前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(187)記事再録/作家・宇野千代(98歳)『明治の女性ながら、何ものにもとらわれず、自主独立の精神で、いつまでも美しく自由奔放に恋愛に仕事に精一杯生きた華麗なる作家人生』『可愛らしく生きぬいた私・長寿10訓』★『 何歳になってもヨーイドン。私はヨーイドン教の教祖なのよ』★『 人間同士のつき合いは、心の伝染、心の反射が全部である』★『 私は書ける、書けると思って、強い信念をもって書いてみよう』★『 健康法らしいものといえば、一つは毎日一万歩くらい歩く。気が向いたとき、書斎部屋(20畳)のまわりをぐるぐる歩くんです』

   

 百歳学入門(55)記事再録

作家・宇野千代(98歳)『いつまでも美しく自由奔放に生きて行く私』長寿健康10訓

 
①   何歳になってもヨーイドン。私はヨーイドン教の教祖なのよ。
②   忘れるというのは自分を救う最良の方法なんですね。
③   トシのことなんか一度も考、えたことがないわ
④   できると思えば、どんなことでもできる
⑤   人間同士のつき合いは、心の伝染、心の反射が全部である。
⑥   私は書ける、書けると思って、強い信念をもって書いてみよう
⑦   健康法らしいものといえば、一つは毎日一万歩くらい歩く。気が向いたとき、この部屋(二十畳ほどの広  さ)のまわりをぐるぐる歩くんです。
⑧   健康法とか何とかいうよりも大切なのは気持ちの持ち方。くよくよしない。
⑨   幸福は幸福を呼ぶ
⑩   九十八歳で、『私何だか死なないような気がするんですよ』(海竜社)を出版、大往生した。
 
 
前坂俊之(ジャーナリスト)
 
宇野千代 (98歳)<1897・11・28~1996・6・10>
小説家。教員を経て作家としてデビユー・菊池寛賞を受賞、文化功労者。モデル、デザイナし実業家としても活躍。
 
①   何歳になってもヨーイドン。私はヨーイドン教の教祖なのよ。
②   忘れるというのは自分を救う最良の方法なんですね。
 
 いつも美しい和服姿で、ほんのり薄化粧をして年を感じさせない。最後まで美しく、明るく可愛い人だったが、その精神の持ち様、健康法も並のものではなかった。
一九八三(昭和五十八)年、『生きて行く私』を出版した。前年から毎日新聞に連載され、沈滞気味な新聞小説の中で読者の大きな反響を呼んだ。単行本になると、宇野千代ブームを巻き起こし百万部を突破、年間ベストセラーの一角を占めた。
 
 このとき、八十六歳。普通、年齢とともに創作意欲は衰えていくものだが、年齢とは無縁の健筆ぶりを示した。それ以上に驚かされたのは、その内容で、明治の女性ながら、何ものにもとらわれず、自主独往の精神で、恋にも仕事にも精一杯生きた人生が描かれていた。
 
 晩年はマンションの最上階に住み、書斎と居間を兼ねた広々とした二十畳の部屋で執筆していた。執筆の合間に、毎日、部屋の中を一万歩歩くのが自ら編み出した健康法。食事は朝が七時、畳が十二時、夜が五時と決め、間食は一切しない。料理が好きで、他人の手を借りずに自分で作り、片づけるという暮らしぶり。
 
思いつくと即実行する行動型。自分を「駆け出しお千代」と呼んで、仕事にも恋にも健康法にも果敢に挑戦した。
 
③   「私はヨーイドン教の教祖なのよ」「何歳になってもヨーイドンで始めればいいのよ」行動することが人生なのだ。
 
 人生に終わりはない。今、このときが人生なのだ。
 
④   「何事も、くよくよしないこと、イヤなことがあってもすぐ忘れること。忘れるというのは自分を救う最良の方法なんですね」
「トシを忘れるとは、何とのんきなことでしょうね。トシのことなんか一度も考、えたことがないわ」
 
