『リーダーシップの日本近現代史』(243)/★記事再録『2011年3月11日、福島原発事故から49日目)ー『日本のメディア、ジャーナリスト、学者の責任と良心を問う』
速報(38)『日本のメルトダウン』49日目の記事再録
前坂 俊之(ジャーナリスト)
●『日本のメディア、ジャーナリスト、学者の責任と良心を問う』
いうまでもなく、ジャーナリズムの使命は「真実の追及」であり、「権力の監視」である。大学、学者の役割は『真理の探究』であり、いずれも最も忌避されるのは『虚偽』であり、『良心の欠落』である。
その国、その社会の行方について警告を発するセンサーの役目がジャーナリスト、学者に第一次的に求められる。ジャーナリスト、学者の良心からの警告のない国はブレーキのこわれた車である。いずれ暴走しても事故を止められない。今回の原発事故はまさしく、日本の制度・システム・日本人の思考・行動形式全体のメルトダウンなのである。明治維新以上の大改革が求められるが、日本人は古来から革命を起こせない民族である。
本来、社会公共の利益を目指す政治家は当選のための政治資金集めに大衆におもねりがちだし、経済人は利益最優先で行動し、官僚、役人は社会奉仕よりも保身が第一となり、組識ジャーナリストも利益優先の新聞、テレビ会社の論理につながれた奴隷でしかない。
この4月に会社に入った私のもと大学ゼミ生が「勤務は朝の9時から夜、11時まで働いています。サービス残業をしています」と聞いて、驚いた。こんな憲法で規定された労働基準権を最初から無視された日本の企業とは一体何たる存在か。いつわりの民主主義議会制国家、日本株式会社の実態である。
大学、学者の世界もあの封建的な山崎豊子『白い巨塔』から、どこまで進歩したのか。今回、一貫して原発の危険性を訴えていた京大7人組が村8分にされて、万年助教(かつて、公害問題で活躍した宇井純東大助手が最後まで東大で助手でおかれた)に差別され、教授との反対意見をとなえると飛ばされ、研究費も回してもらえないという学問の自由もない今の大学の存在)の状態と余り変わっていないのである。
日本の新聞・テレビのお粗末さ、その報道・ニュースの低レベルは年と共にひどくなる一方で、書いている記者連中に「君は何でのこんなどうでもよい屁のような記事をかいているのか」と問いたい。
今、この記事を書いていて最中に、NHK,民放でも「交番で1000円かりた無職の男が逮捕された」というニュースを3分間、「警視庁の調べでわかった。余罪があるので追及している」というワンパターンの警視庁記者クラブのゴミエサニュースが流されていた。これを「ワン、ワン」と警視庁、警察ペットジャーナリズムがおやつをたべて、書いて仕事をした気になっているのが、日本の記者クラブ発表制度という100年近く記事の日本型のシステムである。
これはジャーナリズムではない。
『法律とはクモの巣である。ハエやカは引っかかり、カブトムシは破る』。犯罪ニュースもこれである。大きな犯罪(戦争、原発犯罪、国家犯罪、政治犯罪)は裁かれず、1000円のどうでもよい金がなくて借りたものがクモの巣にかかって、犯罪として立件され、これが電波,電気を独占しているNHK、民放のニュースでたれ流される構造こそ問題であろう。
事の大小、ニュースの意味、背景をとうのが記者の腕であり、センスであり、新聞、テレビの存在意義である。いまの会社サラリーマン記者で真のジャーナリストといえる人間は少なく、単なる「●◎新聞.●◎テレビ」名刺だけのゴミニュースの宅配業者でしかない。
新聞そのものも地球資源の大切な森林パルプを無駄遣いして、地球環境破壊の先兵役を果たして典型的、画一的なニュース報道しかしていない日本の大新聞は過去の産物でしかない。その意味で、新聞もテレビも目覚めた国民からはとっくに見捨てられた過去の遺物であり、宅配制度による新聞、無料放送という民放テレビもそのうちにお役御免で、インターネットにとって代わられていく存在である。今回の原発事故はそれをいっそう加速している。
今回の原発報道でも、「ニューヨークタイムズ」「ウオール・ストリート・ジャーナル」その他、米英の新聞の方がはるかに本質をついているし、有益である。
『しがらみと既得権保護がまかり通り、純粋で青臭い、しかし社会と人間の進歩に貢献する貴重な思索と行動が阻害される今の日本から、距離を置いた外紙の論陣は、今程必要な事は無いと痛感します。必要な価値観だけで純粋に思索している、しがらみの無い海外ジャーナリズムの主張は、基本に戻る動作を教わります。 さて、今回の原発問題、national felony です。昔であれば、関係者一網打尽で切腹です。 経産省、保安院、安全委員会、東電の関係者をLaw court へ引っ張り出し、再発を絶滅するため、各職責、非常事態への対応、国際連携など細部のやり取りをさせなければなりません』という識者の指摘は重要である。
