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日本リーダーパワー史(875)『日中韓、北朝鮮の三角関係はなぜ、かくも長くもめ続けるのか②』★『本邦の朝鮮に対して施すべき政策を論ず②』(尾崎行雄の対中国/朝鮮論策、明治12年12月)

      2018/02/15

(尾崎行雄の対中国/朝鮮論策、明治12年12月)

『本邦の朝鮮に対して施すべき政策を論ず②』

わが政府は50万円のうち40万円を環贈して「望むらくはこの金を開明の用に補填こと」と付文した。朝鮮政府はこれを感激し「庶幾くは(こいのぞむこと)この厚誼に托し日月邁征し、共に興隆をはからん」旨を答えたという。

朝鮮政府がわが皇帝(明治天皇)が友邦・朝鮮に対する至誠に感じ、永くこの感謝を忘れることなく、鋭意邁進を図れば、ひとり朝鮮の幸福のみならず、日本もまた、これによって幸福を分受することができる。私はこの盛挙を聞いて、大いに喜ぶと同時に、わが政府の近隣外交は、この一事に止まらないことを希望する。

(中略)

朝鮮がもしこれに感じて、少しでも日本へを猜疑心をやわらげ、心を開いて我と交際するに至らば、協心戮力(きょうしんりくりょく. 意味, 心と力を合わせて、互いに協力して物事に取り組むこと)以て対島の東西峡を扼守 (やくしゅ、要所をおさえて守ること、防衛すること)し、日本海を守り、両国の独立安寧を維持する端緒を開くことができる。ただし、端緒を開いても朝鮮が再び猜疑の念を起こすことがあれば日本海の扼守の大計はたちまち破壊して、終に他邦(中国・ロシア)らの乗ずる災いが起きかねない。

そのため、これに次ぐ政策がなければ、朝鮮は必ず猜疑の念を再燃させる日がくる。

そうすれば、今日の償金を遺贈した効果は立所に亡くなる。故に、韓人をして疑念を除て、永く我が厚誼に感ぜしめんと欲せば、単に償金遺贈を以て満足せず、更に方法を求めて彼が歓心を繋ぎ、これを固くしなければならない。

余輩がその1,2の策を略述せん。

朝鮮に大院君なる者あり、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%88%E5%AE%A3%E5%A4%A7%E9%99%A2%E5%90%9B

国王の近親でかつて久しく政権を握り、明治十五年七月の乱(壬午事変)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%AC%E5%8D%88%E8%BB%8D%E4%B9%B1

では、その蜂起させたという嫌疑を受けて、清国宮延に拘引された。以後、清国に留まり、禁固のされているが、朝鮮保守党に嘱望されており、その名声は極めて高い。

そして、熱心に大院君を仰望する者は、皆な日本を怨み、我国を敵視する者なり、この勢力は甚だ大きくて、開化党(独立党)=親日党

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%8B%E5%8C%96%E6%B4%BE

は容易にこれに対抗できない。このため、保守頑固党の歓心を博さねば、いまだ朝鮮国民多数の歓心を得たとはいえない。

私の提言する政略は、日本が朝鮮政府のために清国宮延にかけ合って、大院君を放帰(釈放し、帰国させる)ことにある。

朝鮮が独立国でることは欧米諸国の等しく認めているところである。ところが、清廷は故なく朝鮮内政に干渉し、多くの兵隊を朝鮮内に秩序、安寧を保護する名目で駐留させている。清延の内政干渉に独立心ある者はみな憤激している。京城(ソウル)に駐留する清兵は無規律、無節制で、乱暴狼藉を働き、上下人民の皆なが苦しんでいる。

そのために、日本が朝鮮のために、宮廷に掛け合て、その干渉を止めさせ、駐留兵を撤退させれば、朝鮮は日本を徳とし、その疑念を棄ててわれを信頼するであろう。

清国の政府、人民共に腐敗しており、各々の私利私欲をむさぼり、政治人民にやさしいものでなく、人民の訴えは上に届かず、国の名はあっても国も実はない。その点は内情に通じたものは皆承知するところで、居留する欧米人の中には、公然と清国を評してすでに無政府の状態に沈滞しているという者が多い。

故に泰平無事の日には、その辺幅(外見。うわべ)を弥縫(びほう、とりつくろう)施し、独立一統の大帝国たる対面を装うことを得るといえども、一旦ことある場合は政令多端にして破綻百出す。

 

政府はいまだ人民保護の義務を果たすことはできないのみならず、

その人民もまた国家の何者たるかを知らず、各々、利益のある所に走て、糧を敵にもたらす者、皆な是れなり。

今日に及んで、なお一国の体面を失はず、一統の政府ある所以の者は、人民は愚昧、無気力にして、官吏となって賄賂をむさぼることを希う以外に、更に政治思想がないためのみ。余輩をして忌憚なくなくこれを評せば、清民の如きはいわゆる無縁の衆生、釈迦再生すと雖も決して済度すべからざる者なり。

しかして、野郎自ら尊大にして、すこしも琢磨改進の道を知らず、動もすれば己が独立だに保持する能力がない危機にあいながら、却て他国の内政を干渉し百方を牽制して、その開明進歩を妨害するとは何の心ぞや。

清国政府の朝鮮の内政に干渉するや、朝鮮の進歩開明を妨げること極て大なり、この弊害をこうむる者は、ひとり朝鮮の一国に止らずこれと親交、密接して、文明の利益に浴せんと欲する者は皆なこの被害者となる。

眼を転じて、清国の利害如何を観察するも、実際、付庸国でない者を強いて、付庸国の名をつけて、時にその内政に干渉してその人民の嫌悪、憤激の念を誘起し、そのために富強国と葛藤を生ずる原因をつくるのは、決して得策ではない。

つづく

日本リーダーパワー史(874)『日中韓、北朝鮮の関係はなぜ、かくも長くギグシャクともめ続けるのか➀』★『130年前の朝鮮をめぐる日中の対立・戦争が今回の件も含めてすべての根源にある』★『憲政の神様・尾崎行雄の名解説「本邦の朝鮮に対して施すべき 政策を諭ず」を読む』★『日本公使館を焼き打ちした壬午軍乱の賠償金40万円(現在の金に換算して約5兆8千億円)を朝鮮発展のために還付した日本政府の大英断』

http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/28271.html

 

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

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