前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

百歳学入門(47)荻原井泉水(92歳)の『天寿・長寿10ヵ条』「随」の精神で「天」に感謝し「天」に随い「天」を楽しめば【天寿】となる

      2015/01/01

百歳学入門(47) 
 
 
荻原井泉水(92歳)の『天寿・長寿10ヵ条』
<俳人・荻原 井泉水(おぎわら せいせんすい、92歳)
1884年(明治17)6月-1976年(昭和51)5月 )>
 
 
 中国の「左伝」に「上寿百二十歳、中寿百歳、下寿八十歳」とある。この中国流なら八十歳以下は「寿」に入らない。だから七十歳が「古稀」、七十七歳が「喜寿」となる。
② しかし、私は天がその人に与えたところの「寿命」を正しく生きぬいたのがホントウの天寿であると思う。
③  私は何事にも「ありがたい」という気持をもって毎日を暮してゆきたいと思う。
④  この感謝は何に感謝するのかといえば、「天」に感謝するといわなくてはなるまい。
⑤  天を信ずるが故に、私は天の定めた寿命といったものを信ずる。健康のために格別な養生などはしない。
⑥ 天の命ずるところに従っておれば、生きられるまでは生きられる。それが天寿である。
⑦ 「としよりの冷水」というコトワザがあるが、老人には冷たい水ほどクスリになるものはない、と新解釈をしている。行く先々でグッといっぱいの冷水を所望するが、それのなんとうまいことか、これが長生きの秘訣である。
⑧ 私のいわゆる「随」の精神とは、「天」に感謝し、「天」に随い、「天」を楽しむということだ。
⑨ 人間が天(太陽)を信じ、大地にふかく根をおろした気持で生きれば、樹木のごとくたえず生長する。
⑩  これが、すなわち天に逆うことのない、つまりは天にしたがう以上、何人も天寿は当然である。
 
前坂俊之(センテナリアン研究家)
 
 荻原 井泉水(おぎわら せいせんすい、1884年(明治17)6月-1976年(昭和51)5月 91歳)俳人。

河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう)の新傾向俳句運動に参加し、明治44年(1911)に文芸誌『層雲』を創刊。大正時代になると碧梧桐とは対立し、季題と定型を排した無定形自由律俳句を唱え、俳壇に大きな影響を与えました。門人には種田山頭火(たねだ・さんとうか)、尾崎放哉(おざき・ほうさい)ら異色の俳人もいます。句集、随筆、紀行など200冊以上の著作を残しました。

ウイキペディアによると、大正12年、妻・桂子死去。翌年、母も死去し、一時仏道を志して京都の禅宗寺・東福寺の塔頭に寄寓、以降各地への遍歴の旅が多くなる。その心境の変化は句集の題名にも反映されてくる。享年91と、門弟の放哉や山頭火と違い、天寿を全うした。俳号は生年の納音から井泉水と改めた。因みに、山頭火も井泉水に倣い俳号を納音から付けたが、これは本人の生まれ年からでなく単に音の響きが良いので決めたようだ。
 
荻原井泉水の『天寿・長寿論』
 
   いったい「天寿」とは何歳をもって標準とするのだろうか。これには幾多の説もあろうが、中国の「左伝」に「上寿百二十歳、中寿百歳、下寿八十歳」と出ている。これで行くと、八十歳以下は「寿」のうちに入らないのがホントウらしい。

したがって、七十歳が「古稀」だとか、七十七歳が「喜寿」とかはすこぶる気の早いことになる。まして、日本で昔からとなえている、四十歳での「初老」なんかは笑わせる。
 

   さて、上下の中をとった百歳をもって「天寿」と称すべきかというに、私はあえてそうは考えない。天がその人に与えたところの「寿命」を正しく生きぬいたのがホントウの天寿であろうと私は考える。
 
七十を天寿として与えられたものなら七十がその人の天寿、八十を天寿として与えられたものなら八十がその人の天寿、とにかく与えられたものを十分に生かしきり、生きぬいたものが、人それぞれの「天寿」であることを知りたい。    
 
 
「生きる」感謝
 
 私は何事にでも「ありがたい」という気持をもって毎日を暮してゆきたいと思う。
これがなかなか実際にはできないことなのだけれども、せいぜいそのつもりでそのように心がけたい。
 
毎朝、目がさめれば、きょうもパッチリ朝を迎えたことはありがたいと思い、夜眠るときは、きょうもラクラクと枕に頭を載せられることはありがたいと感じさえすれば、いわゆる「日日これ好日」ということになろう。
 
一日一日を健康な生活をしていればなおさらのこと、たとえ多少の病気をもっていたところで、今日も生きているということ、そのことだけで感謝すべきだろう。
 この感謝は何に感謝するのかといえば、「天」に感謝するといわなくてはなるまい。宗教的に考えるなら、「神」とか「仏」とか虻感謝するということになろうが、私は東洋の古い素朴な考えにしたがって、「天」といいたい。「天」を象徴するところの太が・・・・‥・・」
 
 
天の命ずるところ
 
私は天に感謝すると共に天を信じている。天は私に悪いようにはしてくれないということを信じている。
その代りつねに天を敬うという気持を失わない。天に逆うということをしない。言いかえると、天に従うのだ。一切の無理をしない。私は仕事にかかるとひたむきに取組んでする。しかし、疲れたと感じたら、すぐやめてしまう。天が「もうやめろ」と命じたことだと解釈するのである。
 
