「作戦可能の限度を超える」 「精神主義の偏重」「慈悲心の欠如」 「日清日露戦争と日中戦争の違い」「戦陣訓の反省」
「陸海軍の対立、分裂」「作戦可能の限度を超える」 「精神主義の偏重」「慈悲心の欠 …
-
-
日本リーダーパワー史(826)『明治裏面史』 ★『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、 インテリジェンス㊵』★『ナポレオンも負けた強国ロシアに勝った日本とはいったい何者か、と世界各国の人種が集まるパリで最高にモテた日本人』★『レストランで「あの強い日本人か」「記念にワイフにキスしください」と金髪の美女を客席まで連れてきて、キスを求めたかと思うと、そのうち店内の全女性が総立ちで、次々にキスの総攻撃にあい、最後には胴上げされて、「ビーブ・ル・ジャポン」(日本バンザイ)の大合唱となった』これ本当の話ですよ。
日本リーダーパワー史(826)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露 …
-
-
F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(237)-『カショギ氏殺害事件とムハンマド皇太子の命運!』★『サウジ記者殺害、CIAがムハンマド皇太子の命令と断定』★『サルマン国王、トランプ大統領をますます窮地に追いやっている』
カショギ氏殺害事件とムハンマド皇太子の命運について、 ●<F国際 …
-
-
日本リーダーパワー史(423)『日中韓150年対立史⑨「ニューヨーク・タイムズ」は中国が 侵略という「台湾出兵」をどう報道したか②
日本リーダーパワー史(423) ―『各国新聞からみた東 …
-
-
速報(135)『日本のメルトダウン』★『欧州の混乱で米国経済がマイナス成長転落は考えにくい』『海洋生物に迫る大量絶滅の危険性!』
速報(135)『日本のメルトダウン』 ★☆『不安の種は欧州の混乱に …
-
-
池田龍夫のマスコミ時評(99)『米海兵隊、沖縄から豪州へ重点配備計画(』『無人機による民間人犠牲者、パキスタンで900人超』
池田龍夫のマスコミ時評(99) ◎『米海兵隊、沖縄から …
- PREV
- 『Z世代のための米大統領選挙連続講座⑦』★『ハリス副大統領(59)わずか3週間でスタートダッシュに成功』★『「我々が暮らしたいのは、自由と思いやり、法の支配が存在する国なのか。混乱と恐怖と憎しみが存在する国なのか」と問いかけた』★『世論調査では支持率は拮抗』
- NEXT
- Z世代のための100歳学講座』近藤康男(106歳)の「七十歳は一生の節目」「活到老 学到老」(年をとっても活発に生きよ 老齢になるまで学べ)』★『簡単な健康法を続ける。簡単で効果のあるものでなくては続けられない。大切な点は継続すること。★『驚異の106歳を達成した毎晩、全身を10分間「ぐっすり熟睡できる指圧法」を一挙大公開!