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「世界・日本リーダーパワー史(1700)『米国一のフェイクニュース戦争と韓国の内乱騒動(上)(25/01/15まで)』★『フェイクニュース戦争―英独仏首脳が憤怒』★『ウクライナ戦争について』★『トランプ氏の脅迫外交がエスカレート』

      2025/06/30

米国一のフェイクニュース戦争と韓国の内乱騒動(上)

世界一の覇権国家アメリカのトランプ大統領と世界一のAI・EV大富豪のマスク氏が最強のタッグを組んで、暴走すれば、世界は一体どう変わるのか、危ない、危ない実験が、世界の歴史上はじめておこなわれる、果たしてどうなるか(!?)。ジャーナリスㇳ3人による座談会を行った(25年1月15日までの情報分析です)。

(A)『世界一の資産家でEVテスラ、X(旧ツイッター)のCEOのイーロン・マスク氏がトランプ次期大統領の実質的な参謀役になったね。トランプ氏は11月の大統領選挙当選後に、バイデン民主党政権下での政治経済社会システムを大改革する「政府効率化省」のトップにマスク氏を起用した。1月20日にスタートするトランプ第2次政権はアメリカ国内の大改革する求める一方、同盟国、友好国にも一律に関税、防衛費の負担を課す脅迫的な「ディール外交」展開する方針で、現在の国際政治経済秩序は大きく変化するだろう。すでにあちこちで地割れ、地滑り的現象が起きてきている』

(B)『マスク氏は昨年7月以降に、トランプ陣営に1億1860万ドルを超える献金を行い、トランプ陣営に飛び入りした。11月からはマイアミの大別荘「マーアーラゴ」に入りびたりで、トランプ氏とウマが合ったのか、ファミリー同様な扱いで、政策的な参謀役のし上がった。

トランプ氏が会談したウクライナ・ゼレンスキー大統領、トルコのエルドアン大統領、イランのイラバニ国連大使、ロシアのプーチン大統領の電話会談などにも同席し、外交的、経済的なアドバイスを行い、ゼレンスキー氏にはスペースXの衛星通信サービス「スターリンク」を提供して商談をまとめた。この利益誘導、利益相反行為に懸念が出ている』

(C)『また、マスク氏は「トランプ氏が警戒するインフレは政府の過剰支出によって起きるので『政府効率化省』の必要性を訴えて、トランプ氏はそのトップにマスク氏を起用した。マスク氏はAI・IT技術を駆使すれば「合計428もある連邦機関を約4分の1の99まで削減できて、2兆ドル(約315兆円)を削減できる」と提言した。これは2024年度連邦政府の支出6兆7500億ドル(約1060兆円)の約3割に相当する巨額減額だ。また、マスク氏は✕(旧ツイッター)によって、民主党や民主的言動を批判する極右的な政治的見解をフェイクニュース(ファクトチェックなし)で乱発し、物議をかもしている」

『フェイクニュース戦争―英独仏の首脳が憤怒』

(A)「マスク氏は今年2月に予定されるドイツ総選挙で極右政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」に対し、SNSで「AfDだけがドイツを救うことができる」とツイートした。同時にショルツ首相とシュタインマイヤー大統領に対しては「無能なバカ」「反民主暴君」などと非難した。ショルツ首相は「新しいことではなく冷静さを維持しなければならない。トロール(目立ちたがり屋)にえさを与えるな」と反論。ところが、マスク氏は英国のスターマー首相が2008~2013年に検察局長だった時代に児童性的虐待事件を隠蔽したという英国内の極右勢力の主張を、これまた、SNSで引用し、辞任せよと主張した」

(C)「これに対して、1月6日、スターマー首相は「政治の激しさと活発な討論を楽しむのは偽りではなく、事実と真実に基づかなければならない」としてマスク氏は「限度を越えた」と非難した。この性的虐待事件(グルーミングギャング)は、英国サウスヨークシャー州ロザラムで1997年から2014年に起きた事件。男たちが贈り物やアルコールを与えて少女たちを手なずけ、1400人の少女に性行為を強いていた。虐待の報告を受けた機関や地方当局は行動しなかったという。加害者の大半はパキスタン系住民で、異文化に対するセンシティブな意識が、当局に断固たる行動を取らせなかった理由の一つであるといわれている」

(A)「マスク氏のXでの投稿について、マクロン大統領はフランス大使らとの新年会で「10年前だけでも世界最大のSNS(X)の所有者が国際反動運動を支援しドイツなどの選挙にまで介入するだろうとはだれが想像しただろうか」と批判した。

ノルウェーのストーレ首相も「SNSに対する莫大なアクセス権と経済的資源を持っている人が他国の内政に直接的に関与することが懸念される。民主主義と同盟国の間ではこのような形はならない」と指摘し、マスク氏がノルウェーの政治にも干渉しようと試みれば、政界が団結して彼と距離を置かなければならないと警告した。ノルウェーも9月に総選挙を控えている」

(B)「一方、イタリアの極右政党のメローニ首相は1月6日、トランプ氏を「マーアーラゴ」に非公式に訪問、マスク氏とも会談した。同首相はマスク氏所有企業による投資が同国への脅威にはならないとの見解を示した。「私はイタリアへの大規模な投資を実現するために取り組み、それぞれの投資の有用性を国益という観点から評価している」と語った。イタリアはスペースXと15億ユーロ(15億5000万ドル)規模の契約について協議していると報じた。イタリアは極右政党の首相だけにEU内でも別行動をとっているのです」

ウクライナ戦争について

(C)「ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる全面侵攻が始まって以来、約4万3000人のウクライナ兵が死亡したと犠牲者数を初めて 明らかにしたね。ロシア側の兵士の死者数は19万8000人、負傷者数は55万人となっていると発表している。

