前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

“Lecture on Japanese Political History for Generation Z” ★ “Fifty-year collusion between the former Unification Church and the Liberal Democratic Party as seen from the perspective of foreign newspapers such as the New York Times” ★ “Using pseudo-religion and anti-communist movement as signboards, it is practically an anti-Japanese inspirational rip-off” Business” to form a “conglomerate” (giant global enterprise)”

      2022/10/29

2022年9月10日

『Z世代のための日本政治史講座』★『ニューヨークタイムズなど外国紙からみた旧統一教会と自民党の50年の癒着』★『ニセ宗教と反共運動を看板に、実質的には「反日霊感ぶったくりビジネス」で「コングロマリッド」(巨大世界企業)を形成』

「旧統一教会」(反日強欲カルトビジネス教集団と自民党の癒着問題

「米ニューヨーク・タイムズ」(7月23日付)は「日本の旧統一教会は1976年から2010年までに、米国の同協会に36億ドル(4700億円)以上を送金した。文鮮明氏はこのカネで一大企業帝国、NPOネットワーク、「ワシントン・タイムズ」などのメディア企業を興し、政治的影響力をふるってきた」と報じた。

また、「英ファイナンシャル・タイムズ」は「母国韓国ではスキー、海洋リゾート、ゴルフ、建設、防衛、新聞などの企業を傘下におさめたコングロマリットを建設した」と驚いている。

宗教を反共運動を表看板に、実質的には「カルトビジネス」で一代で「コングロマリッド」(巨大企業)を形成した文鮮明の世界戦略はどのようなプロセスをたどっていきたのか。
  •  もともと、韓国人の約30%がクリスチャンで、キリスト教でも特にプロテスタント系長老派が多く、現世と来世をつなぐ「シャーマニズム」と「韓国特有の恨(ハン)の民族的怨念」とが結合したカルト宗教が「旧統一教会」(世界基督教統一神霊協会)なのである。
  •  
  • その教義は『旧約聖書』のアダムとエバの関係を日韓の主従関係に逆転し、韓国を植民地支配した日本は悪の代表の「エバ国家」であり、韓国は正義を代表する「アダム国家」で日本は韓国への贖罪意識から献金することを義務づけられているとする反日的な教義である。1954年に文鮮明が韓国で創設し、64年に日本で宗教法人の認可を受け68年に「国際勝共連合」を結成した。71年には文鮮明は米国に移住。日米韓を股にかけて世界的な布教活動と政治工作を開始した。
  • 日本で洗脳された多数の信者たちに高額な壺や教義本を売りつける悪徳・霊感商法を資金源としていた。
  •  
  • 1974年、ウォーターゲート事件で大統領弾劾の危機にあったニクソン元大統領を支持して、信者とともに議事堂前で3日間のストライキを実施した。ニクソン氏が文鮮明に感謝の言葉を送ったため統一教会は米国内で一挙に有名になった。しかし、78年に米下院フレイザー委員会は同協会とKCIAの協力関係を指摘した。
  •  
  • 1982年、米国の首都に「ワシントン・タイムズ」を設立。共産主義と戦う保守メディアとして、レーガン、W.ブッシュの2人の共和党元大統領からも、その後のトランプ大統領からも強い支持を受けた。
  • 1980年ごろには数百人の日本人伝道師(信者)を渡米させた。折からの米国での寿司ブームに便乗して鮮魚ビジネスを拡大していった。関連企業の「ルー・ワールド・フーズ」(水産物流通業)が全米の寿司レストランへの水産物輸入、供給ルートをほぼ独占。これがドル箱となりコングロマリットに発展していった。
  • メディアでは右翼系新聞『ワシントン・タイムズ」や「ニューズ・ワールド・コミュニケーションズ社」(20数種類の多言語新聞、テレビ、出版社を統括)を設立、日本、韓国では「世界日報」を発行し、メディア工作、政界裏工作を行った。
  • 1991年に文鮮明は北朝鮮を電撃訪問し、金日成と義兄弟の関係を結び、統一教会から北朝鮮に流れた資金は約500億円に上るといわれる。この金が北朝鮮の核開発やミサイル開発に使われたとみられている。
  • 韓国の新聞「ヘラルド経済」(2012年9月3日付)によると、「統一教会は、韓国ではカルト宗教であり、小財閥としても認知されている」と報道。2012年、文鮮明が死亡すると教団と文鮮明の資産が注目を浴びたが、この時点での教団の表向きの資産は約5,6億ドル(約790億円)。系列会社50社以上の総資産は46億ドル(6500億円)、文鮮明の不動産資産は3、8億ドル(540億円)と試算されている。
  • このため、韓国プロテスタント教会は1979年、統一教はキリスト教団体ではないと宣言し、ローマ法王庁も1985年、全世界の司祭や信者に統一教主催行事への参加を禁止している。

ところで、日本側の文鮮明とのパイプ役は岸信介元首相である。東京裁判でA級戦犯だった岸信介は、米ソ冷戦の激化で米国の対日政策が「日本を反共の防波堤にする」と180度の転換したため、米国の反共政策に協力的な人物として、約三年後に釈放された。その後、トントン拍子に総理大臣に登りつめた。戦後最大の政治闘争の60年安保を乗り切るため、岸首相は右翼勢力や反共団体と連携し、文鮮明との関係ができたのもこの時のこと。岸ファミリーの安倍晋太郎外相、安倍晋三元首相と三代続いた「旧統一協会」(1997年に世界平和統一家庭連合と改称)との密接な関係は、その後も続き、安倍長期政権を支える有力団体の1つであり続けた。

http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/41506.html

 

