F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(239)ー『カショギ事件の真相はトルコ政府はこの殺人事件をリアルタイムで監視し、千載一遇のチャンスと捕え,国際世論を味方につけてムハンマド皇太子を失脚させ,スンニ派盟主としてトルコの立場を強化しようと計画したもの」<エルサレムポスト紙(JPOST)11/20>
2018/12/19
本件、エルサレムポスト紙(JPOST) 11/20掲載と些か旧聞ではありますが、「カショギ事件」の意味に重大な新たな視点を提供しております。論点を整理すると、
1)カショギ氏殺害に関する米欧、中東各国のマスコミ報道では、サウジアラビアの実質的な最高権力者ムハンマド皇太子(MBS)が、直接関わり殺害を指示したか如何か?に焦点が当てられている。
殺害が実行された現場は、トルコ、イスタンブールのサウジアラビア総領事館内であり、結論に繋がる一連の状況証拠はトルコ政府の諜報部門が現場から採取したものである。エルドアン大統領は事件収束後に、部下から事後報告を受けて状況を把握し、情報を小出しに、演説の中で流す体裁をとっていた。
報道の大勢は、カショギ氏対ムハンマド皇太子、両者の関係に関するものでMBSの責任を厳しく追及するものであった。
本稿で、筆者マイク・エバンス氏は、カショギ氏の入国がサリド王子(サウジ米国大使でMBSの弟)の進言を受けたものであり、並行して十数人の拘束部隊がプライベートジェットで入国し、これら一連の入国から領事館内への入場そして騒動まで、トルコ当局が常時監視していた、としている。事態は、エルドアン大統領もリアルタイムで報告を受けていたとする。
2)領事館内での殺害までは予測不可能でも、捕捉拉致は事前に見通しており、容易ならざる事態の推移を現認し、トルコ当局が領事館責任者に対し抗議行動を開始する余裕があったにも関わらず、カショギ氏の人道上の救助を何故開始せず静観を続けたのか?大いに疑問であると、エバンス氏は指摘している。
3)従来から、サウジとトルコは、イスラム教徒の大勢を占めるスンニ派の
盟主の座をめぐり緊張関係にある。エルドアン大統領は、2014年8月に大統領就任以来、民主的な選挙制度も取り入れているが、圧政抑圧的で専制君主的なイスラム教指導体制を強化する方向に進んでいる(イランの政教一致、専制体制の方向と一致する)。エジプトで20世紀初頭に生まれた、西洋からの独立とイスラム文化の復興を掲げるイスラム主義運動、「イスラム同胞団」との親和性も非常に強く、サウジ、エジプト、湾岸諸国の親米現政権はこれを大変嫌っている。
4)脱イスラム、近代化、西洋化のスピードを上げているサウジMBSを苦々しく思い、その追い落としを狙うトルコ現政権は、今回のカショギ事件を千載一遇のチャンスと捕え、この殺人事件をリアルタイムで傍観捕捉しながら、これを材料に国際世論を味方につけてムハンマド皇太子を失脚させ,トルコのスンニ派盟主としての立場を一気に強化しようと計画したのが、本事件の真相であると言う。
(カショギ氏はエルドアンの政治的犠牲者でもあったと、筆者エバンス氏は言う)
以上
* マイク・エヴァンス氏はニューヨークタイムズ 紙の売れっ子著作者であり、イスラエルの。第9代大統領、シモン・ペレスがエルサレムで創立したイスラエル歴史博物館のファウンダーの一人でもある。
「 Shedding light on the Saudi-Turkey rift 」
「サウジアラビアとトルコの亀裂が浮き彫りになってい る。」2018/11/20 By Mike Evans, JPOST
この戦いはカショギ氏とサウジとの間ではなく、サウジアラビアのムハンマド 皇太子とトルコのエルドアン大統領との衝突だと多くの人 は認識している。
カショギ氏はサウジアラビア大使館に足を踏 入れたが、歩いて出て来ることはなかった。一連の行動はカショギ氏に麻酔をかけ、サウジ政府に対する反逆の嫌疑で裁判にかけるために故国へ連れ戻そうとするものであったと思われる。
