前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(124)「新国立競技場建設に2520億円とは・」(7/10)

   

池田龍夫のマスコミ時評(124)

「新国立競技場建設に2520億円とは・」(7/10)       

 

2020年東京五輪・パラリンピックの主会場になる新国立競技場の総工費が

2520億円に膨らんだ。

当初の1300億円から倍増の決定を許容できない

与野党から批判の声が強く、公明党の石井啓一政調会長は7月8日の会見

で「当初は1300億円で収まるデザインと認識されていた。非常に甘い認

識だったのではないか」と批判。石井氏は「特有のデザインを建設するに

は相当の費用がかかる。最初の段階で十分把握できていなかっのはズサン

だ」と指摘。総工費が膨らんだことについて「国民によく伝わっていない。

国会議員にも丁寧な説明はない」と述べ、事業主体の日本スポーツ振興セ

ンターや所管の文部科学省に説明するよう求めた。

民主党の枝野幸男幹事長も会見で「この顛末はあまりにもお粗末で。最近の

五輪メイン会場は、いずれも3桁の億だ。なぜ東京だけ2500億円もかかる

のか。財源や完成後の収支のめどが立っているとは言いがたいのに、政府は

なぜ、これを強行するのか意味が分からない」と訴えた。

福島事故対策に当てるのが、政治の本筋

一方、福島原発事故の復旧は遅々として進んでいない。2011年3月11日、東

日本大震災による地震動津波の影響による原発事故は、国際尺度最悪のレ

ベル7(深刻な事故)に分類される事故で、2015年4月現在、炉内燃料の

ほぼ全量が溶解して、近づけない状態が続いている。

東京五輪新競技場は総工費2520億をかけ、19年5月の完を目指してい

る。1311兆円余の膨大な財政赤字(15年4月1日現在)をかかえている日

本にこのような大盤ぶるまいが許されるはずがない。過去最高のロンドン

五輪スタジアムの建設費は900億円。赤字大国・日本が3倍の巨費をつぎ込

むとは狂気の沙汰である。

巨額の予算を福島事故対策費に事故に振り向けるのが、政治の本筋である。

(いけだ・たつお)毎日新聞OB。

 - IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『リーダーシップの日本近現代史(18)記事再録/「STAP細胞疑惑』『日本政治の没落』の原因である 「死に至る日本病」『ガラパゴス・ジャパン』『中央集権官僚主義無責任国家』 の正体を150年前に報道した『フランス新聞』<1874(明治7)年5月23日付『ル・タン』―「明治7年の日本政治と日本人の特徴とは・・」

2014/04/21/日本リーダーパワー史(494)   & …

no image
日本リーダーパワー史(530)「何よりダメな日中韓の指導者―安倍首相も「成熟した大人のグローバルリーダーシップを磨け」

   日本リーダーパワー史(530)   「安倍自 …

『オープン講座/ウクライナ戦争と日露戦争①』★『ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」がウクライナ軍の対艦ミサイル「ネプチューン」によって撃沈された事件は「日露戦争以来の大衝撃」をプーチン政権に与えた』★『児玉源太郎が指揮した日露戦争勝利の秘訣は軍事力以上に外交力・インテリジェンス・無線通信技術力・デジタルIT技術にあった』

  ウクライナ戦争でロシア侵攻作戦の要であるロシア黒海艦隊の旗艦・ミサ …

no image
●「 熊本地震から2ヵ月」(下) 『地震予知はできない』ー政府は約3千億円を つぎ込みながら熊本地震まで38年間の『 巨大地震』の予知にことごとく失敗した。(下)<なぜ地震学者は予知できないのか。ゲラー氏は 『地震予知は科学ではない』という>

  「 熊本地震を考える」 『地震予知はできない』ー政府は約3千億円を つぎ込み …

no image
野口恒のインターネット江戸学講義③『第1章 ウェブ社会のモデルは江戸の町民社会にあり(上)』

日本再生への独創的視点<インターネット江戸学講義③>   『第1章 ウ …

no image
<野口恒のインターネット江戸学連続講義①>『江戸から学ぶウェブ社会の活力①』町民社会の庶民ネットワ-ク

日本再生への独創的視点<インターネット江戸学連続講義>   『江戸から …

no image
『5年前の記事を再録して、時代のスピード変化と分析ミスをチェックする』-『2018年「日本の死」を避ける道はあるのかー 日本興亡150年史』(1)

 2012年12月17日執筆 ★『2018年「日本の死」を避ける道はあるのかー …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(41)☆『沖縄密約文書開示訴訟」原告が、外務省に質問書』

  池田龍夫のマスコミ時評(41)   ☆『沖縄密約文書開示 …

no image
太平洋戦争下の新聞メディア―60年目の検証―

1 < 2005年2月> 「マス・コミュニケーション研究No.66」掲載 前 坂 …

『Z世代のための日本の超天才人物伝⑦』★『世界の知の極限値』★『ーエコロジーの先駆者、南方熊楠の家族関係』★『父・弥兵衛は遺書(財産分与)に「二男熊楠は学問好きなれば、学問で世を過すべし。ただし金銭に無頓着なるものなれば一生富むこと能わじ』と記していた」』

日本天才奇人伝③「日本人の知の極限値」評された南方熊楠の家族関係  & …