(注目記事)
『日本の共謀(談合)文化が原因―とニューヨークタイムズ指摘』
●『Culture of Complicity Tied to Stricken Nuclear Plant』
(ニューヨークタイムズBy NORIMITSU ONISHI and KEN BELSONPublished: April 26, 2011 >
(コメント)「日本の共謀( 談合)の文化が、原子力大災害に繋がっている。 原子力村の共謀の中で、安全が犠牲になっている、と、 相変わらずズバリ本当の事を指摘。
班目よりも松浦祥二郎が、委員長でありながら、「そんなに安全対策をやったら、馬鹿高い電力価格になり、国際競争に勝てない」と、東電の社長まがいの事を再三言ってます。松浦が、経産省の意を受けて、長年安全を抑えつけていました、原子力村の仕切り屋の一人です。彼は、原研の草創期からの古狸です」
班目よりも松浦祥二郎が、委員長でありながら、「そんなに安全対策をやったら、馬鹿高い電力価格になり、国際競争に勝てない」と、東電の社長まがいの事を再三言ってます。松浦が、経産省の意を受けて、長年安全を抑えつけていました、原子力村の仕切り屋の一人です。彼は、原研の草創期からの古狸です」
そして、日本は衰退していく。原因究明と同時に責任を徹底追及していく必要がある。
被災民は命も土地も財産もすべて失った。その事故の責任者たちが一片の謝罪やお詫びで
済むわけがない。東電の幹部、社員が給与カットはもちろん、原子力を推進した政治家、
通産官僚の責任、賠償も当然、対象になって来るであろう。
●「専門家派遣遅れ「本当に失敗だった」班目氏反省」
<読売(2011年4月28日01時37分)
(コメント)『この様な精神構造の男、象牙の塔で能書きを垂れる事と、現実の真剣白刃取り、一刻の判断が生死を決める実社会の区別が出来ない、なまくら竹光(使い物にならない)人間を育てる東大 とは何なのでしょうか?どうせ事故など起きないのだから、東大教授の肩書と原子力村の順送り人事で、表面を糊塗しておけば良いという役人の発想が、放射能難民を倍加させ、死の灰を増やしたのです。
安全委員会の委員長の職務は、優れて行政官の典型です。「国民の命を握っているんですよ」と言われても、彼は「えーえ!、私がですか?」と問い返す
類いの痴呆です。告発される対象の一人です。本当に、原発問題には、日本人の凡ゆる負の文化が凝縮しており、絶対に風化させてはならない』
安全委員会の委員長の職務は、優れて行政官の典型です。「国民の命を握っているんですよ」と言われても、彼は「えーえ!、私がですか?」と問い返す
類いの痴呆です。告発される対象の一人です。本当に、原発問題には、日本人の凡ゆる負の文化が凝縮しており、絶対に風化させてはならない』
●『指針に不備、力不足も 原子力安全委の委員長が反省の弁』
<産経MSN2011.4.27 22:25>
<5年後から現在を考える>
5年後の2016年には中国が世界一の経済大国へ、日本は国家破産している可能性は高くなっている。社会変化のスピードはドッグイヤーである。いまは非常時、国難到来から戦時下に突入して、
人類史上最強最悪最毒のプルトニウム(半減期は2万5000年)、放射能との戦争(燃料棒の処理)をしている状況なのに、相変わらずの平和ボケ,震災ボケ、原発油断の日本の政治家、官僚、マスコミの思考停止と不決断、実行力不足が「ピンチをチャンスに変えられる機会」を小田原評定(会議は躍るされど決せず)で、刻一刻とロスタイムを得点せずにパス回しばかり時間を無為に過ごしている。これでは最悪のシナリオを自ら墓穴を掘っているのと変わらない。
かつて世界一の絶対沈まないといわれた豪華客船『タイタニック号』が沈没したのは1912年と100年前である。
キャメロン監督、の映画(1997年)は映画史上最高の世界興行収入を記録した。
この映画を見た人は多いだろうが、助かった数少ない1人のおばあちゃんの回想から始まる。
かつて世界一の絶対沈まないといわれた豪華客船『タイタニック号』が沈没したのは1912年と100年前である。
キャメロン監督、の映画(1997年)は映画史上最高の世界興行収入を記録した。
この映画を見た人は多いだろうが、助かった数少ない1人のおばあちゃんの回想から始まる。
船内では金持ち連中が毎日、豪華でぜいたくな食事のパーティーの連続で浮かれている。氷山に激突しても「不沈構造の船底の5重の仕切りになっているので、浸水しても絶対に沈まない」とのキャプテンの説明に、乗客は最期の最期まで酒を飲み、踊り明かし、浮かれ切って安心していた。この事故の犠牲者数は1,513人にも達し、当時世界最悪の海難事故となり果てた。
