前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(876)『日中韓、北朝鮮の三角関係はなぜ、かくも長く対立、反目するのか、その根源を学ぶ③』★『本邦の朝鮮に対して施すべき政策を論ず③』(尾崎行雄の対中国/朝鮮論策、明治12年12月)★『朝鮮の独立を認め、日本を敵視せず、トルコ、ベトナム、清仏戦争の失敗に学ばねば、清国は滅亡する(尾崎の予言)』

      2018/02/15

★『本邦の朝鮮に対して施すべき政策を論ず③』

(尾崎行雄の対中国/朝鮮論策、明治12年12月)

清国宮廷をして、実際、付庸国(主権国家体制において付庸国、ふようこく、従属国とは、宗主国から一定の自治権を認められているが、その内政・外交が宗主国の国内法により制限を受ける国家を指す。宗主国との関係は付庸関係と言う。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%98%E5%BA%B8%E5%9B%BD

ではない越南二国(ベトナム)の地方に向つて、付庸国の虚名を貪ぼって、今日のフランスとのの戦争となった。もし、フランスとの戦争を避けておれば1朝10数隻の戦艦、政局砲台を撃破され台島(台湾)占拠されるという患害(うれい、損失、災い)、また、4,50万の兵勇を募集して、その善後策に苦しむこともなかったであろう。

清国政府、人民の今日の大難は、その実、付庸国でない者に向かって付庸国の虚名を貪ったために起こったものなり。

朝鮮を以て中国所属の国であるとして、その内政に干渉する患害もまたこのようなものであろう。清国宮廷の者は現在の大難に懲りて将来の戒めとすべきであろう。

越南(ベトナム、清仏戦争)の事例は、

清国宮廷にとって将来の戒めとなるべきものだが、もし、清国がベトナム懲戒するならば、更に適例の宮廷に示したいと思う。

西側諸国の中、その境遇が最も清国に似ているものは土耳機(オスマントルコ)であるトルコ。トルコはかつて強大な帝国であり、しきりに四方を侵略して墺都維納(オーストリア)に進むに至る。

その巨大は実にかく如くなるが故、近隣の州国は皆同盟を結んで、遥かに其政令を奉じ、属国の多き、あたかも清国の康熙帝、乾隆帝の際に似たり。

爾後、オスマントルコの威武は大に衰えて、また統轄の実を挙げることができなかったが、なお虚名に恋々として、その微薪なる内政干渉の政策を廃棄することが出来なかった。

そのために、数々の反乱がおこり、終にヨーロッパ諸強国の異議を招き、付雇国付庸国の虚名を残さんとして、幾どか本国の独立さえ失うに至れり。

トルコをして、早く実勢に従って虚名を貪らず、付庸国は独立すべきは+独立させて、棄てるべきは捨て、大いに改革実行していけば、今日のような甚だしき衰弱には至らなかったであろう。

ところが、その逆に虚名(過去の栄光)を貪って現実に従わなかった結果、虚名も終にこれを維持することが出来ず、空くその国力を消滅させた。

トルコ、ベトナム

https://kotobank.jp/word/%E8%B6%8A%E5%8D%97-445482

清仏戦争にしても、清国宮廷が慄然として、他山の石としてこれを自戒しなければ前轍を踏む失敗をおこすことになろう。

しかも、朝鮮が独立国であることは欧米諸国の認承するところであり、これを独立国と認めて条約を結び、対等の交際(外交)を行う国はひとり日本に止らず、米国といい、英国といい、ドイツといい、皆な対等国として朝鮮と交親通商(友好通商)の条約を締結している。

則(すなわ)ち、朝鮮の独立国たるは天下の公論であり、何人がこれを否定しているのか。清国だけではないか。

京城の変(壬午事変)で大院君を拘束,拉致、幽閉す

1昨年、1882年(明治15)年7月、京城の変(壬午事変)が起きるや、清延は平生の優柔不断にも似ず、直ちに水師提督(海軍)呉長慶https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%89%E9%95%B7%E6%85%B6

と、候補道台・馬建忠https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%AC%E5%BB%BA%E5%BF%A0

