「2019年の課題」-『平成30年は終わり、老兵は去るのみ、日本の未来はデジタルネイティブにたくそう、若手スポーツマンの活躍を見ればわかる』
2019/01/20
2018年12月30日
デジタルネイティブの若手スポーツマンの活躍ー本来の教育とは親が子供の能力を最大限に発揮させるプログラムを組むもの
前坂 俊之(ジャーナリスト)
2018年の世界はいろいろなニュースで揺れた。トランプ米大統領の独走で国際政治、経済はガタガタで、暗いニュースが多かった。国際政治、経済は各国の利害対立の複雑系でよくわからないことが多いが、スポーツは実力、体力などの一本勝負の世界で、勝ち負けがはっきりしていて、わかりやすく楽しい。
東京五輪があと1年半後に迫ってきた。
昨年11月28日、東京で開催された各国オリンピック委員会連合総会で、バッハ会長は「2年前の段階で、これほど準備が進んでいた開催都市は記憶にない。運営といい、盛り上がりといい、素晴らしい五輪になる」と太鼓判を押した。日本人の事前準備をしっかりやり、一致協力して、迅速に仕事する性格の表れであろう。
そういえば、今年の暗いニュースが多い中で、私が一番心躍ったのは若手の多くのスポーツ選手の国際的な活躍ぶりだった。
トップはなんといってもメジャーリーグに挑戦したエンジェルスの大谷選手の(24歳)活躍が日本を元気にした。このほど米国の権威ある野球専門誌「ベースボール・アメリカ」は現在のMLBの選手で 将来的な価値予測して有望株を格付けした結果、大谷は2位(1位と同率だが、けがの結果を差し引いて)にランクインした。
同誌は「大谷はどこを探しても見当たらないような才能で、マウンド上ではエース級で、打席でもエリートなパワーを見せつけた」と称賛。
私もイチロー、松井以来のMLBのテレビ中継にかじりついたが、高額契約金などは眼中になく、ベースボール一筋のその高貴な精神とパワーあふれる二刀流を発揮した。その上にハリウッドスター以上の長身のハンサムぶりは「天から舞い降りたピュアな鶴という感じ」(写真家・篠山紀信)というように、三拍子そろったこれまでにない21世紀のデジタル・グローバル(国際的スケール)日本人の登場を予感させた。
この手の新しい日本人が次々に誕生している。
次に登場したのは女子テニスの大阪なおみ選手で,その圧倒的なパワーで世界4大ツアーの全米テニス決勝戦で異様な雰囲気の中で終始冷静な態度で女王セリーヌを破って、初優勝を飾った。表彰式でまたひと悶着あったが「女王をかばうような日本的な謙譲で上品な立ち振る舞いが「大阪こそ絶対王者だ!」世界から称賛を浴びた。
大相撲の世界でも日本人横綱の誕生を予感させる小結・責景勝(22歳、現在身長175㎝、体重170キロ)が冬場所で初優勝した。体も小さく,食も細かった責景勝は小学3年生で早くも本格的に相撲を始めた。父・佐藤一哉さん(57)つきっきりの二人三脚で猛稽古して横綱を目指した。〝平成版・巨人の星″、イチローの父子鷹に似た相撲道の父子鷹といえよう。
-
「スポーツ報知」(11月16日)によると、「ぶつかり稽古は30分でも異常な厳しさとか言われるが、小学時代でも毎日2時間、中学では毎日約6時間も稽古して、箸も持てないくらいのクタクタになる毎日。さらに自宅近くの坂道を、後ろ向きに上る、階段を、4足歩行で駆け上がるなどの猛特訓で体を鍛えた。
稽古は365日で休みなしだが、睡眠だけは成長のためにたっぷり10時間とったという。
小学3年生の時は体重30㌔だったが、相撲取りになるため毎年20㌔ずつ体重を増やした。
中学生の頃は夕食だけで肉1㌔、牛乳も2㍑分を飲んで食事代は毎月30万円にものぼった。毎日毎日、スーパーで肉を大量に買うので、不審に思った店員さんから「ライオンの子供でも飼ってるの?」とのびっくり発言が飛び出したという。(笑)
この努力で中学生横綱、高校生横綱となり、高校卒業後、2014年に貴乃花部屋に入門、わずか4年で小結までに上りつきめた。
サッカー界ではアジア杯をかけたサッカー日本代表に若手三羽烏が抜擢された。いち早く海外チームにわたり、大活躍している南野拓実(23)、ポストメッシといわれる中島翔哉(24)、浪速のメッシこと堂安律(20)らが、この1月から始まるアジア杯でも大注目だ。
マラソンでは16年ぶりに2時間5分50秒の日本新記録を出した大迫傑選手(27)が注目株だ。大迫は米国などで科学的トレーニングを受けている、という。
このほか、卓球、バトミントン。新競技などでの有望選手が目白押しなのだ。
これらの若手選手はいずれも平成生まれのグローバルなITデジタルネイティブたちで、それまでのアナログ日本人とはまるで異質な21世紀の新人類といえる。