9月8日自民党は教会側と接点があった自民党国会議員は、全体の半数近

くの179人(国会議員379人)と発表、自民党と旧統一協会のズブズブの関係が見てとれる。死去した安倍元首相と同協会と関係は調査しないと発表した。

これに対して世論が猛反発。9月16日の時事通信の世論調査では、岸田内閣の支持率は32.3%と急落。毎日新聞の世論調査でも29%と危険水域に入っている。旧統一教会に対する調査の「評価せず」は70%を超えた。

結局、「旧統一教会」が宗教の仮面をかぶり「反日強欲ビジネス教集団」として自民党や米共和党と密着し両国の政治に大きな影響を与えてきた癒着構造にメスを入れなければ、日本の民主政治のレベルアップはできないであろう。

「きき役上手?」の岸田首相の「きき(危機)突破決断力」の見せ所だが、岸田首相、自民党にもそのリーダーパワーも国難突破力もないであろう。予想通り日本興亡史の2回目のどん底に落ちてきた。

『オンライン講義/昭和戦後史の謎』-『東京裁判』で裁かれなかったA級戦犯は釈放後、再び日本の指導者に復活した』★『A級、BC級戦犯の区別は一体、何にもとづいたのか』★『日本の政治、軍部の知識ゼロ、日本語を読めないGHQスタッフ』★『A級戦犯岸信介は首相にカムバックし、右翼は裁かれず、児玉は日本の黒幕フィクサーとして再登場した』

http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/41506.html

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『AI,人工知能の最前線がよくわかる授業③』-『第2回AI・人工知能EXPO(4/5、東京ビッグサイト)ー『ITOUCYU×SATの衛星ビッグデータ×AIによる革新的な情報活用』★『HITACHIの「IoTデータモテリングサービス~センサデータの活用を支援する人工知能~」』★『FKAIRのチャットボット エナ、エナジーエージェント 、発電予測パーソナルAI「藤崎エナ」のプレゼン』

日本の最先端技術『見える化』チャンネル ITOUCYU×SATの『衛星ビッグデー …

Z世代へのオープン歴史講座・なぜ延々と日韓衝突は続くのかルーツ研究⑧』★『1894(明治27)年7月13日付『英国タイムズ』★『(日清戦争2週間前)「朝鮮を占領したら、面倒を背負い込むだけ』★『日本が朝鮮を征服すれば,この国が厄介きわまりない獲物であることを思い知らされる一方,中国にはいつまでも敵意を抱かれることになる』

 2014/09/06 /現代史の復習問題/「延々と続く日韓衝突のルー …

 ★5日本リーダーパワー史(776)ー 『アジア近現代史復習問題』 福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む』(9)『金正男暗殺事件をみると、約120年前の日清戦争の原因がよくわかる」● 『(日本軍の出兵に対して)彼等の驚愕想ふ可し』は現在の日中韓北朝鮮外交 に通じる卓見、戦略分析である』★『近年、日本のアジア政略は勉めて平和を旨とし事を好まず、朝鮮は明治十七年の甲申事変以来、 殆んど放擲し、清国関係には最も注意して事の穏便を謀り、言ふべきことをいわず、万事円滑 を旨としたのは、東洋の平和のため』★『傲慢なる清国人らの眼を以て見れば、日本人は他の威力に畏縮して恐るに足らずと我を侮り、傍若無人の挙動を演じている』

  ★5日本リーダーパワー史(776)ー   ★『アジア近現代史復習問題』 福沢 …

no image
日本メルトダウン脱出法(893)「ヒラリー大統領誕生で日米関係はかつてない危機も ニューヨーク・タイムズ紙の辣腕記者が明かすヒラリーの本音」◉「サミットでドイツを協調的財政出動に巻き込めない理由」◉「日本の財政拡大提案が独英の理解を得られない理由」◉「ステージに新総統が登場、垣間見えた「中国離れ」」

日本メルトダウン脱出法(893) ヒラリー大統領誕生で日米関係はかつてない危機も …

no image
片野勧の衝撃レポート㉕ 太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災 ー第4の震災県青森・八戸空襲と津波<2>

   片野勧の衝撃レポート 太平洋戦争<戦災>と<3・11> …

「オンライン・日本史決定的瞬間講座⑦」★「日本史最大の国難・太平洋戦争に反対し拘留された吉田茂首相の<国難逆転突破力>②』★『吉田は逮捕され40日間拘留された』★『日本人の国民性の欠点ついて「重臣たちも内心戦争に反対しながら、はっきり主張せず、後になて弁解がましいことをいう』★『吉田はジョークの達人』★『「いまの代議士はポリティシャン(政治屋)で、ステーツマン(国士、本当の政治家)ではありませんよ」』

吉田は逮捕され40日間拘留された 1945年(昭和20)に入り日本の敗北は決定的 …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(120) 『安倍首相の【戦後70年談話】が再び「日中韓歴史摩擦」を再燃させるか!』

池田龍夫のマスコミ時評(120)  『安倍首相の【戦後70年談話】が再び「日中韓 …

no image
日本風狂人伝⑭ 頭山満・大アジア主義者の「浪人王」

      &nbs …

知的巨人たちの百歳学(174)記事再録/日本最長寿の徳川家三代指南役・南光坊天海(108歳)の養生訓ー上野公園内の「墓碑」で長寿健康を祈る―『 養生法・長命には粗食、正直、湯、陀羅尼(だらに)、御下風(ごかふう)あそばさるべし。』★『養生訓「気は長く 勤めは固く 色うすく 食細うして 心ひろかれ」

2015/02/05/百歳学入門(102)・   日本最長寿の徳川家三 …

no image
戦争とメディアー「9・11からイラク戦争へ」=現代のメディアコントロールの実態②

現代のメディアコントロール(2001-05年)②      前坂俊之( …