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地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

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『百歳学入門』(225)-『60,70歳から先人に学ぶ百歳実践学②』-『長寿は芸術であり、創造者は長寿となる』★『 長寿の秘密「長寿遺伝子」のスイッチをオンにせよ』★『日野原先生流は「腹7分の1日1300キロカロリー」の食事減量』★『三浦敬三・雄一郎親子の運動、スクワット、筋トレの実践』

   

  『百歳学入門』(225)

『長寿は芸術であり、創造者は長寿となる』

 

配布したこの長寿者一覧表を見ると画家、彫刻家、芸術家や学者など、クリエイティブな仕事をした人は長生きしていることが見て取れます。平櫛田中(107)、小倉遊亀(105)、片岡球子(103)北村西望(102)、奥村土牛(101)、入江一子(101、現役)、堀文子(99、現役)、佐藤忠良(98)、梅原龍三郎(97)、熊谷守一(97)中川一政(97)、横山大観(89)葛飾北斎(88)らズラリ。

一心不乱に美神を追求していると、長寿になる、「長寿は芸術である」、「芸術を創造していると、長寿になる」との有名な言葉がありますが、逆に言えば長生きしたので大きな仕事ができたともいえると思います。

 

これに比べると、新聞人、ジャーナリストでは、むのたけじ(101)、務臺 光雄(94)徳富蘇峰(94)、原寿雄(92)らの名前が見えるが、総じて長生きの人は少ない。激しい競争社会でストレスがたまるのが長寿に影響しているのではないか、と思います。

創造的な人間は長寿になるという点では、経済人で一代で世界的な大企業、日本の大企業を築き上げた長寿創業経営者がこのリストでも多くみられる。

長寿創業経営者リスト

松下幸之助(94)、岩谷直治(岩谷産業、102)、岡野喜太郎(スルガ銀行、101)、中山素平(財界の鞍馬天狗、99)、江崎利一(グリコ、97)、御木本幸吉(真珠王、96)、蟹江一太郎(カゴメ、96)、安藤百福(日清食品、96)、

松永安左エ門(電力王、95)、出光佐三(石油王、95)、瀬島龍三(伊藤忠、95)、渋沢栄一(日本資本主義の父、91)、石橋正二郎(ブリジストン、87)、本田宗一郎(ホンダ、84)らです。

この中で、なんといっても渋沢栄一翁が今日の日本の経済の基盤を築いた第一人者であり、見事な長寿人生を全うした最高の手本として敬服しています。「経済と道徳の合一を唱え渋沢翁は77歳で実業界から完全に足を洗い、社会実業家、慈善実業家へ転身し、日米親善の先頭に立って晩年は国際交流に尽力しています。

「老人になれば、若い者以上に物事を考え、楽隠居をして休養するなどということは、絶対にしてはいけません。逆に、死ぬまで活動をやめないという覚悟が必要なのです。働くことは<傍楽>である」とも語っており、一喝される思いである。

また、私が尊敬して、毎日マネして、実践しているのは三浦敬三(プロスキーヤ―、101歳)、三浦雄一郎(スキー、登山家、85歳)親子のトレ―ニング方法です。

敬三氏は77歳でキリマンジャロ、88歳でアルプス、99歳でモンブランを滑走しており、その超人的体力の秘訣は玄米食と足腰を鍛えるスクワットの実践であります。

息子の雄一郎氏はこの父親の衰えを知らんぬチャレンジ精神に刺激され、5大陸の最高峰に登頂したあとに、目標を失い、90キロ近い肥満体になっていたのを反省し、70歳でエレベストに登頂する目標を立てて、足に10キロ、背中に20キロ背負って毎日トレーニングを再開し、70歳で見事にエベレスト登頂に成功しています。

続けて、75歳、80歳でも続けて成功させる偉業を達成し、まさに晩年の星、長寿健康の達人です。

もう一人、その生き方、健康法に大いに教えられたのは聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生(105)です。

日野原先生は「低カロリーこそ長寿の秘訣」と唱え、自ら1日食1300キロカロリーと普通の大人の「腹7分」を実践し、90歳代から最期まで一生涯現役で活躍し、200冊近い膨大な著作を発表し続けて、作詞、作曲したミュージカルの監督にも89歳で挑戦した「奇跡の百寿者」である。

まさに「百歳長寿社会」「スーパーセンテナリアン」の手本である。

私も『いまやらねば いつできる。わしがやらねばだれがやる』(平櫛田中)と『少なくして学べば壮にして為すあり 壮にして学べば老いて衰えず 老いて学べば死して朽ちず』(儒学者・佐藤一斎、86歳)を座右銘として、これら『長寿健康超人』たちの背中を遠くに眺めながら、七十、八十の急坂を息を切らせながらよヨロヨロ登り、PPK(ピンピンコロリ)を目ざしているのです。

さて、結論を申し上げましょう。

今、世界の医学界の遺伝子研究分野は大きく発展し、長寿の役割を持つ遺伝子が発見されています。

長寿の秘密「長寿遺伝子」のスイッチをオンにせよ。

サーチュイン遺伝子(Sirtuin gene)のと呼ばれる長寿遺伝子で、老化のスピードをコントロールする遺伝子”で、その活性化により寿命が延びたり、活性化しないと長寿にならないことが実験によって確認されました。

冬眠中の動物の寿命は、活動期の20倍から30倍の長寿モードになる。人間も同じで飢餓、絶食、食事制限、ダイエットで長寿遺伝子のスイッチが入る。

長寿になるためには、この遺伝子にスイッチを入れること。カロリー摂取量を普段の七割まで下げると人は「飢餓感」を持つので「腹七分目」がよいといいます。このために日野原先生は1日1300キロカロリーに制限していのです。

もう1つのスイッチオンは運動、スクワットで筋肉を収縮させることです。

激しいジョギングよりもやや弱い運動強度の『インターバル速歩』の「ゆっくり歩く」と「速く歩く」を3分ずつ交互に繰り返す。有酸素運動でよいといわれます。

さらに、レスベラトールを飲むこと。これは赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種のレスベラトールを飲むと長寿遺伝子の活性化し、レスベラトロールはカロリー制限と同じような効果を発揮するといいます。

赤ワインを毎日グラス3、4杯飲む人はまったく飲まない人に比べて、アルツハイマー病の発症率が4分の1と少なく、死亡率も低いという結果が出た。

レスベラトロールは、ブドウの茎や皮などから抽出されピーナツの皮や、イタドリ、インドネシアの植物メリンジョなどにも含まれています。

終わりに

➀福沢諭吉(66歳は「人生は寿命の長さよりも、世のため、人のために何をやったのか、その幸せの量、仕事の量<寿量>こそが大切である」と説いていますが、長寿となって『寿量』をより多く達成できれば、こんな幸せなことはないではないでしょうか。

「生死一如」-ぶらり、気ままに、いそがず、あわてず、あてもせず、PPK(ピンピンコロリ)をめざしてトボトボ歩く毎日である。

おわり

 

『百歳学入門』(224 )『60,70歳から先人に学ぶ百歳実践学』➀『高齢化率は日本 26.6%で世界一、百寿者は6万7824人、90歳以上は約200万人』★『「六十、七十 はなたれ小僧、八十,九十男盛り、女ざかり、百歳わしもこれから、これから』<彫刻家・平櫛田中(107歳)>の烈語!
http://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/29315.html

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究, 湘南海山ぶらぶら日記

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