前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

知的巨人たちの百歳学(132)『一億総活躍社会』『超高齢社会日本』のシンボルー美容家・メイ牛山(97歳)、日本舞踊家 武原はん(95)に学ぶ

   

  •  知的巨人たちの百歳学(132

    『一億総活躍社会』『超高齢社会日本』のシンボル-

  • 美容家・メイ牛山(97歳)、日本舞踊家 武原はん(95)に学ぶ

  • 「長寿は芸術」って言っているのよ。若さを保つ秘訣は大いなる好奇心ね」(メイ牛山 )

  • 『百歳まで踊りたい。踊りに完成はありません。死ぬまで厳しい稽古です』(武原はん)

    <97歳 美容家・メイ牛山 (1911年1月~2007年12月)

  • 昭和4年、18歳で上京して間もなく美容師として才能を開花させ、戦後も日本の美容界を牽引し続けたメイ牛山。酵素の働きに着目し、それを化粧品に取り入れた画期的な商品を開発するなど、ハリウツド化粧品のブランド名とメイ牛山の名は海外にまで知られた。

本物の美しさとは何かを追求した結果、たどり着いたのが化粧プラス体と心の美しさである。それを実現させるためには日本の気候風土に合わせた美容法と食事法が大切であると説く。同時に、皮膚、身体、心の汚れを排泄する「三大排泄美容-SBM理論」を提唱する。

「日本には四季があるので、四季を大切に地元の食べ物をおすすめします。自然食といえば野菜を食べることと勘違いしている人が多いけど、魚でも木の実でも旬というものがあるのよ。秋だったら栗とかクルミとかマカダミアナッツとか食べますね。銀杏も健康にいいですよ。栄養が閉じ込められています。酸化しないのね。クルミはとくに頭がよくなります。頭脳食そのもの。これが健康と美容の基本です」。

「心も美しくなきゃね。ストレスを持たないようにしている。私は嫌なことは忘れるようにしているわ。覚えてたって仕方がないでしょ。忘れて、また明日があるのよって」。

朝の4時に起床し、5時には自宅のベランダで体操するのが日課。若さを保った秘訣は大いなる好奇心である。若い頃は歌手の灰田勝彦の「おっかけ」をし、晩年も六本木ヒルズあたりで、若い世代のファッション、流行に目を光らせ、自分も楽しんだという。

「野次馬根性は若さの秘訣よ。なんでも自分の目で見て確かめること」。自分を磨くために「一流もの」にもこだわった。「一流ものを使うと背筋がすっと伸びて自分も一流になるのよね。自分への投資よ」。努力と工夫の長生きを彼女は芸術品にたとえた。

--------------------------------------------------

『百歳まで踊りたい。舞ひとすじを極めたい。踊りに完成はありません。

死ぬまで厳しい稽古です』

95歳、日本舞踊家 武原はん(1903年2月~1998年2月)

“心で舞う”という武原はんの舞は、上方の座敷舞であった地唄舞を自らの厳しい修行と稽古によって舞台芸術にまで高め、「動く錦絵」「動く浮世絵」ともいわれるほど優雅で気品に満ち、美しく艶やかな世界に作り上げたものである。

武原は、徳島市の花街の裏で生まれたが、十一歳のときに両親と共に大阪に引っ越した。すぐに大阪南の宗右衛門町の大和屋芸奴学校に通わされ、そこで山村流の上方舞を習った。昭和五年(1930)二十七歳のときに上京して六世藤間勘十郎や西川鯉三郎に師事して本格的な舞踊の修行をした。彼女は上京して間もなく青山三郎と出会い、結婚したが青山との結婚生活は三年で終わった。

武原は三十一歳で再び独身になると、全身全霊で踊りに打ち込むと同時に、心の癒しを求めて写経や俳句をやり始めた。戦後両親が亡くなってから生活のすべてを舞踊の修行と稽古に打ち込み、ついに昭和二十七年十二月、念願の第一回のリサイタルを東京・新橋演舞場で行った。演目は大和楽「師宣」と長唄「巴」であった。師匠の藤間勘十郎や西川鯉三郎もお祝いに踊ってくれた。これがその後「武原はんの舞の会」に発展した。

晩年の武原は、まさに地唄舞ひとすじであった。「舞に終わりはない」と八十代、九十代になっても厳しい稽古を続けた。稽古は、早朝からの発声練習から始まる。稽古場で毎日「トウトウ タラリ タラリラ-」と大きな声を出して発声練習する。これが健康にすこぶるいい。そして、次は舞踊家として姿勢の美しさを保つための練習。彼女の舞は姿勢の美しさが際立っているが、それは厳しい稽古から生まれたものだ。稽古場の正面と側面には大きな鏡が張ってあり、鏡に自分の姿を映し、その姿を見ながら美しい体の線が出るまでとことん研究する。発声と姿勢、ともに健康長寿を支える最も大切な要件である。

