前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(113)従軍慰安婦問題、いぜん続く日本・韓国の対立を憂える(6/27)

      2015/01/01

  

池田龍夫のマスコミ時評(113

 

 

従軍慰安婦問題、いぜん続く日・韓の対立を憂える(6/27)

 

            

池田龍夫(ジャーナリスト)

 

 
従軍慰安婦問題が日本・韓国の大きな課題になってから、
4半世紀が経とうとしている。政府は620日、1993年の河野洋平官房長官談話の作成過程などの検証結果を国会に示した。それによると、「日本が、朝鮮半島での慰安婦募集の際の強制性について『甘言、強制、総じて本人の意思に反して行われた』との表現で〝決着した〟との見通し〟韓国政府に登録した元慰安婦の生存者は54人になったという。 

 

一方的な批判を控えてもらいたい

 

「河野談話をめぐって『負の連鎖』を繰り返すことなく、今度こそ問題解決の原点に返るべきだ」(朝日新聞21日付社説)、「韓国政府にも配慮を求めたい。過剰な表現で一方的な批判をするのは控えてほしい。こうした言動への日本国民の不快感が、談話見直しへの一定の支持につながっているからだ。過去を冷静に見つめ、未来に生かす発想を互いに今一度思い起こそう。検証をその契機にしたい」(毎日新聞22日付社説)との指摘に、同感である。

 

NYタイムス社説が痛烈な日本批判

 

624日の「Peace philosophy center」にニューヨークタイムス社説で慰安婦問題を取り上げたことを知った。乗松聡子氏の訳文を読んで、痛烈な日本批判に驚かされた。その概略を紹介しておきたい。

 

「アジアの安全保障のために日本と韓国の間に建設的な関係が今ほど大切なときはないのに、米国の同盟国であるその二国は困難な歴史を乗り越えることができないでいる。先週金曜日に第2次世界大戦時の性奴隷についての日本の報告書が発表された。しかし、そ

の状態がすぐに変わる見込みはない。舞台裏における韓国との激しい交渉の結果生まれたもので、日本国外の多くの歴史家の疑念は晴れていない。

 

安倍晋三首相は、そもそも検証を指示することで、限定的な国家主義的政治一派の歓心を買うことにより、戦時中の犯罪の被害者たちを不当に扱い、自国に損害をもたらしている。2006年から2007年までの首相第1期目のとき、国家主義者たちの立場を支持した。

 

2012年末に始まった第2期目には、この談話を見直すかもしれないとの兆しを見せた。3月に安倍氏が強調したような、女性たちの苦しみを思うと歴代首相と同じように『心が痛む』と言ったことも含めて、その後の数々の発言は韓国の人々の不安を和らげるに至らなかった」

 

「日・韓の協議に否定的なイメージを与えるのは道理に反する」

 

「韓国の人々にとって報告書は1993年の談話が起草されていた間の両政府間の協議を明らかにすることによって、日本はその談話について誠実ではなかったということを示すものだった。国家間の関係にとって協議することは極めて重要であり、それは繊細な問題ほどそうであるが、話し合いに否定的イメージを与えることは道理に反する。今こそ安倍氏は自国と世界に対し『否定論者』は間違っていることを明確にすべきだ。

 

安倍氏が進んでこの政治一派のご機嫌を取り続けることは、日本が地域における指導的役割を果たしていく能力を妨げている。米国が、アジアにおいて増している中国の強気の行動に対処していくため合理的な戦略を作っていくには、日本と韓国の協力がどれだけ得られるかに掛かっている。

 

先月この問題に関する会議がロンドンで開かれたが、日本代表で派遣されていた安倍氏の弟である岸信夫氏は『性暴力は犯罪である。犯人が責任を問われないという文化を排除し我々の考え方を変えていくことが大事だ」と言っている。民主主義国家であり、世界第3位の経済大国として、日本が過去を書き換えようとしているとみられることがあってはならない。

アジア安定のため一層の外交努力を

 

 菅義偉官房長官は625日の記者会見で、韓国政府が検証報告書に不満を表明したことついて「極めて残念だ。検証結果を冷静にみてほしい」と呼びかけた。依然として両国の反目が続いていることが悲しい。アジア安定のために一層の外交努力を望みたい。

 

 

 - IT・マスコミ論 , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
池田龍夫のマスコミ時評(65)●自民党総裁選をめぐる過剰報道に物申す(9・26)●日米同盟強化に基づき、グアムで軍事共同訓練

           …

no image
「日中韓150年戦争史」(72)「朝鮮王朝が行政改革を行えば日本は東学党反乱を鎮圧にあたる』『ニューヨーク・タイムズ』

    『「申報」や外紙からみた「日中韓150年戦争史」 日 …

no image
『5年前の記事を再録して、時代のスピード変化と分析ミスをチェックする』-『2018年「日本の死」を避ける道はあるのか⑤』★『アベノミクスで政権100日は成功、この難題山積のナロウパス (細いつり橋)を素早く突破しなければ、日本の明日は開けない』★『スピード突破できずTimeout、釣り橋から落下の運命が迫りくる?』

★『2018年「日本の死」を避ける道はあるのか ー―日本興亡150年史』⑤― < …

世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記(2015 /10/10-18>「朝霧の中から神秘に包まれた『マチュピチュ』がこつ然と現れてきた水野国男(カメラマン)⓶

  ★<世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記 (201 …

『Z世代のための最強の日本リーダーシップ研究講座(40)』★『日本海海戦』★『敵艦見ユトノ警報ニ接シ、連合艦隊ハ直ニ出動、コレヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高し(秋山真之)』

バルチック艦隊の航行偵察で大活躍した三井物産上海支店総監督・山本条太郎(39歳) …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(72)『大惨事招いた笹子トンネルのズサン管理』(12・5)『改憲狙う安倍自民、石原維新の会に要注意(12・3)

 池田龍夫のマスコミ時評(72)     ●『大惨事招いた笹 …

no image
百歳学入門(105)本田宗一郎(74歳)が画家シャガール(97歳)に会ったいい話「物事に熱中できる人間こそ、最高の価値がある」

百歳学入門(105) スーパー老人、天才老人になる方法— 本田は74歳の時、フラ …

『前坂俊之サーフィンチャンネル10年間の記録』★『稲村ヶ崎サーフィン回想録①」ー「幻のジョーズ」「モンスターウエーブ」「ビッグウエーブ」「台風ウエーブ」は減ってしまったよ」

   

no image
記事再録/歴代最高の経済人とは誰か②ー『欲望資本主義を超克し、21世紀の公益経済学を先取りしたメッセの巨人』~大原孫三郎の生涯①ー『単に金もうけだけの経済人はゴマンとおり、少しも偉くない。本当に偉いのは儲けた金をいかに遣ったかである。儲けた金のすべてを社会に還元するといって数百億円以上を社会貢献に使いきったクラレ創業者・大原孫三郎こそ日本一の企業家

歴代最高の経済人は誰か②ー『大原孫三郎の生涯①   2019 …

『Z世代のためのオープン自由講座』★『日中韓500年東アジア史講義①』★『明治天皇のドイツ人主治医・ベルツ(滞日30年)の『日本・中国・韓国』五百年の三国志①<日露戦争はなぜ起こったのか>

<2011/02/27 記事再録> クイズ『坂の上の雲』 アジアの観察 …