子供の時から目標を決めて、科学的なトレーニングに励み、世界の舞台で挑戦する若者たちである。
2018年には世界比較の中で日本の教育のレベルダウン、貧困が一挙に表面化した。子供の個性を見つけその能力を伸ばし、適職、プロにするのが教育の目的であり、一律的な偏差値重視、学歴重視で、画一的なサラリーマンを大量に養成する日本の教育システムは完全な機能不全に陥っている。
本来の教育とは親が子供の能力を最大限に発揮させるプログラムを組んでいくものだ。貴景勝の父子鷹を見ているとその思いを強くする。
関連記事
-
-
スクープ動画!ー鎌倉材木座海岸に「カゴメ大軍団越冬組」が集結、シラスを狙って大乱舞、大合唱だ!(22023年1月18日午後5時40分)」★『鎌倉材木座海岸ぶらぶら散歩はいつも感動に満ちている!』
30年前から鎌倉材木座海岸で釣りをしたり、カヌー、海水浴で遊んでいるが、こんな数 …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ ウオッチ(232)』-『3/30午後、東京を代表する目黒川周辺の桜並木は満開の<春爛漫>、ビユーティフル・ワンダーランド』
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ ウオッチ(231)』- 3/30 午後 …
-
-
『オンライン講座/百歳学入門』★『日本一の大百科事典を創るため土地、家屋、全財産をはたいて破産した明治の大学者(東大教授)物集高見(82歳) と長男・物集高量(元朝日記者、106歳)は生活保護の極貧暮らしで106歳まで長生きした長寿逆転人生とは①』★高見は「学者貧乏、子孫に学者は出さぬ」と遺言し、高量はハチャメチャ流転物語」
物集高見が出版した大百科事典『群書索引』『広文庫』 前坂俊之(ジャーナリスト) …
-
-
『Z世代にための日本文学者列伝(動画あり)』★『 直木三十五は「芸術は短く、貧乏は長し」と詠んで『直木賞』に名を残した。』★『借金の天才の「借金取り撃退法はダンマリ作戦」』★『流行作家となり、湯水のごとく原稿料を散財した、 無駄な出費が大好き』
2016/11/09 「 お笑い日本文学史」記事再録/再編集 直木三十五(なおき …
-
-
日本メルダウン脱出法(638)◎「国会議員の給料5月分から年間421万円アップ、居眠り議員に払う必要なし」「駐韓米国大使襲撃事件の問題点」など8件
日本メルダウン脱出法(638) ◎「国会議員の給料5 …
-
-
『Z世代への昭和史・国難突破力講座㉑』★『昭和経済大国』を築いた男・松下幸之助(94歳)の「健康長寿経営法」★『病弱だったことが成功の最大の要因。健康だったら、 仕事も自分でやろうとして、そこそこの成功で終わっていたかもしれない』
2015/11/12/知的巨人たちの百歳学(140)記事再録・再編集 松下電器 …
-
-
『リーダーシップの日本世界近現代史』(298)★『東京オリンピック開催はどうなる②』『 WHOは「パンデミックの可能性がある」とはじめて言及』★『27日のニューヨーク株式相場は、1190.95ドルと過去最大の暴落』★『新型コロナウイルスの封じ込めは不可能。世界人口の4~7割が感染する」との予測』
「新型コロナウイルスの封じ込めは不可能。世界人口の4~7割が感染する …
-
-
百歳学入門(149)『百里を行くものは、九十里を半ばにす』 ●『心は常に楽しむべし、苦しむべからず、身はつねに労すべし、 やすめ過すべからず』貝原益軒) 』●『老いておこたれば、則ち名なし』●『功のなるは、成るの日に、成るにあらず』●『 咋日の非を悔ゆるものこれあり、今日の過を改むるものすくなし」(佐藤一斎 )
百歳学入門(149) 『百里を行くものは 九十里を半ばにす』戦国策 …
-
-
『オンライン/日本興亡150年史講座』★『「戦略思想不在の歴史」⑭「ペリー米黒船はなぜ日本に開国を求めて来たのか」<以下は尾佐竹猛著『明治維新(上巻)』(白揚社、1942年刊、74-77P)>『開国の恩人は、ペリーではなく金華山沖のクジラである』
2017/12/07 記事再録 <以下は尾佐竹猛著『明 …
-
-
『新型コロナウイルス/オミクロン株のスピード動向①』★『オミクロン株が世界的に猛威を振るう』★『オミクロン株は2ゕ月遅れで日本に襲来』★『ブースター接種率は米EUは3,40%なのに、日本は先進国ダントツの最低0,5%にとどまる大失敗』★『再び、後手後手の対応のスローモー岸田政権』
オミクロン株が世界的に猛威 前坂 俊之(ジャーナリスト) 世界中で再び新型コロナ …