体当たりで生きた人の名言である。
 
⑤   九十八歳で、『私何だか死なないような気がするんですよ』(海竜社)を出版、
大往生した。
⑥   できると思えば、どんなことでもできる
⑦   人間同士のつき合いは、心の伝染、心の反射が全部である。
 
 山口県岩国市の生まれ。岩国で小学校の代用教員となり、作家活動は、いとことの結婚で札幌にいたとき、中央公論社の懸賞小説に当選したのがきっかけ。
 
この最初の結婚の後、生涯で、尾崎士郎、東郷育児、北原武夫と、四回の結婚をした。『色ざんげ』をはじめとする、女の感性と独特の幸福観に根ざした小説を発表する一方、女性雑誌『スタイル』を創刊、「宇野千代さもの」という、きものの創作・販売をする会社を興すなど多才で、事業欲も旺盛だった。
 
 女流作家として一定の地位を築いたが、六十代後半で、突然、極度のスランプに陥り、一行も書けなくなった。そのとき、中村天風の講演会に出かけた。
 
この時、天風は八十八歳、宇野は六十七歳。ヨガの修行者として、世界を股にかけ修行してきた天風の「人間はなにごとも自分の考えたとおりになる」「できないと思うものはできない。できると思えば、どんなことでもできる」との力のこもった言葉に啓示を受けた。
 
 
⑧   『私は書ける、書けると思って、強い信念をもって書いてみよう」、もう一度机の前に坐り直して書き始めた。それまで全く進まなかったペンが、一行、二行、一枚二枚と滑りだした。
 
作家・宇野千代がよみがえった。       ⑨「毎日、机に必ず坐る」「書けると信じる」「一万歩歩く」(「健康法らしいものといえば、一つは毎日一万歩くらい歩いていること。
気が向いたとき、この部屋(二十畳ほどの広さ)のまわりをぐるぐる歩くんです。
もう1つは食事の時間を決めていること。朝が七時、ヒルが十二時、夜が五時。間食は決してしません。食事は自分で作って、自分で片づけます」(83歳の時の話)
                 

 
 
「たわし健康法」「玄米食」……と、よいと思うことはすぐ実行する行動的な女に変身した。83歳の時、三階建てマンションの最上階の大きな部屋,に1人り住んでいた。寝室も書斎も応接間も台所も全部つつ抜けに続いているその大きな部屋で書いたり、歩いたり、寝たりしていた。
「人間なんてムリさえしなければ丈夫でいられると思うんですよ。健康法とか何とかいうよりも大切なのは気持ちの持ち方です。くよくよしないこと、いつもヨーイドンの姿勢をとっていること。そうです。ヨーイドンが私の本当の健康法です」
 
 七十四歳のとき、がんで胃の五分の三を切ったが、健康法を忠実に実行し、仕事を休むことなく続ける忙しい生活の中で、毎日曜日は大好きなマージャンの日と決めた。仲間と十二時間も卓を囲んでストレスを発散。この転換の素早さが、千代の波潤の人生を救う鍵となった。
 
 千代には求道者としての面もあって、フランスのモラリズト、アランの『幸福論』にも心酔していた。「人間は、その思うことがすべてである。思いは実現する」。
 
年輪を重ねるに従って千代の人生哲学は磨かれ、九十歳を超えて、丸谷才一を驚嘆せしめた瑞々しい小説を発表した。晩年は体験に基づいた人生論で人気を博した。
 
 
⑩   「人間同士のつき合いは、心の伝染、心の反射が全部である。何を好んで、
不幸な気持ちの伝染、不幸な気持ちの反射を願うものか。幸福は幸福を呼ぶ」

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

日本リーダーパワー史(729)★『2050近未来シミュレーション・日本復活』の著者 クライド・プレストウィッツ米経済戦略研究所所長の会見動画<90分>2016.7.26

