前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

世界/日本リーダーパワー史(912)-『米朝首脳会談(6/12日,シンガポール予定)はどうなる ー実現か、延期か、ギリギリの交渉が続く』★『米大統領、北朝鮮非核化の早期合意に懐疑的 金氏書簡は1日受け取り』

      2018/06/02

世界/日本リーダーパワー史(912)

12日に米朝首脳会談=予定通り開催、トランプ氏言明―正恩氏の親書評価
6/2(土) 3:50配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018060200137&g=int

 

シンガポールで開催がきまった米朝首脳会談(6月12日)について、トランプ大統領(71歳)は5月24日に突然、中止を発表した。

トランプ一流の揺さぶり恫喝外交の一環だが、当時、北朝鮮の金正恩委員長(34歳)は外国人観光客を誘致する目的で建設中の大規模リゾートの「元山葛麻(カルマ)海岸観光地区」を視察中で、来年4月15日の 故金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日(太陽節)までに突貫工事をせよ」と厳命していた。

中止発表の報に金委員長は寝耳に水のショックを受けて、慌てて文在寅大統領に連絡し板門店で2回目の南北首脳会談(同26日)を急きょ開催、文氏を仲介役にトランプ大統領に首脳会議の開催を哀願する行動に出た。

南北首脳会談の席上、文大統領に「非核化すれば自身の安全と体制保証と経済援助がえられるかどうか」を確約し、熱心に協議したとみられている。

つまり、金委員長の態度の豹変は「経済再建に向けて米国との対話、援助を何とか獲得したい一心であること」を示している。

この情報を受け3日後にトランプ氏は中止発言をこれまた一転し、「米朝首脳会談は開催されるだろう。北朝鮮が将来、経済・金融大国になると心から信じている」と再びエールをおくり、さらに大きなニンジンを北の目の前にぶら下げた。

米朝首脳会談が6月12日に開催となるのか、延長されるのかは現在(5月29日)のところ不明だが、いずれにしても開催は間違いないものと思われる。

ところで、このドタバタコメディーを見ていると、北朝鮮は完全に手玉に取られて関係各国も世界中のメディアも「トランプ劇場マジック」(トランプ流の外交術)に振り回されて、右往左往、一喜一憂している状況が続いている。

特に、今回の1件は外交経験の全くない若い暴れん坊将軍の金委員長と『百戦錬磨』の型破りの交渉の達人のトランプ氏の対決で、格の違いを見せつけた。

これまで北朝鮮は「世界のどの地域も打撃できる最強のICBMを保有する核強国として米国の威嚇を終わらせる」と豪語していた。餓えに苦しむ北朝鮮の国民2500万人の犠牲の上に核保有国を宣言し、狂気の独裁国家を暴走してきた。

北朝鮮は第一回の南北首脳会談で「朝鮮半島の非核化を宣言したもの、その具体的な手順、査察、廃棄の方法については一切明らかにせず」そのうえに「核戦力の建設と経済建設の並進路線を5年の短期間に達成したわが国の偉大な勝利で、核の兵器化は完成した」と誇示した。

つまり、すべてを完成したので今後の核実験もICBMの実験も必要がない、廃棄や凍結と見せかけて北朝鮮がよくやる下手な芝居 の豊渓里(プンゲリ)の核実験施設を爆破しても必要ないというわけだ。

この北朝鮮の行動パターンを良く知る米国と日本は北朝鮮の「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)、を求めてギリギリまで圧力を強めてきた。

追い詰められた金委員長は南北首脳会談を実現し、冷え切っていた中国との関係打開におおわらわで習近平主席に頭を下げて2度にわたって首脳会談を行い仲直りを演出、中国を後ろ盾にすることに成功した。その結果、自己の外交力におごって、対米外交を再び硬化させた。

リビア方式でのぞむというボルトン大統領補佐官の発言に会談中止を先に言いだして牽制し、さらにボルトン、ペンス副大統領を口汚く侮辱する発言をしたために、怒ったトランプ大統領の中止の先制パンチを食ったというわけだ。

さらに北朝鮮側の常習的な約束違反がある。シンガポールで行われる予定だった米朝準備会合を無断欠席したり、連絡すらよこさず、南北閣僚級会談も突然中止、核実験場の爆破にも(国際監視団を立ち会わせる)約束も守らずという度重なる約束違反、信義違反である。

もともと北朝鮮は中国も含めて約束(国際法)を守らない言行不一致の多い国である。金正恩独裁国家の北朝鮮、習近平終身国家主席独裁の中国は典型的な『人知国家』であり、法治国家(米国、西欧各国、日本)とは越えがたいギャップがある。

