前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

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『2026年、高市早苗首相のアベノミクス継承の安保体制、戦略的財政出動(!?)は成功するかどうか』★『日本は戦後80年維持してきたモデル(経済成長と平和主義)が完全に機能不全に陥っており、建国以来,戦後最大の『文明的危機』に直面している」(フィガロ紙)』

   

 

26年の高市早苗首相の安倍路線継承の安保体制、戦略的財政出動は成功するかどうか。結論から言えば、「ただ支出を増やすだけ」では失敗するリスクが高いが、「供給力の強化」と「需要の創出」がセットになった戦略的な投資であれば、持続的な成長を導く可能性が十分にある。
また、2025年に私が注目した1つの記事はフィガロ紙フィガロ紙の東京特派員レジス・アルノー氏が鳴した警鐘です。①人口動態(少子化)」文明の危機( 出生率の低下が止まらず、物理的に「日本人がいなくなる」可能性)②「戦後平和主義の限界(中国や北朝鮮などの近隣情勢が緊迫する中、戦後80年守ってきた「憲法9条に基づく平和」と「現実的な防衛力強化」の矛盾が限界に達している)と警告していた。
私が15年前から警告してきた政治家の「治にいて乱を忘れず」のノー天気です
空前絶後の名将・川上操六(48)番外編
日本最大の国難・日露戦争で自ら地位を2階級(大臣→ 参謀次長)に降下して、
全軍指揮したスーパートップ リーダー児玉源太郎がいなければ、日露戦争勝利は なかったーいまの政治家にその胆識はあるのか?

前坂 俊之(ジャーナリスト)

(以下の文章は 2013/04/24に書いた)

最近の政治家の行動で気になったことを書く。政治家は言うまでもなくその国のトップリーダーであり、大臣以上はその国の運命を担うトップリーダーである。国難に当たっては全身全霊燃え尽きてもこの克復に当たる覚悟がなくては真のトップリーダーではあり得ない。

平和時の外交とは武力によらぬ言葉による戦争である。昨今の日中韓の冷戦、外交衝突を日々ニュースで見ながら、日本の政治家には『治にいて乱を忘れず』、今、日本は国難に遭遇しているという緊張感、危機意識をどこまで自覚しているか、危惧する。それと同時に、『この150年間の日中韓の戦争・外交・交渉史』における日本側のオウンゴール(失敗)についてのどこまで学んだのかも気になってくる。

最近では

①  自民党幹事長を務めた加藤紘一氏(73)が引退して、三女を後継者にするというニュース(4/19)。グローバルな時代に追い越されている日本で、政治家はいつまで徳川時代とかわらぬ時代遅れの身内主義、世襲制を続けているのか。

②  安倍晋三首相が靖国神社に供物を奉納し、麻生太郎副総理兼財務相ら複数の閣僚が参拝したことを受け、韓国側が日韓外相会議の中止を決めた。(4/22),いつまでこの問題に自縄自縛されているのか、歴史問題に決着をつけてもっと賢明な外交がなぜできないのか。

③  「超党派の日中友好議連が訪中取りやめ 靖国問題影響との見方も」—自民党の高村副総裁が会長を務める超党派の日中友好議員連盟は、5月1日から中国を訪問する予定だったが、22日、中止を決めた。(4/22),これも自民党のバラバラ外交,朝貢外交の失敗ではないのか。

④  『アベノミクス』は世界の経済史上最高に難しい「細い細い、長い長いナローパスの綱渡り」を突破しないといけないのに、こうした、外交能力、対外交渉能力、インテリジェンスの欠けた自民党の面々が果たしてこの超難関の国難脱出劇に成功できるか不安になってくる。

それ以上に『国家倒産』という一大国難に遭遇しているという危機感が政治家に乏しい事、その胆力、胆識の欠如である。

ここで、日本最大の国難であった日露戦争で敢然と地位を2階級も降下して指揮にあたったスーパートップリーダーの児玉源太郎の胆力、そのインテリジェンスを振り返る。

――『日清戦争は川上操六が起こした戦争である』、日露戦争は『児玉源太郎によって勝利した。

『日清戦争は川上操六が起こした戦争である』、日露戦争は『児玉源太郎によって勝利した』といわれているが、まさしくその通りと思う。

なぜなら、明治天皇は「日清戦争は朕の戦争にあらず』と戦争に反対の意向をもっており、日露戦争でも敗北恐れて最後まで外交交渉に望みをかけて開戦の詔勅を遅らせたほどだからだ。

