前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

記事再録/知的巨人たちの百歳学(142)●長谷川如是閑(93歳)の悠々自適とはー「他からわずらわされない悠々自適の暮しが健康法」 ●「老人になって子供に帰ったのではなく、20歳前後から 同じ気持をもちつづけてきていて、それに帰っただけの話」

      2019/07/05

  2015/08/26/知的巨人たちの百歳学(114)

長谷川如是閑(93歳)の悠々自適

 

長谷川如是閑(93歳)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E5%A6%82%E6%98%AF%E9%96%91

 
自適

私は生来虚弱な体で、80をすぎるまで、大の患(わずらい)つづきで、医者にかからぬ年というは、ただの一年もなかった。

ところが、八十を越してこのかた、医者の厄介にならぬ年が何年もつづいている。若いころにいろいろな病気をやりつくして、もうやる病気がなくなったせいかも知れぬが、あるいは見方をかえ、若いころに用心に用心をかさねて医者の手をわずらわしたおかげで、八十すぎてやっとl人前の文夫になれたのだともいえようか。

もっとも、もう一つの理屈として、老境に至って始めて、私の理想としていた健康法が実際に行なえ出したからとも考えられる。それは、「自分の生理と心理」とにかなった日常生活をする」ということで、いわば他からわずらわされない悠々自適の暮しである。

これはやはり隠居の身の上にならなければできぬことで、健康長寿でなければ実行できぬ健康法とでもいおうか。

       

子供にかえる 

年をとるということには、生理的の作用と心理的の作用との両面があって、前者の生理的必然も、後者の心理作用によって加減されるらしい。老人といえども、後者の、心理的作用の効果によって、青年にかえることもできる。

結局、きわめて平凡な、そのような事実を頭だけで受け取らないで、五体をもって「体得」することが長寿法の秘訣にはかならない。

こういうのも、まったく私自身の体験によったことで、今は米寿(88歳)をこした私が、われながら子供らしいと思われることをいったり、行なったりしている。

それを人は「子供に帰った」というが、老人になって子供に帰ったのではなく、私は丁年(20歳)前後から同じ気持をもちつづけてきていて、いわばそれに帰っただけの話である。

昔は匠気(しょうき)=好評を得ようとする気持ち。芸術家などが、自分の作品の出来栄えを見せびらかそうとする気どり。)「といったものをそれにまじえていたであろうが、今はもうそれもなく、純粋に若返ったとでもいおうか、それがつまり年老いたというなら、それでよしよし。

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
 日本メルトダウン(994)―『かつての「政財官」鉄のトライアングルの『日本株式会社』、「世界で最も成功した共産国日本」、「社会主義国家以上に社会主義的な日本の会社主義」は昔の夢、いまや「アジアの後進国」に転落し、「小中学生の数学テストではシンガポール、香港、韓国、台湾にぬかれて5位。これではIT競争力の復活は絶望的、日本沈没待ったなしを示す赤信号情報9本』●『  20代兄弟が生んだ1兆円企業、モバイル決済「ストライプ」の躍進』●『アジアの富豪一族資産ランキング」発表、日本は二家族がトップ50入り』

 日本メルトダウン(994)   20代兄弟が生んだ1兆円企業 モバイ …

no image
高杉晋吾レポート(26)ダム災害にさいなまれる紀伊半島⑩ダム難民(4)椿山ダムの巻

高杉晋吾レポート(26)     ダム災害にさいなまれる紀伊 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史]』(21)記事再録/『山岡鉄舟の国難突破力⑤『金も名誉も命もいらぬ人でなければ天下の偉業は達成できぬ』

    2011/06/22 &nbsp …

no image
日本のメルトダウン(528)TPP交渉不調で再び国際孤立へ向かうのか?25日に結論、ロンドン軍縮会議の失敗のテツを踏むな

     日本のメルトダウン(528) …

『Z世代への歴史の復讐問題④』★『日本史最高の英雄・西郷隆盛を理解する方法論>②』★『山本七平と尾崎行雄と並ぶ<憲政の神様>犬養毅の西郷隆盛論ーどこが偉かったのか!?』

2010/08/08 日本リーダーパワー史(83)記事再録編集 徳川幕府末期から …

no image
片野勧の衝撃レポート(36)太平洋戦争とフクシマ⑨原発難民<下>「花だいこんの花咲けど」

     片野勧の衝撃レポート(36) …

no image
世界が尊敬した日本人ー『世界のミフネ』となった国際スター・三船敏郎

                                     世界が …

no image
速報(357)『日本のメルトダウン』◎『石原都知事が辞任!―老害が日中大衝突に火をつけたその功罪は!?』

速報(357)『日本のメルトダウン』     ◎『石原都知事 …

no image
★➉外国人観光客へのおすすめベスト第1位ー「世界文化遺産.醍醐寺」のすべて―『 慶長3(1598)年の春、豊臣秀吉が開いた「醍醐の花見」を契機に 秀吉と秀頼によって金堂や三宝院、山上では開山堂や如意輪堂などが再建された。』●『三宝院の秀吉が設計した庭園。天下の名石『藤戸石』がある。』

★➉外国人観光客へのおすすめベスト第1位ー「世界文化遺産.醍醐寺」のすべて➀   …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ(74)』●「日本の死に至る総無責任病」ー「ノー」を突きつけた市民の良識(検察審査会)

     『F国際ビジネスマンのワールド …