 天を信ずるが故に、私は天の定めた寿命といったものを信ずる。むろん、一切の不注意、不心得はこれを排するが、健康のために格別な養生などということはしない。
おとなしく、天の命ずるところに従っておれば、生きられるまでは生きられると信じている。不健康な生活は絶対に排除する。しかし、寿命は天を信じ、天に任せきって生きる。これがいちばんの健康長寿法とも考えている。私は楽天主義でもあるし、また持って生まれた楽天性に生きるのかも知れぬ。
 
老人の冷水(クスリ)
 
「としよりの冷水」というコトワザがあるが、わたしは、これを、老人には冷たい水はどクスリになるものはない、という新解釈をしている。わたしは冬も冷水を愛用する。暑中はもとよりである。医学者はなんと説明するか知らぬかとにかく、これがわたしの健康の大きな支えになっていると自分では思っている。
 
水のたのしさは、見るよりも、浴するよりも、わたしはなんといっても飲むことにl番をおいている。
 わたしはつねに行く先々でグッといっぱいの冷水を所望することになっているが、そのうまい、まずいもよく分かってきており、美水に行き当たるとまったくうれしくなる。
日本にはいろいろうまい物もあるが、水の味ではまたおそらく世界一だろう。水無量寿経に水の八つの功徳(くどく)が説かれている。一に澄浄、二に清冷、三に甘美、四に軽軟、五に潤沢、六に安和、七に除心、八に増益というのがこれである。
 
 
「随」の生活
 
私のいわゆる「随」の精神とは、「天」に感謝し、「天」に随い、「天」を楽しむということだ。何事も「自然」と「自分」とを調和せしめること、「自然」に随った「自分」というものを毎日の生活に見失わぬことだ。
 
「自然」と「自分」とが合一すれば、何事にも無越がなく、また何事にも拘束されずに行動できる。これがほんとうの意味での「自由」ともなる。
この「随」の行き方は、私のかたい信念であると共に、できるだけ多くの人々にも備えたいとも願うところだ。人間が天(太陽)を信じ、大地にふかく根をおろした気持で生きれば、樹木のごとくたえず生長する。そしてマツの如く、ヒノキの如く、あるいはウメの如く、ツバキの如く、その個性にしたがって生長し、かつ枝葉が繁茂しょう。そしてその天寿をまっとうするだろう。
 
 これが、すなわち天に逆うことのない、つまりは天にしたがう以上、何人も天寿は当然である。

 - 健康長寿 , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
World Robot Summit 2018(10/17)-ARアドバンストテクノロジー、島津製作所によるAI搭載の診療科推論ロボットのプレゼン

日本の最先端技術「見える化」チャンネル Japan Robot Week2018 …

『大迫力!台風24号接近中の怒涛の稲村ケ崎サーフィン10分間動画決定版(2018年9/29am720-8.30の圧縮版)-怒涛の大波とサーファーの対決決闘編!だれが勝つか!

  2018/10/02 大迫力!決定版◎台風24号接近中の稲村ケ崎サ …

no image
「2019年の課題」-『平成30年は終わり、老兵は去るのみ、日本の未来はデジタルネイティブにたくそう、若手スポーツマンの活躍を見ればわかる』

                           2018年12月 …

<サーファーズパラダイスKamakura動画>◎『冬こそサーフィン。いざ鎌倉へ』●◎世界一のサーフィン『ジャイアント・ウエーブ30m』巨大波を乗りこなして成功』★『 2013年鎌倉Wサーフィンー2月7日の強風波浪注意報下の材木座で跳ぶサーファ①』』

  ◎『冬こそサーフィン。いざ鎌倉へ』   ●◎世界一のサー …

no image
96歳の真珠王ミキモト・御木本幸吉の長寿養生訓

96歳の真珠王ミキモト・御木本幸吉の長寿養生訓   前坂俊之(ジャーナ …

知的巨人たちの百歳学(124)「東洋のビール王」「大日本麦酒創業者」・馬越恭平【88歳) 「健康10ヵ条」「四気の保持を忘れぬこと―元気、勇気、長生き(気長の意味) 、腹の落付き(沈静)の四つ」

知的巨人たちの百歳学(124) 「東洋のビール王」「大日本麦酒創業者」・馬越恭平 …

『Z世代のための生き方死に方講座』★『生死一如ー 鈴木大拙師(96歳)の老生学』★『今日から明日へ、今年から来年へと、将来に希望をかけることが私の九十三歳の健康法だ』●『特別に健康のことを考えて暮らすわけではないが、過去のことは考えんな。いつも未来のことを考えておる。あれをしなくてはならぬ、これをしなくてはならぬとな』

2017/03/30   百歳学入門(171)-「 …

『鎌倉長寿・ストレス発散・筋力アップ・カヤック釣りバカ動画日記』ーこんなに釣れて困るよ⑤大カワハギじゃ★4

鎌倉カヤック釣りバカ日記ーこんなに釣れて困るよ⑤大カワハギじゃ★4

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(326)★『新型コロナパニックへの歴史的対処法』★『最悪の事態(日露戦争)を想定して戦略を組んだ児玉源太郎、山本権兵衛の国難突破力』★『無能は先輩、老害将軍を一層、い日露開戦4ヵ月前に連合艦隊司令長官に、クビ寸前の舞鶴司令長官の東郷平八郎を大抜擢』★『日本海軍の父・山本権兵衛を縦横無尽に 活躍させた底抜けの西郷従道海相の大度量』

   日本リーダーパワー史(821)『明治裏面史』 ★ 『「 …

百歳学入門(248)-動画で認知症予防法『鎌倉カヤック釣りバカ日記』/『ビッグ・フイッシュ、開高健に捧ぐ』★『10年前は豊饒の海・鎌倉海は、今や<死の海>と化しつつある』

  2011/09/24 ブログ再録『鎌倉カヤック釣りバカ日記』 &n …