を派遣して、断然、大院君https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%88%E5%AE%A3%E5%A4%A7%E9%99%A2%E5%90%9B

を拘致して、以後、文武の官員を留めて、その内政に干渉した。この時、清延の活発果断なことは、余輩(私)は大いに怪しんだところだ。

清国宮延は常に朝鮮事件に処せるが如き実力を有するや疑いを持ったが、今にして思えば、清延は初めよりその結果の及ぶ所を深慮遠謀して行った措置ではなく、一時の感情にあおられて、前後見境なく、盲施妄行(もうせもうこう/向こう見ずにおこなう、みだりにおこなう)の措置のをとったものと思う。

清国宮廷の愚者の一得!

これを愚者の一得という、決して智者の深謀密慮の結果ではない。

どうしてこうなったのか、それは清国の官民が本邦(日本)を猜疑するは、一朝一夕のことではない。日本男児の技量は、唐・明の時代から広く知られており、日本刀の鋭利なのは、宋の欧陽修之を詩に載っている。その後、元(モンゴル帝国)が日本を攻めて(蒙古襲来)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E5%AF%87

生還する者わずか三人という大敗北を喫した。

 

また秀吉の朝鮮出兵

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E7%A6%84%E3%83%BB%E6%85%B6%E9%95%B7%E3%81%AE%E5%BD%B9

に際しては、明は朝鮮を助けてわが堅甲利兵のために蹂躙される。

(この両国の紛争、戦争の歴史により)支那国(現・中国)の人民は古きより、我(日本)を恐れ、我(日本)を疑う原因であり、倭寇https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%AD%E5%AF%87

との戦いは唐・宋以後のいずれの時代にもあり、倭寇がくると常にその精悍(せいかん)、勇猛力を以ってなる日本男児に恐れ戦いたのである。

平素、大いに恐れる所の日本は、明治維新以後、ますます政治、社会改革を断行して、兵備を充実させているのを聞いて、清国宮廷は恐怖、猜疑の念を募らせているのであろう。

いわんや、明治維新後に日ならずして琉球の難問(琉球処分)起り、https://kotobank.jp/word/%E7%90%89%E7%90%83%E5%87%A6%E5%88%86-149567

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E7%9C%8C%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2

ついで征韓の論

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%81%E9%9F%93%E8%AB%96

 

あり、また台湾の変https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E5%87%BA%E5%85%B5

が生じた。

清延が我を恐れ、我を慮(おもんばかる/はかりごとを立てる)るのはこのようなものであったが、朝鮮の暴徒が我が使館に放火し、我が人民を殺傷したるの報(壬午事変)、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%AC%E5%8D%88%E8%BB%8D%E4%B9%B1

北京政府に達す。

清廷はどう対応したのか、この機に乗じて、一挙、朝鮮を侵略し、清国の北方の騒乱に恐怖心が起こし周章狼狽して、その結果と影響とを顧みず直ちに戦艦を派遣し、突然、大院君を拘致し、以て朝鮮政府を清国の命令に従わせたのである。

清国宮廷の今日、活発に朝鮮の内政に干渉するのは日本を恐れこと甚だしきためなり。

清廷の守兵を退ければ、日本もまた駐留兵を徹兵し、朝鮮を純然たる独立国の体面を全うさせる旨を説けば、清国はもとよりこれを聴かざる理由はない。

もし、聴かなければ、これを世界の世論に訴えて、これを歴史上の事実に訴へ、天下の正理公道に訴えればよい。日本は今これを実行しなければ、清国の乱れははすでに近きにあり。

現状のままにして清国の大乱にあえば、朝鮮もまた乱れざるを得ず。その乱に乗じて、欧米の国がもしこれに介入すれば日本海万里の水.はとうてい日本の軍艦を以って守ることはできない

。他の強国がもし朝鮮によって艦隊を日本海に浮かべることがあれば、われわれは1日たりとも枕を高くして安眠することはできない。

私が最も憂えるのはその点で、朝鮮のために、清延に談判して大院君を朝鮮に放帰させるのと、清国兵士の召還とを要求する。

その順序、細目は外交上の機密なのでここでは明言しない。

(明治17年12月)

