『Z世代のための米大統領選挙連続講座③』★『バイデン氏、NATO首脳会議で同盟の意義を強調 健康不安説を一蹴したが・・』★『民主党内の混乱・分裂は一層エスカレートしている』
2024/07/12
2024/07/11
世界、日本リーダーパワー史(934)
北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が7月9日、米ワシントンで開催された。バイデン米大統領は、加盟32ヵ国の指導者らを前に「ウクライナ戦争に直面しているNATOはかつてないほど強力だ。ロシアは勝利しない。ウクライナが勝利する」と約13分間にわたった演説は大統領討論会でのたどたどしい口調とは一転し、力強い明瞭な発言のスピーチとなり、健康不安説の払しょくに努めた。
首脳会議の宣言では①ロシアの侵攻を受けるウクライナが加盟への「不可逆的な道」を歩むことを支援する②来年、最低でも計400億ユーロ(約7兆円)規模の軍事支援を続ける。ウクライナがロシアに対抗できるよう、軍事訓練や装備購入、防衛産業への投資など長期的な安全保障の支援を行う③中国について、ロシアの侵攻に対する「決定的な支援者だ」と明白に批判した。
ブルームバーグ(7月11日 配信)によれば、NATOやEUの多くはトランプ前政権の高官やトランプ氏に近いと見なされる共和党の著名議員との面会を求めている。次期トランプ政権発足なら、これらの元高官やポンペオ前国務長官と共に起用されると外交関係者は想定。さらに、多くの国が今月の共和党全国大会に大使を派遣し、将来のトランプ政権高官候補とコンタクトを取ろうと試みているという。
一方、78歳のトランプ前大統領は9日夕、フロリダ州の自身のゴルフクラブでの選挙集会で、NATO加盟国を批判した。「これらの国々が「数千億ドル」多く拠出するようになったのは、もっと拠出しなければ「あなたの国をロシアから守ってやらない」と自分が大統領耳時代に警告したからだ」と自慢した。
-
バイデン氏は「自分以外にトランプを倒せる大統領はいない」と撤退を拒否。
CNN(24.07.06配信) によると、バイデン氏はABCニュースのインタビューで、トランプ前大統領に勝てないことが分かれば大統領選から撤退するか問われ、バイデン氏は「もし全能の神が降臨して『ジョー、選挙戦から撤退しなさい』と言われれば、私は身を引く」と説明。そのうえで、現時点で「神は降臨していない」と言い添えた。
これに対し質問者は「民主党や下院、上院の協力者、友人、支持者から、撤退しなければ上下両院を失う恐れがあると,信頼できる形で告げられた場合はどうするのか」とただした。すると、バイデン氏はこの質問には答えず、「そんなことは起きない」と付け加えた、という。
●ハリウッドを代表する俳優のジョージ・クルーニー氏が撤退を求めた。
ところが、10日、同氏の選挙資金を支えてきたハリウッドを代表する俳優のジョージ・クルーニー氏が「ニューヨーク・タイムズ」に寄稿し、「私はジョー・バイデンを愛している」としながらも、先月15日の資金集めのイベントで会ったバイデン氏は「討論会で目の当たりにした通りの人物だった」と指摘して、バイデン氏では大統領選で勝てないと警告し、撤退するよう求めた。
また、民主党のシューマー上院院内総務やジェフリーズ下院院内総務、ペロシ前下院議長らに対して、バイデン氏に自発的に身を引くことを促す必要があるとも訴えた。別の候補が必要との考えを一部の議員と共有していることも明らかにした。
●バイデン応援団長のジェフリー・カッツェンバーグ氏(73)の
クルーニー氏らはロサンゼルスで6月主催したバイデンン民主党の選挙資金集めのイベントでは、3000万ドル(約48億4200万円)が集まった。この額は民主党の1回のイベントで集まった資金としては過去最高だった。
このイベントの主催者はバイデン応援団長のディズニーアニメ「美女と野獣」や「アラジン」「など数々の大ヒット作品を手掛け、スピルバーグ監督らと映画会社ドリームワークスを設立したハリウッド有数のプロデューサー、ジェフリー・カッツェンバーグ氏(73)で、同氏の呼びかけに応じたジョージ・クルーニーやバーバラ・ストライサンド、ジュリア・ロバーツらの有名スターが集結。一夜にして3000万ドルを集めた。
カッツェンバーグ氏は、民主党支持者の間で噂になっていたバイデン氏の高齢・健康不安説、パーキンソン病の不安などを一蹴し、バイデン続投へ太鼓判を押した。ところが、いざふたを開けてみると、テレビ討論会での大失態が明らかになり、ハリウッドでのカッツェンバーグ氏に対する評判は一挙に低下。バイデン寄付者から怒りの声が殺到した。
