『オンライン講座/世界史を変えた「真珠王.御木本幸吉(96歳)の世界戦略と長寿逆転突破力』★『「ないないづくし」の三重県の田舎の海で、日本初代ベンチャービジネス元祖の独創力をエジソンもノーベル賞級の大発明!と激賞』★『ミキモトパールの発明が20世紀・中東の「石油の世紀」のきっかけとなった』
2021/08/28
『世界史を変えた「真珠王.御木本幸(97歳)の独創力と長寿健康法」★
https://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/33307.html
「真珠王」御木本幸吉(95歳)と徳川夢声の大爆笑対談!
「長寿健康法・発明ベンチャー・大ぼら吹きと有言実行」「笑う門には福寿来るよ」
・<参考・引用は徳川夢声対談集「問答有用」(朝日新聞社1953年刊)より>
前坂俊之(ジャ-ナリスト)
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御木本のベンチャー精神、技術の進歩は早すぎる。だから年をとっても研究・勉強で大忙しい
御木本幸吉―― 長生きをしたいな。日本の汽車は石炭を使わんで電気でやれというとったが、そのとおりの世の中になったと思うたら、こんどは飛行機が発達してきた。飛行機と自動車をつかって、これに真珠を積みこまないかんという考えを、このごろ起こした。
いかにしても、わたしの進歩よりは飛行機のほうが速い。(笑) これにや弱ったね。これを何とか応用してもうけたいと思ってね。いまは飛行機でする運送の研究中です。それだから、仕事多いだねえ、おい。やりきれんね。どうも、科学の進歩は偉いもんだよ。
けども、戦争はもうないね。あほらしゅうて、できんやないか。むかしのようにヤアヤアというて切り合うのと違うて、いまはビューツーといってポカンでしょう。(笑)
ばかばかしくて、戦争ようせんやろと思うんだ。わたしはそのつもりで商売してる。ありそうで、ないものは戦争よ。(笑)
徳川夢声―なさそうで、あるのがお金ですかな。(笑)
御木本― 戦争があったら、おれの商売は損するしね。(笑)
夢声 戦争はいけませんな。とにかく首飾りをはずさないですむようにしたいもんですね。
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健康法の小魚を食べる、西園寺公望がライバル
御木本―もう95歳にもなるし、からだの養生のために、このごろ牛肉や豚やあて、鳥と卵と牛乳、それから魚を食うことにしとる。
小さい魚をカゴへいれて生かしといて、そいつを料理して焼きまして、焼いたあとをもういっぺん煮るんです。その上へ熱い茶をかけると、あぶらが浮く。それを飲むんです。こういう食事のくせがつくと、顔いろは悪くならない。
夢声――逆に、煮魚を焼くのもうまいもんです。こんどはそれをおやりなさい。(笑)
御木本――安い小さい魚だけども、新鮮なことは無類だ。野菜も米も、うちでつくってる。新しいものばっかりだ。西園寺(公望)さんが90幾つまで生きられたのも、
静岡県興津におったからだね。興津ダイというくらいだから、魚は新しい。若い女をつれて砂浜を散歩して、これはとても効いたね。こっちも西園寺さんのマネをしてやろうと思うてね、西園寺さんが興津にがんばったように、わしもここを動いちやいかんというわけで、8年ばかりここを動かない、たいぶんとここに落ちついた。
おれはタイではなくこまかい魚やけども、新しいピチビチしたのを食う。どこまでもこれをつづける。
夢声―だれにもいわれないで、自分でこうしよう自分に対する誓いなんですね。
御木本――そうだ。きみもそんなような根性あるね。(笑)
●長寿法は、うまいもんなら2箸(はし)残す、夜九時のニュースを聞くと、胃腸といっしょに寝るよ