トランプ氏は「この戦争を就任後24時間で終わらせる」と豪語しているため、彼に向けて和平のメッセージを発信したもの。1月2日 ゼレンスキー大統領は、トランプ氏について「ロシアによる侵攻の終結に向けて決定的な役割を果たせ、我々を助けることができる」と歓迎した。トランプ氏との会談は大統領就任式後に行うことを予定です。彼の停戦和平の条件はEUがウクライナのNATO入りを認め、ロシア侵攻を歯止めとなり、ウクライナの平和を守るのが最低条件で、占領地の帰属問題はそのあとになるというものだ」

(A)「一方、ロシアは2014年にクリミア半島を併合し、その8年後にウクライナへの全面侵攻を開始し、同国の南部と東部を占領。現在、ウクライナ領の約5分の1を占領している。ロシアは「停戦交渉に応じる用意がある」と歓迎したが、その条件として①現在占領中のロシア領地を認めること②北大西洋条約機構(NATO)への加盟をあきらめること③さらに多くの領土を譲ることをしないーなどだ。しかし、ウクライナはこれを拒否している」

(C) 『トランプ氏はウクライナ戦争の終結に向けた特使のポストに、キース・ケロッグ退役陸軍中将を起用した。彼は24年4月に独自の和平案を公表している。それによると、①戦線を現在の場所で凍結した上で、交渉に着かせる。②ウクライナが和平交渉入りした場合にのみ、米国からさらに兵器が供与される③ロシアは交渉を拒否すればウクライナへの支援が強化されるーという内容。

この案では、ウクライナの同意を得られる可能性は低いとみられ、トランプ氏は「大統領に返り咲いた場合はわずか1日で解決すると豪語していたが、1月7日には和平停戦には半年ほどかかる」と大言壮語を先の延ばしした」

  • 『トランプ氏の脅迫外交がエスカレート』
  • (B)「1月20日大統領就任のトランプ氏は前回と同様の脅迫外交を一層エスカレートさせてきたね。昨年12月中旬、カナダをアメリカの51番目の州にすると脅したり、パナマ運河の支配権を取り戻すと脅迫したり、グリーンランドを購入すると発言したり、言いたい放題が続いた。

これは、前回の大統領時代に繰り広げたディール外交で、メキシコに対して関税の脅威や国境線の壁建設、そこに「武装兵士」の配備をちらつかせた結果、メキシコ側が米国との国境地帯の取り締まりを強化させて、移民流入が減少したという実績がある。しかし、あまりに高圧的な外交、関税交渉に反発して、成功しなかったケースも多いよ」

(A)「グリーンランドはデンマーク領で、現在はデンマーク本土やフェロー諸島と対等の立場でデンマーク王国を構成しており、独自の自治政府が置かれている。米国はグリーンランドにピツフィク宇宙軍基地を所有。グリーンランドは希少な鉱物資源を含む天然資源の宝庫です。
ロシア、中国などが北極圏での影響力を拡大しようとする中、貿易のための戦略的な要所に位置している。特にグリーンランドに近いロシアは、この地域を重要な戦略的な基地とみている。このため、トランプ氏は「世界の国家安全保障と自由のために、グリーンランドの所有と管理が絶対に必要だ」との強硬発言を行ったわけです」

(C)「トランプ氏がこう述べた後に、デンマークはすぐ反応し、グリーンランドの防衛費を大幅に増額すると発表。トロルス・ルン・ポールセン国防相は、グリーンランドの防衛予算を約120億~150億クローネ(約2600億~3300億円)にし、新たな検査船2隻や新たな長距離ドローン(無人機)2機を購入すると述べた。トランプ氏のディール成功例だよ。

また、トランプ氏は12月22日、中米パナマがパナマ運河を利用する米国の船舶に「ばかげていて、非常に不公平な料金を課している」と発言。パナマ運河が「好ましくない者の手に渡る」ことを望んでいない。特に中国はこの運河に大きな利害関係があり、米国に次ぐパナマ運河の第2の利用国で、パナマに大規模な経済投資を行っている、と威嚇した」
(B)「確かにね。2017年、中国はパナマに圧力をかけて、台湾との外交関係を断ち切り、台湾を中国の一部と認めた。これは中国政府にとって大きな勝利となった。米中対立がエスカレートする中で、パナマ運河は米国の太平洋貿易にとって死活問題で、中国との軍事衝突が発生した場合には、米国の船舶やその他の資産を移動させるために必要になると危惧したのです」。

(A)「トランプ氏がカナダを51番目の米国州にするとか、25%の関税を課すという発言に対して、カナダのトルドー首相は1月12日、「カナダは米国の約35州にとって最大の貿易相手国であり、両国の障壁を厚くすることは、米国の市民や雇用に悪影響を及ぼす。トランプ氏が高関税を実行した場合、米国のオレンジジュースやトイレ製品、一部の鉄鋼製品に関税をかけることを検討している」と反論した。

(C)「また、トランプ氏が「我々はメキシコ湾の名前を“アメリカ湾”に変更する予定だ」とのトンデモ発言に対して、メキシコの大統領も、すぐさま反論。「国連は“メキシコ湾”という名前を承認している」。北米地域が「メキシカン・アメリカ」と書かれた17世紀の地図を持ち出し「(北米地域を)メキシカン・アメリカと改名してはどうでしょうか」とやりかえした。(爆笑!)」

(A)「さすがだね!。西欧流の言論バトルはおもしろい。西欧では黙っていると”Silence is Consent”。同意したと見なされる。どしどし反論せよとの格言がある。石破首相が謙虚な姿勢で小声のいつもの癖で「イエス、バット、ノット」というのが一番悪い。相手に誤解を与え、怒らせるからね。トランプ氏には全く通じないよ」

 

 

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