また、民主党の支持者の米動画配信最大手ネットフリックスの共同創業者リード・ヘイスティング氏も「トランプ氏に勝てる力強い民主党のリーダーを擁立するため、バイデン氏は撤退すべきだ」と主張しており、バイデン撤退論は拡大する一方だ。
-
民主党重鎮たちも大統領候補擁立を排除せず
-
米民主党のペロシ元下院議長(84)は10日、MSNBCテレビに出演し、バイデン氏の選挙戦継続を望むか司会者に問われると、「選挙戦を続けるかはバイデン大統領次第だ。時間は少なく、私たちは決断を促している」と述べるにとどめた。「今週の展開を見るまで表に出す必要はない」とも語り、ワシントンで開催中のNATO首脳会議での大統領の様子を見守る考えを示した。
ネットメディア「アクシオス」は10日、民主党上院トップのシューマー院内総務(73)もバイデン氏以外の大統領候補擁立を排除していないと報じた。水面下で献金者に語ったという。ペロシ、シューマー両氏は党内に多大な影響力を持つ重鎮だけに今後の民主党内の駆け引き、バイデン氏の去就、候補者選出となるのかどうか目を離せない。
関連記事
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(127)/記事再録★『「長崎の平和祈念像」を創った彫刻家・北村西望(102歳)★『わたしは天才ではないから、人より五倍も十倍もかかるのです」★「いい仕事をするには長生きをしなければならない』★ 『たゆまざる 歩み恐ろし カタツムリ』★『『日々継続、毎日毎日積み重ね,創造し続けていくと、カタツムリの目に見えないゆっくりした動きでも、1年、2年、10年、50年で膨大なものができていくのだ。』
2018/01/17百歳学入門 …
-
-
片野勧の衝撃レポート(54)太平洋戦争とフクシマ(29) 『なぜ悲劇は繰り返されるのかー内部被ばくと原発- -6000人以上の臨床体験(上)
片野勧の衝撃レポート(54) 太平洋戦争とフクシマ(29) 『なぜ悲劇は繰り返さ …
-
-
『Z世代のための昭和100年、戦後80 年の戦争史講座』★『「元寇の役」はなぜ勝てたのか⑸』★『当時の日本は今と同じ『一国平和主義のガラパゴスジャパン』★『一方、史上最大のモンゴル帝国は軍国主義/侵略主義の戦争国家』★『中国の『中華思想』『中国の夢』(習近平主義),北朝鮮と『核戦略』に共通する』
2017/12/01日本の「戦略思想不在の歴史」⑸ 記事再編集 クビ …
-
-
「オンライン講座/宇野千代(98歳)の『可愛らしく生きぬいた私・長寿10訓』★『明治の女性ながら、何ものにもとらわれず、自主独立の精神で、いつまでも美しく自由奔放に恋愛に仕事に精一杯生きた華麗なる作家人生』
2012/11/22 百歳学入門(55)記事再 …
-
-
終戦70年・日本敗戦史(125)日露戦争の勝利が日英米関係の転換となり、日米戦争の遠因となった。
終戦70年・日本敗戦史(125) <世田谷市 …
-
-
日本の「戦略思想不在の歴史」⑵(記事再録)-日本で最初の対外戦争「元寇の役」はなぜ起きたか②『「モンゴル帝国は計6回も日本に使者を送り、外交、貿易、 属国化を迫ってきた』『日本を攻めようにも風涛艱険で、 モンゴル軍が安全に進攻できるところではない』
「モンゴル帝国は計6回も日本に使者を送り、外交、貿易、 属国化を迫ってきた』『日 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(671)「アメリカンドリームを打ち砕く債務の遺物」◎「永久に終わらない腐敗撲滅キャンペーン貧困は毛沢東の遺産、腐敗は鄧小平の遺産」など8本
日本メルトダウン脱出法(671) 「輝きを失うグーグル、フェイスブック、ツイッ …
-
-
世界も日本もメルトダウン(964)『東大よりプリンストン 渋幕・渋渋、国際人の育て方 渋谷教育学園理事長 田村哲夫氏』●『やばいぞ内申書優等生、仕事がなくなるかもー またもやらかした文科省、改善のはずが改悪に』●『ドゥテルテ大統領の超法規的殺人に隠された真実』●『トランプは負けた。アメリカ民主主義も負けた。』●『 石原慎太郎、伸晃、宏高親子は「永田町で終わった人」』●『ボブ・ディラン氏、ノーベル賞の熱狂と距離』
世界も日本もメルトダウン(964) 東大よりプリンストン 渋幕・渋渋、国際 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(829)「米中関係:超大国の彫像(英エコノミスト誌)」●「朝日新聞、とうとう給与削減? 高すぎる人件費に経営は大丈夫か」●「日銀マイナス金利 効果はあるが“短期的な劇薬”」●「【アメリカから見たTPP(9)最終回】TPPは平和をもたらすか?」
日本メルトダウン脱出法(829) 「米中関係:超大国の彫像(英エ …