御木本― わしア長生きしたいから、うまいもんなち2箸(はし)残すとかしとる、夕飯は1割残すとかしとる。アメリカ人は「人間働いてる以上は、夕飯をうまく食いたい。ふやすことはええけども、一割減らすことはいかん」というんです。わたしあいうてやるんた。「いや、おれは九時のニーース聞くと、胃腸といっしょに寝るよ」 (笑)
夢声――胃腸といっしょに寝るというのはいいですね。
・御木本――夜の十時までもなんやかんや、ほうりこまれたら、胃腸は寝ずに働かないかんから迷惑ですよ。ぼくの胃腸は、ぼくと仲がええ(大笑)
夢声――胃腸本位の食事をなすってるわけですな。
御木本―― このとおり、全部入れ歯ですからね。(入れ歯をはずして見せる)それだから、肉食うたってうまくない。こりゃええ気持ちと思うのはのどを通る時たけでね。(笑)
タヌキ政治家・広川弘禅(吉田内閣の農林大臣)を煙に巻いた大タヌキの御木本
御木本―こないだも、広川弘禅という男が「四十分会いたい」というできた。ぼくはベラベラしゃべりだした。四十分過ぎてきたんです。「時間がないから、帰らんならん」というんた。「おれは相当しゃべる奴やけども、あなたにゃ、まいつた、まいつた」というて帰ったね、これは。(笑) ぼくは人に会う時は、腰に矢立てをさして、タヌキをぶらさげてる。キッネよりはひとつよけい化けたいと思うてね,はっはっは ワッㇵッㇵァ!
夢声―― 広川弘禅はタヌキということになってるんですが、広川がヌキは御木本大ダヌキにばかされて帰りましたか。
御木本―― 94歳にもになると、なかなか偉いもんで、人間をばかすぐらいわけないよ。(笑)
夢声――神通力が出てくるんですね。
御木本―― この矢立てには、磁石がついてる、話をするのにまちがわないように。(笑) これをさしといておしゃべりするんだからね、「ようし、きようは夢声がきたら、ひとつやったろ。負けるもんか」と思うてね。(笑)
御木本―こないだ、発句会(俳句会)の虚子(高浜)が弟子つれてきた。
夢声―― 発句会とはよかったね。(笑)
御木本―― 「きさま、自動車か電車か」というたら「電車できた」というからね、「そうか。芭蕉はテクテクと歩いて、全国到るところに石の棒ぐい(句碑)が立つとる。きさまは電車でくるんなも、芭蕉の三十人前やらないかんぞ」というた。(笑)
夢声― もしも虚子さんが自動車に乗ってきてたら、どういいました。(笑)
御木本―― そこまでは考えなんだ。(笑)
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有名作家もまるで子ども扱いの冗談連発。
五年前に、石川達三(作家)、舟橋聖一(作家)、久木正雄(作家)、三人きましてね、わしは「石川を舟橋、渡る、久米正雄」と、こうやったんだ。(大笑)
夢声―― なんのこったかわからない。(笑)
御木本―― 久米正雄が渡ったのさ。そんなようなズボラなことがいえをね、あしア。
夢声―― そりゃあ、だれでもちょっといえませんね
御木本―― 三人の目の前で、ガバツとこういくんた。きようはきみがきとるから、えらい相すまんけども、徳川夢声ということはおもしろくないから、西洋ふうにムセィ.トクガワということににしたらどうだろうかと、ゆうべから思っとった。
夢声――ああ、コウキチ・ミキモトですな。(笑)
御木本――11歳のぐらいの年やったかな、お祭りに奉納する能狂言にでて、子役をしたこともあるね。足芸は、はじめ枕を足のさきでひっくり返したりしとったが、だんだん上手になって、しまいには酒だるをころがしたり、からかさを使うようになった。そのほかに手芸もやったから、ロも足も手も八丁で、二十四丁やったわけかな。(笑)
夢声――はなし家になっておられたら、大真打になったかも知れないな。しかし、ならないでようござんした。はなし家じゃ、こうはもうかりませんからね。(笑)
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