早川は、若い時から奔放で好き勝手に生きてきたように見える。しかし、意外にも日常生活については何でも恋女房にやってもらわないと気がすまない人だった。愛妻の支えがあったから、彼は仕事や趣味に好きなだけ打ち込め、明るい人生を精一杯生き抜けた。

 - 健康長寿

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
見切り発車の「出入国管理法改正案」(12/8)ー政府は移民政策ではないと否定し、単純労働を含めた外国人労働者を5年間で34万人受け入れる方針』★『「ドイツは労働力を呼び寄せたが、来たのは人間だった」という教訓から学べ』

見切り発車の「出入国管理法改正案」 明治以来の人口政策の失敗の歴史を再び起こすの …

no image
『オンライン講座/百歳学入門(54)』★『玄米食提唱の東大教授・二木謙三(93歳)の長寿法『1日玄米、菜食、1食のみで、食はねば、人間は長生きする』★『二木謙三博士の健康十訓ー①食べること少なくし、噛むことを多くせよ。②怒ること少なくし、笑うことを多くせよ③言うこと少なくし、行うことを多くせよ④取ること少なくし、与えることを多くせよ⑤責めること少なくし、ほめることを多くせよ 』

  2012/11/05    …

no image
人気リクエスト記事再録 『百歳学入門(186 )』-百歳長寿社会へのお手本『世界ベストの画家・葛飾北斎(90歳)の創造力、晩年学こそ長寿力』★『北斎こそ世界を席巻した「ジャポニズム」「ジャパンアニメ」「ジャパンクール」の元祖である』

2011年1月15日執筆<超高齢社会のモデル> 世界ベストの画家・葛飾北斎―90 …

『Z世代のための米大統領選挙連続講座⑦』★『ハリス副大統領(59)わずか3週間でスタートダッシュに成功』★『「我々が暮らしたいのは、自由と思いやり、法の支配が存在する国なのか。混乱と恐怖と憎しみが存在する国なのか」と問いかけた』★『世論調査では支持率は拮抗』

  バイデン米大統領が後継者に指名したハリス副大統領(59)は、わずか …

no image
『オンライン講座/日本は新型コロナパンデミックを克服できるのか(下)』★『欧米紙はIOCを「ぼったくり男爵」と大批判』★『「無観客大会」へ 会議は踊る、されど決せず』★『「ホテルに缶詰め、食事はカップ麺と欧州選手団から非難殺到」』★『スペイン風邪の苦い教訓』★『「大谷選手の100年ぶりの快挙」』

『オンライン講座/日本は新型コロナパンデミックを克服できるのか(下)』      …

『オンライン講座・日本リーダーパワー史(1232)』-桂太郎の研究➂『日露戦争を勝利に導いた戦時宰相』★『桂太郎と孫文との秘密会談に同席した戴李陶の『桂太郎論』(1928年)』

  2011/08/29  日本リーダーパワー史( …

『この世で最も美しい花の1つ/蓮の花を見に行く動画』/鎌倉ぶらり散歩(2022/7/9/am7)』ー鶴岡八幡宮の源氏/池の平家池の蓮の輝き』★『早朝散歩が見ごろ。7月20日ごろまでシーズンだよ』

紅白の蓮の花の万華鏡(鎌倉鶴岡八幡宮の平家池、源氏池)今週中の早朝が見ごろだよ( …

no image
日本メルトダウン(911)『英EU離脱で「英連邦」が超巨大経済圏として出現』●『中国が西側の制度や価値観に寄り添うと考えるのは「幻想」』●『イチロー42歳がMLBでヒットを量産するのは、どれだけ凄いことか』●『[FT]人工知能の業務ソフトが生産性革命を生む』

  日本メルトダウン(911)   英EU離脱で「英連邦」が超巨大経済 …

『オンライン講座/ウクライナ戦争と日露戦争の共通性の研究 ⑦』『日本・ロシア歴史復習問題』★「日清戦争後のロシアによる満州強奪』★『西欧列強のアジア植民地経営と米国の極東進出、ロシアのチベット問題の謀略』★『ボーア戦争と新疆ウイグル地区の関係』

    2016/10/15 &nbsp …

『鎌倉絶景チャンネル』★『鎌倉材木座・由比ガ浜海岸ダイヤモンドビーチの朝の歌でいやされる(2023年1月7日)-太陽光発電・砂浜浴・潮騒(海の鼓動)で体と心のバッテリーが急速充電される。

鎌倉材木座・由比ガ浜海岸ダイヤモンドビーチの朝の歌でいやされる(2023年1月7 …