日本リーダーパワー史(729) 『2050近未来シミュレーション・日本復活』 の …

no image
知的巨人の百歳学(126)『天才老人/禅の達人の鈴木大拙(95歳)の語録』➂★『平常心是道』『無事於心、無心於事』(心に無事で、事に無心なり)』★『すべきことに三昧になってその外は考えない。結果は死か、 生か、苦かわからんがすべき仕事をする。 これが人間の心構えの基本でなければならなぬ。』

 記事再録/百歳学入門(41) 『禅の達人の鈴木大拙(95歳)の語録』 …

日本メルトダウン脱出法(626)「世界に衝撃を与えた南極トッテン氷河の溶解縮小」「グーグルは結局検索以外で稼げないのか」

日本メルトダウン脱出法(626)   ◎「世界に衝撃を与えた南極トッテ …

no image
 日本リーダーパワー史(813)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、インテリジェンス㉘『戦争は外交の1手段で、外交交渉が失敗した場合に戦争に発展する』★『日露戦争はこのケースで、日本側はなんとか外交で、日本が朝鮮を、満州はロシアに任せる「満韓分割論」を主張、ロシアは「満韓全面論」を譲らず、戦争に発展した』

   日本リーダーパワー史(813)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利 …

「トランプ関税と戦う方法」ー「石破首相は伊藤博文の国難突破力を学べ⑧』★『日本の運命を変えた金子堅太郎の英語スピーチ②』★『ハーバード大学クラブで講演、満員の大盛況』★『時間延長して講演、拍手喝采を浴びた』★『「日露戦争は正義のための戦いで日本が滅びても構わぬ」』★『「武士道とは何か」ールーズベルトが知りたい』

1902年(明治37)年四月二十八日、これは私が八年間アメリカにいて、うち最後の …

no image
日本、世界の最先端技術『見える化』チャンネル-●「目からウロコの日本農業革命論』★『vegetalia・小池聡社長の「IT農業、日本の農業革命」●『大前研一の特別講義「農協リビルド・胃袋省設置・自給率切捨で進める農業改革」●『「他国のマネでは成功しない。脱”兼業”・脱”コメ”で進める日本の農業改革」』●『「搾乳から花市場まで。世界の農業シェアを握るオランダの戦略」』

日本、世界の最先端技術『見える化』チャンネル   『次世代農業EXPO …

no image
日本リーダーパワー史(765)ー『今回の金正男暗殺事件を見ると、130年前の「朝鮮独立党の金玉均らをバックアップして裏切られた結果、「脱亜論」へと一転した 福沢諭吉の理由がよくわかる②』★『金玉均や朝鮮独立党のメンバーを族誅(罪三族に及ぶ)して、 家族、親族、一族の幼児まで惨殺、処刑した。福沢は社説『朝鮮独立党の処刑』と題して、過酷、苛烈な処刑を野蛮国と激しく批判した』

    日本リーダーパワー史(765) 今回の金正男暗殺事件 …

no image
日本株式会社、このまま国債を発行し続ければ国家倒産の赤ランプー米投資誌が警告

  日本株式会社、このまま国債を発行し続ければ国家倒産の赤ランプー米投 …

no image
『ガラパゴス国家・日本敗戦史』㉘ 『来年は太平洋戦争敗戦から70年目― 日本は<第2の経済敗戦>の瀬戸際にある!②』

 『ガラパゴス国家・日本敗戦史』㉘     『来年は太平洋戦争敗戦から70年目― …

no image
 世界、日本の最先端技術『見える化』チャンネル ★5『中国溶接・切断ロボット業界の最新動向』- 『 溶接・切断の国際的な専門展示会として、アジア最大規模の 「北京エッセン溶接・切断フェア」(6/14―17)の最新レポート』●『安川電機を筆頭に、ファナック、川崎重工業、不二越、 自社製の溶接機と各種溶接ロボットを 組み合わせたソリューションを提供するダイヘン、 パナソニックの全6社が出展。

 世界、日本の最先端技術『見える化』チャンネル ★5『中国溶接・切断ロボット業界 …