当時の政治家、軍人、国民の大部分もアジア第一の大国中国、世界の軍事超大国ロシアには勝てるはずがないと思っており、世界の見方も日本敗北とみていた。

18,19世紀はヨーロッパの征服と植民地化の嵐が世界中に吹き荒れた時代だが、その中で自力で侵略から独立を守り通した国は世界中で日本一国だけ。タイは英仏勢力の緩衝地帯として取り残された結果にすぎず、日本にとって最大の国難の両戦争は「戦略思想」と「インテリジェンス」によってかろうじて勝つことができたことをわすれてはならない。

 司馬遼太郎の「坂の上の雲」の主人公は秋山真之だが、確かに秋山は日本海海戦の勝利の立役者だが、これは海軍側の勝利であって、広くに日露戦争全般についての戦略、研究、兵站、インテリジェンス(情報網の構築)、戦争支援の軍事、政治、経済、産業全体の構築の頭脳を持っていたのは児玉源太郎のただ1人と言ってよい。

児玉は台湾総督として、台湾の近代化、国家建設、行政、産業のインフラ整備をやった傑出した軍政家、行政官でもあり、この時代にこうしたオールラウンドの才能をもった軍人はほかにはいない。

小林道彦「児玉源太郎」(ミネルバ書房、2012年)の中で、小林は「立憲主義的軍人」と児玉を高く評価しているが、明治の文豪・徳富蘆花が児玉を「ナポレオンにたとえ、かれは日露戦争に殉職せり」といったのとあわせて、明治に児玉源太郎がいなければ「坂の上の雲」はなかったのである。

その児玉は日露戦争終結10ヵ月後にこれまた54歳の若さで急死する。川上操六、田村怡与造、児玉と歴代参謀総長はそろって日本救国のために殉職したといえよう。

下、坂本藤良『参謀の理想像はここにあり』(『参謀の条件』プレジデント社、1995年に収録) によれば、

 児玉源太郎はチビで身長はわずか157センチしかなかった。額が禿げ上がり、色浅黒く、口元はきっと結ばれている。村上浪六(明治・大正の大衆作家)はその鋭く恐ろしい目つきを

「私は幼少より絶えず偉い人をたくさん見なれてきたが、児玉さんほど小さい目で恐ろしい光を放っていた人はない。勝海舟の目も小さくて光っていたが、児玉さんほどには光らない」(『現代』昭和2年4月号)と書いている。

その「恐ろしい光りを放つ」目が永遠に閉じたのは、日露戦争が終わった9ヵ月後の翌年の夏、明治39年7月23日のことであった。

 彼は、強大なロシア軍と戦う弱小日本軍の総参謀長として、小柄な体の全精力を消耗し尽くして死んだ。1種の〝戦死〟と人々は見た。乃木大将を葬儀委員長として、今の神宮外苑で葬儀が行われたが、一万人もの人々が参列して、この名参謀の壮烈な死に涙したという。

 日露戦争で幸徳秋水、内村鑑三らが「非戦論」「戦争反対」の論陣をはった日刊紙「萬朝報」の社主で、あの〝まむしの周六〟の黒岩涙香も、

「われらは深く彼れの死を哀惜す。彼れ、もとより人格崇高一代の師表たるべき人物に非ずといえども、その明敏聡慧(めいびんそうち、賢明で英知、インテリジェンスがあること)は、ほとんど倫(りん=類、人の意味)を絶す。……多方に応酬して八面玲瓏(れいろう=あらゆる面で光り輝くさま=…・精励刻苦(せいれいこっく) 心身を苦しめるほどに物事に心を打ち込んで励むこと、ほとんど絶倫なり)

明治の権力者のスキャンダルをすっぱ抜き、まむしと恐れられた,当代きっての人物眼のあった黒岩涙香をして、明治の最大級のトップリーダーとの評価なのであった。

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

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