『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ㊵』「過去への謝罪にうんざりな日本」(WSJ)ーまだ隠忍自重が必要だ』
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ㊵』
◎「過去への謝罪にうんざりな日本」(WSJの記事)
―「グッドルーザー」であることを止めるには中韓を始め、国際的な理解と受容
がなければ成り立たず、今はまだ時期尚早である。外交努力には、単純な
一次方程式では無く、微分、積分の読解力が必要である。
それにつけても、勝海舟の「戦争の傷跡が癒えるには
100年を要する」の言葉が思い出される。まだまだ日本の
隠忍自重が必要の様だ』
◎「過去への謝罪にうんざりな日本」
http://jp.wsj.com/article/SB100014240527023042041045
79378190435424698.html?dsk=y
「 要約とコメント 」
このWSJの記事は、国家主義者 安倍首相に対する国際的な非難と糾弾の背景、根
拠そして安倍氏が是正すべき点について客観的な外国人目線で分かりやす
く解説しています。要点の整理とコメントです。
(コメント)
1. この記事は無記名である事が残念であるが、国民そして安倍氏を始めとした主要 閣僚が「戦後レジームからの 脱却」を目指し、これを実現する為に原点に戻って
押さえておくべき要点を指摘している。
2. 「グッドルーザー」であることを止めるには中韓を始め、国際的な理解と受容がなければ成り立たず、今はまだ時期尚早である。外交努力には、単純な一次方程式では無く、微分、積分の読解力が必要である。
それにつけても、勝海舟の「戦争の傷跡が癒えるには100年を要する」云々の言葉が思い出される。まだまだ日本の隠忍自重が必要の様だ。
3. 日本の選択は、「台頭するこの地域の覇権主義国、中国を平和裏に牽制する力になることが主たる役割であり、これを過去の戦時のイメージを一新して創造的に実現する」ことである。富国強兵、強権主義的手法のみでは逆効果であり、創造的な外交力を要
する。新たな発想が求められている。
4. CFR研究員の指摘「我々が問題視しているのは、安倍氏がどういう人物で、彼の戦略的目標が何であるのか良く 分からないことだ。安倍氏は、自分に力があることは分かっている。しかし彼にどのようなシナリオがあるのかどう か、分からない」と。
これは安倍氏は、ゴールに如何に接近するか、勝利に至る道筋を考えずに、布石という考え方の欠如した、その 場しのぎの思いつきを実行しているのではないかと、疑い痛罵するものである。
「戦後レジームの脱却」には能動的で細心かつ多面的な外交努力が必須であり、自分勝手な都合のみでは逆効果で さえある。現在の中韓との断絶は、戦略の無さを露呈し、喜劇的とさえ言える。
(記事の要点)
1. 「日本は今次敗戦を明確に認め、謝罪して恭順の意、悔恨の情を示す
温和な敗者「グッド・ルーザー」の役割を演じ続け、一級の戦勝国に
対して二級敗戦国の地位に戦後今日まで甘んじて来たが、これにもう
飽き飽きしている」
「安倍氏は、日本国民が『いつまで謙虚に謹慎し続けなければいけないの
か』という、いわば敗者の汚名をもう終了させたいという要請に乗り、こ
れをうまく利用している」「 これが国民の愛国気分を高揚させる効
果をもたらしている」
* 侵略の歴史の否定や村山談話、河野談話の修正発言がこれである。
韓国との慰安婦問題の矮小化も含まれる。
2. 「近隣諸国、中でも中韓は、日本がアジアで2000万人弱、中国だけ
でも1000万〜1500万人の犠牲者を出した戦時中の残虐行為につ
いて、十分な謝罪が全くなされていないと声高に非難している」
「近隣諸国は日本が永久に謝罪し続けることを広く期待している」
* A級戦犯を合祀する靖国神社への、安倍氏の参拝はこの心情を逆撫で
する。
3. 「 安倍氏がナショナリストである事は疑いない。『戦争放棄』を謳う憲
法改正への取り組み、長年減額を続けていた防衛費の増額修正、対外援助
の増額を伴う派手な外交行脚と政治的プレゼンス強化の動き、集団的自衛
権の法制化の動き等々を通じて、安倍氏は日本の過去に対する誇りと将来
に対する自信を回復出来るとする」
4. 「 昨年12月の安倍首相靖国参拝問題は、慰安婦問題で再燃した韓国の反日
感情に加えて、中韓両国の共同した反日運動にガソリンを撒く結果となった。
『これは、台頭するこの地域の覇権国、中国を平和裏に牽制する力になるこ
とを日本の新たな役割とすることで、過去の戦時のイメージを一新するとい
う本来の課題について、その解決を極めてやり難いものに変えている。』