ちょうど100年前のこの事故のことがしきりに福島事故と対比して思い出される。
今は戦時下ジャーナリストと自覚すべきでる。
関連記事
-
-
日本メルトダウン脱出法(766)「中国バブル崩壊「世界大恐慌」の可能性(大前研一)」●「TPPを取り巻く不穏な政治(浜田宏一)」●「残り任期3年、安倍政権に打つ手なし(大前研一)」
日本メルトダウン脱出法(766) 東証一部上場へ、郵政3社の未来絵図ー大前研 …
-
-
『Z世代のための日本の超天才人物伝④』★『約120年前に生成AI(人工頭脳)などはるかに超えたリアルな『世界の知の極限値』『博覧強記』『奇想天外』『抱腹絶倒』の南方熊楠先生の書斎訪問記(酒井潔著)はめちゃ面白いよ①』
2015/04/30/ 「最高に面白い人物史①記事再録 …
-
-
★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」- 「日本側が伝えた日英同盟の分析」⑤『機密日露戦史』谷寿夫著より』日露協商か、または日英同盟か』★『桂太郎首相の意見は、ロシアは満州の占領のみで最終とするものではない。満洲が手に入れば韓国にもその手を伸ばす、結局、日本が手を出す余地がなくなるまで、その侵略はやまないであろう』
★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」- 「日本側が伝えた日英同盟の分析」⑤ …
-
-
日本リーダーパワー史(71)明治のトップリーダーの素顔は・中江・山県・川上・・・<頭山満が語る明治リーダー真の姿>
日本リーダーパワー史(71) 明治のトップリーダーの素顔・中江・山県・川上 …
-
-
<1時間でわかる超大国中国の謎と対日感情>動画座談会ーチャイナウオッチャー・松山徳之氏から聞く
<1時間でわかる超大国中国の謎と対日感情> ★★お勧め(動画座談会 …
-
-
速報(33)『日本のメルトダウン』46日目ー『よくわかる福島原発の内部状況―元原発技術者の全解説動画を一挙公開』
速報(33)『日本のメルトダウン』46日目 ◎『よくわかる今の福島原発の内部状況 …
-
-
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑦1903(明治36)年4月30日『英ノース・チヤイナ・ヘラルド』 『ロシアは満州撤退せず』『ロシアと日本』
『日本戦争外交史の研究』/ 『世界史の中の日露戦争』⑦ 1903(明治3 …
-
-
『オンライン/』本田宗一郎の名語録』★『どんな発明発見も他人より一秒遅れれば、もう発明、発見でもなくなる。時間こそすべての生命である』●『頭を使わないと常識的になってしまう、頭を使って〝不常識″に考えろ』
日本リーダーパワー史(733) 2016/0 …
-
-
高杉晋吾レポート(9)闇に隠された「ふげん配管ひび割れ隠蔽」のショッキングな証言—森田渓吾の原発建設段階で話②
高杉晋吾レポート(9) 闇に隠された「ふげん配管ひび割れ隠蔽」のショッキングな証 …
-
-
明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変③』- 『ドイツ、ロシア、フランス、イギリスらの清国侵略に民衆が立ち上がった義和団事件が勃発』★『清国侵略の西欧列強(英国、ドイツ、フランス、ロシアら)の北京公使館は孤立し、敗北の危機に陥り、日本に大部隊の出兵を再三、要請した。日本側は三国干渉の苦い教訓からなかなか出兵に応じず・』
明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変③』- 7月6日、日本政府は「 …
- PREV
- 『リーダーシップの日本近現代史』(242)/★『日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(28) 『川上操六の日清戦争インテリジェンス①「英国の文明評論家H・G・ウェルズは「明治日本は世界史の奇跡であり、「日本国民はおどろくべき精力と叡智をもって、その文明と制度をヨーロッパ諸国の水準に高めようとした。人類の歴史において、明治の日本がなしとげたほどの超速の進歩をした国民はどこにもいない」と評価』。
- NEXT
- 『リーダーシップの日本近現代史』(244)/記事再録★『日本の「戦略思想不在の歴史⑮」ペリー来航45年前に起きたイギリス東洋艦隊の「フェートン号」の長崎港への不法入港事件」★『ヨーロッパでのナポレオンの戦争の余波が<鎖国日本>にも及んできた』
