『オンライン/日本経済150年史での代表的経営者の実践経営学講座』★『日本興業銀行特別顧問/中山素平(99歳)昭和戦後の高度経済成長の立役者・中山素平の経営哲学10ヵ条「大事は軽く、小事は重く」★『八幡、富士製鉄の合併を推進』『進むときは人任せ、退く時は自ら決せ』
2020/07/22
2018/05/12 /日本リーダーパワー史(907)記事転載
日本興業銀行特別顧問 中山 素平(1906-2005、99歳)
〝財界の鞍馬天狗〟といわれた中山は、政財界の重大事件には必ずといっていいほど登場した。影武者に徹しながら、見事に決断し、用意周到に根回しして、実現していく力は中山の右に出るものはない、といわれた。
経営哲学➀「大事は軽く、小事は重く」
その中山の心構えが「大事は軽く、小事は重く」である。「私はこの言葉を若いころから守り、判断を間違えることはなかった。
経営ばかりでなく、政治の世界でも、上下のへだてなく通用する言葉だと思う。大事を決断する時は、重大な覚悟が必要です。職を賭してやらなければならない。
ただ、それだけでは大事は成就しない。小事を丹念に一つひとつ調査研究し、情報を収集、分析して解決しなければダメ」と。
経営哲学②一九六八年の八幡・富士製鉄の合併を実現。
反対の大合唱の中で、中山はガンとして動じなかった。「小事をおろそかにしてはいけませんヨ」と口をすっぱくして、周りを説き、障害を一つひとつ除き、根回しをして、ついに実現させた。
小事を軽視していると、大事は成し遂げられないのだ。
経営哲学③「問題は解決されるために提出されている」
中山は頭取時代には、興業銀行がメインバンクの役割をしている会社からは、更生会社はつくらないという方針でのぞんだ。そして、事実つくらなかった。
というのは、更生会社にしてもよいと言うと、何とか難しい問題を解決して、更生会社にしないでどうしても再建しよう、という取り組み方をしなくなるからだ。会社更生法に頼って安易に流れてしまうからである。
どんな難しい問題でも、それは自分一人では片づかないかも知れないが、いずれは解決しなければならないものだ。よく、難しい問題を提出されると、これにはこういう困難なところがあって無理である、というふうな答えを出す者がいる。
どんなに難しい問題でも、これを何とか解決しようという、非常に強い意欲を持って取り組むことが何より大事であり、その姿勢いかんが、その人間の評価を定めていく。その対応の仕方に、その人間独自の人柄が浮かび上がってくる。
経営哲学④「進むときは人任せ、退く時は自ら決せ」
石橋湛山は(1884−1973)は戦前期に東洋経済の記者、編集長、社長を務めた後、1945年の戦後からは政治家に転じ、1956(昭和31)年12月には首相にのぼりつめた。
ところが病に倒れ、わずか65日で首相を退いた。中山はこの石橋の決断を高く評価した。「責任者は出処進退に特に厳しさを要する。というよりも出処進退に厳しさを存すほどの人が、責任者になるべきだ」と。
一九六八年(昭和四十三)、中山は頭取から会長に退いた。「年齢も六十歳を超え、頭取業も七年。幸い二年越しに渋っていた正宗猪早大がOKしてくれたので、これを機会に引退することにしました」とすっきりした表情で記者会見で述べた。
中山の出処進退の哲学4か条-
➀進む時は人まかせ、退く時は自ら決せ。
②責任を持って第一線でバリバリやれるのは六十歳が限度。それまでに後継者を養成して後事を託しておくこと。
③社長業は六年で退くということ。激職を三期六年も務めたら体力の限度である。
④中国の古典に「人を挙ぐるには、すべからく退を好む者を挙ぐるべし」とある。
百歳学入門⑥<クイズ>日本の代表的長寿経営者は誰か<高度経済成長の立役者は長寿経営者たちです>③
関連記事
-
-
日本メルトダウン脱出法(778)「この異常気象がヤバい!あなたに迫る地球温暖化の脅威」●「シリア・アサド政権打倒で第3次世界大戦の危険性も」●「鼻を折られたプーチン大統領との接し方に要注意」
日本メルトダウン脱出法(778) この異常気象がヤバい!あなたに迫る地球温暖化の …
-
-
『Z世代のための新日本・世界史クイズ?『「歴史の研究」(12巻)などで世界的歴史学者アーノルド・トインビーは「織田信長、豊臣秀吉、徳川家康をしのぐf業績を上げた」と高く評価した日本史最大の偉人とは一体誰でしょうか??②」★『電力の鬼・〇〇安左ェ門です。』
「Z世代のための日本リーダーパワー史研究』★『電力の鬼」松永安左エ門(95歳)の …
-
-
日本メルダウン脱出法(645)アジア開銀(AIIB)参加問題で日本は1人「アジア巨大市場行きのバス」 に乗り遅れるのか、「君子は豹変せよ」
日本メルダウン脱出法の失敗か!( …
-
-
鎌倉カヤック絶景大漁フィッシング(6/3)ー 『第1投から大アジ、大ウマズラを連発、すごいよ!』★『老人と海』-美しすぎる鎌倉海で?(魚)とたわむる、チョー楽しいよ!」
鎌倉カヤック絶景大漁フィッシング(6/3)ー 『第1投から大アジ、大ウマズラ …
-
-
速報(72)『日本のメルトダウン』★原発最新情報10本★『ウランいらず「トリウム原発」の可能性』ほか
速報(72)『日本のメルトダウン』 ★原発最新情報10本★『ウラン …
-
-
『オンライン/新型コロナパンデミックの研究』-『 トランプ大統領、習近平主席の内憂外患』★『世論調査でバイデンに水をあけられてトランプ再選に赤ランプ点滅』★『一方、中国でも習近平体制も派閥抗争で揺らいできた』(6月20日)
トランプ大統領、習近平主席の内憂外患 …
-
-
速報(376)『日本のメルトダウン』●『安倍政権の成長戦略はどうすれば失敗しないか』 中国人が寄せる「期待」と「現実」』
速報(376)『日本のメルトダウン』 ●『安倍政権の成長戦略はどう …
-
-
<日本最強の参謀は誰か-杉山茂丸>⑨『明治の国家的プロジエクトを影で自由自在に操った神出鬼没の大黒幕』
<日本最強の参謀は誰か–杉山茂丸>⑨ &n …
-
-
「昭和史決定的瞬間/名シーン』-『1941年(昭和16)12月3日の山本五十六連合艦隊司令長官の家族との最後の夕餉(ゆうげ、晩ご飯)』★『家族六人一緒の夕食で山本も家族も何もしゃべらず無言のまま』(日本ニュース『元帥国葬」動画付)
山本五十六の長男が回想する父との最後の夕餉(ゆうげ) 昭和十六年(1941年)1 …
-
-
『ぜひ歩きたい!鎌倉古寺巡礼④』★『外国人観光客への鎌倉古寺ガイドは「妙法寺」★『800年前の鎌倉時代の面影残る奇跡の苔の寺「クール・ジャパン・テンプル」★『鎌倉時代の武士をみたいのなら仁王像の裂ぱくの気魄「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡が残されている」』
前坂 俊之(ジャーナリスト) 約800年前の鎌倉時代の武士をみた …