5. 「安倍氏自身、『戦後レジームからの脱却』という表現で、『グッド・ルー
ザー』という日本の地位に終止符を打つと宣言している。しかし安倍氏の政
策課題は、それを実行するにあたり、『日本の歴史上の罪の大きさ故に、これ
以上、少しでも申し訳ないという敗者の姿勢から離れると、東アジア地域に
計り知れない不安をもたらすことになる』
6. 「 米国は、安倍氏の憲法改正の方針や自衛の為により多くの責任を持つ事は
歓迎しているが、安倍首相がナショナリズムを振りかざして、近隣諸国を苛立
たせ、どこに行こうとしているのかが分からず、不安を抱いている」
「米国の外交問題評議会(CFR 超党派組織)の日本担当上級研究員のシーラ・
スミス氏は言う、『我々が問題視しているのは、安倍氏がどういう人物で、彼
の戦略的目標が何であるのか良く分からないことだ』と、そして『安倍氏は、
自分に力があることを分かっている。だが、彼にシナリオがあるのかどうか、
分からない』」
関連記事
-
-
★10 『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(169』『オーストリア・ウイーンぶらり散歩③』国立歌劇場見学ツアーに参加した』
★10 『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ (169)』 『 ウイ …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(247)/『国家予算、軍事力とも約10倍のロシアに対して日露戦争開戦に踏み切った児玉源太郎参謀次長の決断力』★『ロシアと戦ってきっと勝つとは断言できないが、勝つ方法はある』◎『国破れて何の山河じゃ。ロシアの無法に譲歩すると国民は必ず萎縮し、中国、インドと同じ運命に苦しみ、アジアは白人の靴で蹂躙され、植民地からの脱却は何百年も先となるぞ』
2017/05/27日本リ …
-
-
梁山泊座談会『若者よ、田舎へ帰ろう!「3・11」1周年――日本はいかなる道を進むべきか』②『日本主義』2012年春号
《日比谷梁山泊座談会第1弾》 超元気雑誌『日本主義』2012年春号 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(224)/★『世界天才老人NO1・エジソン(84)<天才長寿脳>の作り方』ー発明発見・健康長寿・研究実験、仕事成功の11ヵ条」(下)『私たちは失敗から多くを学ぶ。特にその失敗が私たちの 全知全能力を傾けた努力の結果であるならば」』
』 2018/11/23 百歳学入 …
-
-
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を読み解くために②死刑冤罪事件の共通手口ー検察の証拠隠めつと証拠不開示
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を読み解くために 再録『死刑冤罪事件の共通手口―検 …
-
-
『ガラパゴス国家・日本敗戦史』 (24)『大日本帝国最後の日(8月15日)「阿南陸相自決とその日の陸軍省・参謀本部」②
『ガラパゴス国家・日本敗戦史』 (24) 『大日本帝国最後の日― (1945 …
-
-
★新連載<片野 勧の戦後史レポート>②「戦争と平和」の戦後史(1945~1946)②『婦人参政権の獲得 ■『金のかからない理想選挙』『吉沢久子27歳の空襲日記』『戦争ほど人を不幸にするものはない』 (市川房枝、吉沢久子、秋枝蕭子の証言)
「戦争と平和」の戦後史(1945~1946)② 片野 勧(フリージャーナリスト) …
-
-
日本メルトダウン脱出法(886)『世界中の中央銀行は「巨大」になりすぎている 、独善的になって暴走すると金融危機の再来も』●『国民への「バラマキ」をフェアかつ有効に行う方法はあるか?』●『「日本流おもてなし」は外国人観光客に本当に好評か』●『中国バブル崩壊は「必ず起こる」中国の著名大学教授が主張』●『企業経営:「弱小レスター」優勝の教訓 (英エコノミスト誌)』
日本メルトダウン脱出法(887) 世界中の中央銀行は「巨大」になりすぎている …
-
-
速報(331) 『日本のメルトダウン』原発事故・東電のテレビ会議の情報公開拒否に見る『民主主義落第国家』日本の惨状―
速報(331) 『日本のメルトダウン』 福島原発事故・東電のテレビ会議の情報公開 …
-
-
日露300年戦争(3)『露寇(ろこう)事件とは何か』―『普通の教科書では明治維新(1868年)の発端をペリーの黒船来航から書き起こしている。 しかし、ロシアの方がアメリカよりも100年も前から、日本に通商・開国を求めてやってきた』
『元寇の役』に継ぐ対外戦争『露寇事件とは何か」 普通の教科書で …