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

  関連記事

no image
『 地球の未来/2018年、世界の明日はどうなる』ー「2018年はAIが最重要になる」(MITメディアラボの伊藤穣所長)★『人工知能やロボットには奪われない「8つの職業」』★『AIが人類を超える意味—カーツワイルの予言』★『 レイ・カーツワイル 「加速するテクノロジーの力」(動画)』★『 レイ・カーツワイル:今後現れるシンギュラリティ(動画)』

 『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 2018年の世界経済、社会はどうなるか …

no image
日中北朝鮮150年戦争史(21)世界史『西欧列強の植民地争奪合戦』 の中での日清戦争勃発〈1894年)③清国(中国)との交渉は『無底の釣瓶(つるべ) を以て井戸水をくむが如く、いつも その効なく、無益に終わる」(パークス英公使)

 日中北朝鮮150年戦争史(21) 世界史『西欧列強の植民地争奪合戦』 の中での …

no image
  世界、日本メルトダウン(1021)ー「トランプ大統領40日の暴走/暴言運転により『2017年、世界は大波乱となるのか」①『エアーフォースワンはダッチロールを繰り返す。2月28日の施政方針演説では「非難攻撃をおさえて、若干軌道修正」、依然、視界不良、行き先未定、墜落リスクも高い①

  世界、日本メルトダウン(1021) トランプの暴走暴言運転によって『2017 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(132)』「今回の諸問題は、VWの役員会議室の中でスタートしている」(ニューヨーク・タイムズ」(9/25)

  『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(132)』 『独 フォル …

no image
<日本最強の外交官・金子堅太郎④>『武士道とは何かールーズベルト大統領が知りたいー金子の名スピーチ④』

<日本最強の外交官・金子堅太郎④> ―「坂の上の雲の真実」ー 『武士道とは何かー …

no image
日本リーダーパワー史(841)★☆(人気記事再録)『明治維新150年』★『日本人だけが忘れ去った世界的英雄/革命家としての西郷隆盛を再評価する』★『世界革命史に例のない<江戸城無血開城>を実現した西郷 隆盛、勝海舟の超リーダーシップを見よ』●『一個の野人・西郷吉之助を中心とし、一万五千の子弟が身命を賭して 蹶起し、うち9千人までも枕を並べて討死するとは、じつに 天下の壮観であります。』

 日本リーダーパワー史(841) ★☆(人気記事再録)『明治維新150年』 &n …

no image
★10人気リクエスト記事再録/日本リーダーパワー史(869)『真珠湾攻撃から70年―山本五十六のリーダーシップ』ーー最もよく知る最後の海軍大将・井上成美が語る「秘話」ー

リーダーパワー史(869) 2011/09/27執筆<日本リーダーパワー史(19 …

no image
日本メルトダウン脱出法(798)「もはや経営危機」東芝5500億円赤字の衝撃度』●「親族の資産隠し疑惑で習主席の反腐敗運動に陰り?」●「シェアリングエコノミーの旗手が語る 工業資本主義の終焉と気候変動問題」

  日本メルトダウン脱出法(798)  「もはや経営危機」東芝5500億円赤字の …

200px-Gen_Kuropatkin
 日本リーダーパワー史(793)ー 「日清、日露戦争に勝利」 した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、 インテリジェンス』⑪『ロシアのクロパトキン陸相が敵前視察に来日』『ク大将は陸軍士官学校視察で障害物突破競争の優勝者に自分の時計を褒美であげた』●『パーティーでは黒鳩金大将と日本の将軍の視線がぶつかり火花が散り、日本の将軍はさらに恐ろしい目つきでにらみ返して一触速発に』

   日本リーダーパワー史(793)ー 「日清、日露戦争に勝利」 した明治人のリ …

no image
速報(459『神戸大学大学院・木村幹教授の「中国とどうつきあうか」講演動画●『リー・クアンユー氏「日本は 「下り坂」と予測』

 速報(459)『日本のメルトダウン』   ●<神戸大学大学 …