今年は明治維新から150年目だが、日本と中国、韓国との戦争の歴史の背景には国交、外交、条約交渉の話し合いをめぐる対立があり、米中、米朝対立と同じパターンで戦争に発展している。

●ピーター・ナヴァロ氏の「米中もし戦わば」の中国分析

トランプの政策顧問だったナヴァロ氏の「米中もし戦わば」(副題「戦争の地政学」文芸春秋社、2016年刊)は中国側(北朝鮮にも該当)の行動パターン、交渉スタイルのギャップをこう警告している。

西側諸国の人間は誰もが他人の主権を尊重し、互いに対等に交渉する。相互理解を深める最良の方法は対話である、と考える。中国流のパターンは「延々と自説を繰り広げて、おしゃべりをするだけで、単に話し合うだけが目標になっている」という。

かって『中華思想』華夷序列体制で『小中華』自尊した李氏朝鮮(韓国・北朝鮮)の場合も、口達者で延々と自説を繰り返し、大言壮語し見返り(経済援助)を要求する態度は共通している。

さて、米朝首脳会談の成り行きから目が離せない。

金正恩氏側近、大統領と会談へ
https://jp.reuters.com/article/idJP2018060101002322

 

米大統領、北朝鮮非核化の早期合意に懐疑的 金氏書簡は1日受け取りhttps://jp.reuters.com/article/northkorea-usa-trump-interview-idJPKCN1IW2HM

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

  関連記事

no image
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(226)/日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリスト・水野広徳(上)」『 松山で下級武士の子として生まれるが、一家離散に』★『海軍軍人になり、日本海海戦で活躍』★『「此一戦」の執筆を空前のベストセラーとなる』★『 日米戦争仮想記「次の一戦」で、匿名がバレて左遷』★『第一次大戦中の欧米へ視察旅行へ、』★『再び大戦終了後の欧州視察へ、思想的大転換、軍備撤廃主義へ』

 日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリスト・水野広徳② &nb …

no image
<明治の新聞報道から見た大久保利通 ④ >維新の3傑ー『明治政府の基礎を作った男④』

<明治の新聞報道から見た大久保利通 ④ > ―明治維新の3傑ー 『明治政府の基礎 …

no image
日本リーダーパワー史(305)『日韓外交衝突の歴史を検証する② ーアジアの観察者・ベルツの『日中韓』の500年史

  日本リーダーパワー史(305)   『日韓外交衝突の歴史 …

no image
知的巨人たちの百歳学(109)ー『屋敷も土地も全財産をはたいて明治の大学者/物集高見、高量父子が出版した大百科事典『群書索引』『広文庫』の奇跡の「106歳物語」⓵

屋敷も土地も全財産をはたいて明治の大学者/物集高見、高量父子が出版した大百科事典 …

no image
日本リーダーパワー史(56) 海軍トップリーダー・山本五十六は国難にどう立ち向かったか②ハワイ攻撃を発案

日本リーダーパワー史(56) 海軍トップリーダー・山本五十六は国難にどう 立ち向 …

no image
知的巨人の百歳学(161)/記事再録/百歳学入門(81)▼「長寿創造的経営者・大阪急グループ創業者の小林一三(84歳)の長寿経営健康十訓」

百歳学入門(81)▼「長寿創造的経営者・大阪急グループ創業者の小林一三(84歳) …

no image
梁山泊座談会『若者よ、田舎へ帰ろう!「3・11」1周年――日本はいかなる道を進むべきか④終』『日本主義』2012年春号

《日比谷梁山泊座談会第1弾》 超元気雑誌『日本主義』2012年春号(3月15日発 …

no image
知的巨人たちの百歳学(134)『一億総活躍社会』『超高齢社会日本』のシンボル ー 「 医師・日野原重明(103)、漢字学者 白川静(96)に学ぶ」

    知的巨人たちの百歳学(134) 『一億総活躍社会』『超高齢社会日本』のシ …

no image
日本リーダーパワー史(172)『高橋是清の国難突破力①』『日露外債募集戦争』―奇跡的に成功したインテリジェンス(1)

 日本リーダーパワー史(172)   『高橋是清の国難突破力①』 &n …

no image
片野勧の衝撃レポート●『太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災㉒ 『第4の震災県の青森・八戸空襲と津波<上>』

  片野勧の衝撃レポート   太平洋戦争<戦災>と …