いくつかの情報によると、カショギ氏は首を絞められたのではなく、麻酔を打たれた後、窒息させられた、と言う。
私はモサドのある高官やエジプトの情報当局者からの情報でムハンマド皇太子(MBS)はカショギ氏を逮捕して、 彼を裁判にかけるミッションを承認していたという。イスラエルがアルゼンチンに逃亡していたアドルフ・アイヒマンの逮捕で実行したように。
不運なことに、秘密裏にカショギ氏を飛行機で連れ戻す様命じられていた一団は、薬剤の過剰投与のミスによって彼を死なせてしまい、パニック状態になった。そのために事件のもみ消し、誤魔化しが始まった。
その後間もなく、私は2度以上この話を聞かされた。ムハンマド皇太子殿下、サウジの副首相で国防大臣のムハンマド皇太子殿下にあった。 トルコによる猛烈な責任追及があるにもかかわらず、サウジ 側はカメラが領事館の回廊で働いていることに気がついていた。トルコ当局者はカショギ事件を早速アル・ジャジーラ、サウジアラビアと仲の悪いカタール国の公式TV局にリークした。カショギ事件以来、同局は24時間、サウジ皇太子の関与を指摘できるあらゆる手段についてこのニュースを流し続けた。
関連記事
-
-
速報(280)【4号機使用済燃料プール冷却停止】「大切な事は冷却維持』●『大飯原発「再稼働の8条件」小出裕章(MBS)」
速報(280)『日本のメルトダウン』 ●『4月12日【4号機使用済 …
-
-
『オンライン講座/独学/独創力/創造力の研究③』★『「鎖につながれた知の巨人」南方熊楠の全貌がやっと明らかに。今こそ地球環境問題/エコロジー思想の元祖・南方熊楠に学ぼう(下)
前坂 俊之(静岡県立大学名誉教授) ●[宮武外骨と奇 …
-
-
日本リーダーパワー史(274)EUの生みの親・クーデンホーフ・カレルギーの日本記「美の国」―日本人は世界で最も勇敢な民族②
日本リーダーパワー史(274) 『ユーロ危機を考える日本の視点』② …
-
-
『50、60,70歳のための加齢創造学入門』★『国産ロケットの父・糸川英夫(86)の『加齢創造学』ー人間の能力は6,70歳がピークだよ』★『「なにも知らない人間だから、新しいことを勉強しなければならない」と挑戦意欲をもつ』
逗子なぎさ橋珈琲テラス通信(2025/10/26 /am1100) 2012/0 …
-
-
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 日本メルトダウン(1063)>★『日本の「無子高齢化」は、政府が非常事態宣言を出すべき深刻度 』★『日本の余命はあと8年!? 政府の楽観予測が示す「暗い未来」』★『ひとり暮らしの40代が日本を滅ぼす』★『 少子高齢化がもたらす衝撃の未来予想図--「縮むこと」を恐れるな』★『2035年には人口の半分が独身! この先、必要になる「ソロで生きる力」』
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 日本メルトダウン(1063) …
-
-
『オンライン/日本リーダーパワー講座』/野球の神様・川上哲治の『V9常勝の秘訣』とはー ①「窮して変じ、変じて通ず」 ②「スランプはしめたと思え」 ③「むだ打ちをなくせ」 ④「ダメのダメ、さらにダメを押せ」
2011/05/20/ 日本リー …
-
-
『バガボンド』(放浪者、漂泊者、さすらい人)ー永井荷風の散歩好きと野垂れ死考①
『バガボンド』(放浪者、漂泊者、さすらい人)ー永井荷風の散歩人と野 …
-
-
日本敗戦史(45)「終戦」という名の『無条件降伏(全面敗戦)』の内幕<「暴走機関車大日本帝国アジア号」の脱線転覆④
日本敗戦史(45) 「終戦」という名の『無条件降伏(全面敗戦)』の内 …
-
-
辛亥革命(1911年10月10日)百周年④ー★逆転日中史●『孫文革命を外国新聞はどう報道したか』④
辛亥革命(1911年10月10日)から百周年 ―逆転した …
