前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(114 ) 沖縄慰霊の日「非戦、今こそ」ー集団的自衛権に反発(6/25)

      2015/01/01

池田龍夫のマスコミ時評(114

 沖縄慰霊の日「非戦,今こそ」-集団的自衛権に反発(6/25
            

池田龍夫(ジャーナリスト)

 
 
 戦後69年を迎えた沖縄慰霊の日の6月23日、県糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」(沖縄・県、県議会主催)が開かれ、犠牲となった人々の霊を慰め、世界の恒久平和を誓った。 平和の礎には本年度、54人が追加刻銘され、刻銘者総数は24万1281人となった。追悼式には約4600人が参列、正午に一斉に黙とうを捧げた。安倍晋三首相、伊吹文明衆院議長、山崎正昭参院議長のほか、キャロライン・ケネディ駐日米大使も式典に出席した。
  昨年12月の仲井真弘多知事の辺野古埋め立て承認を受け、米軍普天間飛行場の移設作業を加速させる政府の強硬な姿勢に反発がある中、照屋苗子県遺族連合会長らは、同飛行場の県外移設の早急な閉鎖・撤去を求めた。ところが、仲井真知事は平和宣言から「県外移設」の文言を削除する方針を転換し、「県外への移設をはじめとするあらゆる方策を講ずる」と述べた。
 県内各地で慰霊祭が行われたが、安倍晋三首相が目指す、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に反発する声が強く上がった。弱腰になった仲井真知事を非難する声も高まっている。
  空疎な仲井真知事の「平和宣言」
  琉球新報24日付社説は、「これは県民が心から共有すべき不戦の誓いとは到底言い難い」との書き出しで仲井真知事の弱腰の平和宣言を痛烈に批判。『県外移設』の主張は何だったのか。『5年内の運用停止』も米政府関係者は明確に否定しており、知事の説明には説得力がない。辺野古移設を推進する安倍政権の歓心を買うために、平和宣言を空疎なものにしてはならない。知事の個人的な政治信条によって宣言の内容が左右されてもならない。来年からは有識者による平和宣言起草委員会を設け、恒久平和を願う『沖縄の心』を名実ともに反映する内容に改めてほしい」と指摘していた。
 安倍政権の外交政策への不安高まる   
 本土紙では、朝日・毎日両紙が同日付の第一社説で取り上げていた。朝日新聞は「安倍首相は米軍基地の負担軽減に触れ、『沖縄の方々気持ちに寄り添いながら、できることはすべて行う』と約束した。
安倍政権の進める外交・安全保障政策は『気持ちに寄り添う』どころか不安を掻き立てる。現在でも国内の米軍基地の74%が集中する沖縄に、さらなる負担を押しつけていいのか。
普天間飛行場の移転先を名護市辺野古にすれば、負担増にしかならない。米軍に加えて自衛隊までが出撃基地となれば、沖縄の軍事的負担はさらに増す。他国から攻撃される危険性が高まり、沖縄をさらに国防の最前線へと押しやることになるのではないか」との警告は、尤もである。
 毎日新聞社説でも「米軍と自衛隊の前線基地となる可能性が高い沖縄では、集団的自衛権への反発が強い。それにもかかわらず首相は、追悼式後、集団的自衛権について『政治の責任として、決めるべき時には決めていきたい』と記者団に語った。
首相が記者会見で『集団的自衛権行使容認の検討を命じた5月15日は、沖縄が42年前に本土復帰した日だった。政治の想像力の欠如を危惧する』との主張にも同感である。
 

 - IT・マスコミ論 , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『Z世代のための最強の日本リーダーシップ研究講座(51)』★『日本最強の外交官・金子堅太郎のインテジェンス⑦』★『ルーズベルトの和平講和工作―樺太を占領せよ』★『戦争で勝ち、外交戦で完敗した日本』

日露戦争は日本軍の連戦連勝のほぼ完勝に終わったが、その裏には、川上操六前参謀総長 …

片野勧の衝撃レポート(77)★原発と国家【封印された核の真実】(1981~84)⑬■官房副長官として7人の首相に仕えた 石原信雄氏の証言(下)

片野勧の衝撃レポート(77) ★原発と国家―【封印された核の真実】⑬ (1981 …

<日本の世界最先端技術「見える化」チャンネル>日本を救う知能ロボットがよくわかるMUJINの解説動画/国際物流総合展2018(9/12)-mujinによる「知能ロボットを要とした完全自動物流センター」

日本の世界最先端技術「見える化」チャンネル 日本を救う知能ロボットがよくわかるM …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(21)「善良な市民感覚」と言い切れるかー検察審査会の「小沢氏起訴相当」議決

池田龍夫のマスコミ時評(21) 「善良な市民感覚」と言い切れるかー検察審査会の「 …

『オンライン現代史講座/日本最大のク―デター2・26事件はなぜ起こったのか』★『2・26事件(1936年/昭和11年)は東北大凶作(昭和6ー9年と連続、100万人が飢餓に苦しむ)が引き金となった』(谷川健一(民俗学者)』

『2・26事件(1936年/昭和11年)は東北大凶作(昭和6ー9年と連続、100 …

『リモートワーク動画/京都世界文化遺産/東福寺ぶらり紅葉旅』★『本堂、講堂、経堂、通天橋へ』★『東福寺方丈の国指定名勝「八合の庭」(重森三玲作)』★『本堂(仏堂)、日本最古の三門』★『臥雲橋(重文)、一華院、大機院、霊雲院、 』

       201 …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(70)●「野田首相の意表を衝いた{解散宣言}の波紋」●「集団的自衛権行使」容認の動きを警戒」

       池田龍夫のマスコミ時評(70)   ●野田首相の意表を衝 …

『Z世代のための日中韓外交史の研究』★『日中韓サミット、5月下旬で調整 実現すれば19年以来(ブルームバーグ)の幻?」★『日清戦争1ヵ月前の新聞報道を読む④「清国流の詐術にひっかかるな」と国民新聞は主張』

ブルームバーグ(4月5日付)は「(韓国主導で)日韓関係の悪化で2019年12月を …

no image
片野勧レポート④『太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災』『なぜ、日本人は同じ過ちを繰り返すのか』 艦砲射撃・釜石と津波<中>

           &nbs …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(66)』W杯敗退、負け続ける「ガラパゴス日本病」の再発である。

      『F国際 …