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★『アジア近現代史復習問題』・福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む(3)ー「北朝鮮による金正男暗殺事件をみていると、約120年前の日清戦争の原因がよくわかる」★『脱亜論によりアジア差別主義者の汚名をきた福沢の時事新報での「清国・朝鮮論」の社説を読み直す』★『韓人の治安妨害』(「時事新報」明治27年4月19日〕』★『 朝鮮国王の指令で次々に4人の刺客を日本に送り込み、 日本の主権を侵し金玉均、朴泳孝の暗殺を実行した』★『朝鮮政府に対し不法なテロ事件の真相を究明し、国際談判を開き、黒白を明にして国家の治安を擁護すべし』

   

 ★『アジア近現代史復習問題』

・福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む(2)ー

「北朝鮮による金正男暗殺事件をみていると、約120年前の日清戦争の原因がよくわかる」

★『脱亜論によりアジア差別主義者の汚名をきた福沢の時事新報での

「清国・朝鮮論」の社説を読み直す』★

➀ 『朝鮮国王の指令で次々に4人の刺客を日本に送り込み、

日本の主権を侵害し金玉均、朴泳孝の暗殺を実行す」

②『朝鮮政府に対しこのテロ事件の真相をただし、公然たる

国際談判を開き、黒白を明にして国家の治安を擁護すべし」

 

福沢諭吉の論説『韓人の治安妨害』(「時事新報」明治27年4月19日〕

保安條例と云ひ予戒令と云ふは、皆これ事の未然に先だち改め治安を保たんとするの用意にして、法の細目はともあれ、大体に於て其要用なるは我輩の夙に認むる所なれども、遺憾なるは条例の運用たる、専ら内国人に対するの取締に偏して、外来の人に向ては全く保安の精神を欠くに似たるあるの一事なり。

近日、人をして最もこの感を抱かしむるは、彼の韓人暗殺の件にして、事の起りを尋ぬれば、朝鮮に於ける政党の軋轢よりして、ついに我明治十七年京城の変乱を醸し、一方の領袖たる金玉均、朴泳孝の諸氏は逃れて本邦に渡来し、其姓名を変へて流寓の人となりしに、

爾来、同国にて政権を占め得たる閔氏の族は、当時の政争に勝を制したるを以て足れりとせず、其政敵の猶は他国に生存するを忌みて、片時も心安からざるにや、間がな隙がな手を尽くして飽まで後患を絶たんと企てつつある由は、誰云ふとなく喧伝して、中外ともに人の能く知る所の如し。夫れかあらぬか明治十八年には韓人張殷奎なる者

http://f48.aaacafe.ne.jp/~adsawada/siryou/060/resi049.html

にわかに我国に来りて金、朴諸氏の動静を窺い、容易ならざる企をなして其事成らず。

翌十九年には是も韓人・池運永なる者 http://f48.aaacafe.ne.jp/~adsawada/siryou/060/resi049.html

来り、同じく害を加へんとせしも、却て諸氏に看破せられ、仔細一々摘発せられて、実は王廷の密旨を承けたるものなり杯、風評もありしが、金氏が之について彼の国王に捧呈したる書中にも、明に奸臣の聖聴を蔽ふ者あるをとがめ、政争の余波、酷に失するを歎きて弾劾哀訴したるを見ても、計画の尋常ならざりしを見るに足れり。

 

其後も時々怪しき韓客の渡来ありしがついに、此頃に至り李逸植なる者の工(たくみ)以て金玉均氏をば上海に於て洪鐘字に銃殺せしめ、自身は権東寿ら http://f48.aaacafe.ne.jp/~adsawada/siryou/060/resi056.html

と共に朴泳孝 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E6%B3%B3%E5%AD%9D

を刺さんとせしが、術策、齟齬して目的を果たさざりしと いえども、ここまでに手を換へ、品をかへ殺人の用意怠りなきを見れば、今後も亦測る可らざる次第にして、我輩の推察を以てしても其党類は少なからざるものの如し。

誠に物騒の限と云ふ可し。 害を加へんとする者も、加へられんとする者も共に韓人同士なれば敢て意とするに足らずと云はんなれども、いやしくも我帝国内に於て帝国の在住者を殺戮せんとある上は、人の内外を問はず日本法律の保護なかる可らざるや勿論のことにして、決して打捨て置く可きにあらず。

否、被害者の何人にして、加害者の誰たるもすでに明白とあれば、之を未然に防衛するこそ治安の本意なれ。之これをもし傍観す可しとせば、将た何ものか傍観す可らざらんや。 通常の私怨のため殺人の恐れある場合にても、理、まさに此の如くならざる可らざる上に、

一歩を進めて朝鮮刺客の因縁、由来を吟味すれば、彼国政府との関係頗る疑ふべきうものあるが如し。 現に李逸植の手許には国王の密書を所持せりと云ふ。其密書の眞偽に就き、朝鮮の本国にては全く偽物なりと云ふよしなれども、今日の場合となりては仮令の眞物にせよ偽物なりと言ひ張るは分り切たることにして、細々議論するに足らず。

 

前の池蓮永といい、今の李逸植と云ひ、恰かも符節を合せたるが如く、共に密書を偽造するの謀を案出したりとは唯奇なるのみ。

我輩も固より其偽物ならんを祈る者なれば、敢て深く問ふことを好まざれども、独り如何せん、金氏の屍体については既に各国領事よりも無惨の凌辱を加へざる様、彼国政府に注告ありしにも拘はらず、京城(ソウル)に到着するや否や、予ての噂の如く果して極刑に魔せられ、身首、所を異にしたる由なれば、その反対に洪鐘字もまた風聞の通り、いよいよ重職を授けられ大に面目を施すとあらんも知る可らず。

 

現にその師たる趙義淵 http://f48.aaacafe.ne.jp/~adsawada/siryou/062/resi080.html

http://f48.aaacafe.ne.jp/~adsawada/siryou/060/resi056.html が門下に洪鐘字の如き忠臣義士を出したりとて、恩賞の沙汰を被りしとは抑々も如何なる次第なるや。

 

また権東寿らの如きは渡航以来、早くも刺客なりとの評判隠れなくして、現に李逸植が事を挙げたる場合には関係の者たること顕然たりしにも関せず、朝鮮公使は常に之と往来して親交をなし、 犯罪の際には其公使館に逃込みたるを迎ふるのみか、我政府より引渡の請求ありたれども依違躊躇して、百方之を庇護せんと力めたるなど、如何にしても疑を解く可らず。

この辺の事情より推窮するときは、我輩も遺憾ながら彼国当路の政敵輩に対しますます不審を抱かざるを得ざる評にして、事態いよいよ重きを増すの感に堪へず、 等閑に付す可らざるなり。

左れば彼の刺客等を一箇人と視見倣しても、我政府が之に向て国内の秩序保安の職務を厳施せざる可らざるや無論のみか、朝鮮政府に対してはその果して事に関係のあるやなしやを取糺し、

普通の感想に結ばれる疑惑を解かんがために、公然たる国際談判を開き、速に黒白を明にして国家の治安を擁護せんこと我輩の切望して措かざる所なり。                          

   〔四月十九日〕

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

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