前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

百歳学入門(155)『画狂老人・葛飾北斎(90)の不老長寿物語』②『画家は長命、作家は短命』★『創造/熱狂人間は年など忘れて不老長寿になる』●『毎日、一心不乱に画業に励み、夜食にソバ二杯を 食べて寝るだけの生活を生涯続けた 』

      2016/07/20

  百歳学入門(155

『画狂老人・葛飾北斎(90)の不老長寿物語』

 

★『創造/熱狂人間は年など忘れて不老長寿になる』→

★『生きることは日々新たなり、また新たなり』 →

★『画業三昧で時間に追わて描きまくり、気がつけば百歳となる』

 

前坂 俊之(ジャーナリスト)

葛飾北斎は世界的な画家であると同時に、晩年の達人、超人である。

北斎は七十五歳以降、「画狂老人」を名乗ったが、これこそ彼の生き方をもっともよくあらわしている言葉である。

「画狂老人」とは画のことしか考えない、いい絵を描くことに熱中した老人という意味だが、『浮世絵』という表現形式で創造への情熱を燃やし続けた。それも、大方の人間が情熱の火が消えかかる70歳過ぎてから、逆にエンジンをふかせて人生マラソンのラストコーナーを全力疾走して、世界記録を達成した長寿芸術家といってよいであろう。

『画家は長命、作家は短命』という言葉がある。

http://www.excite.co.jp/News/bit/00091160033169.html

 

確かに、長寿の画家は数多い。

ピカソ92歳、シャガールは90歳、ミロも90歳。ミケランジエロ89歳、モネ86歳、マティス85歳、ダリ、マティスは85歳、ドガ83歳、ゴヤ82歳となるが、これよりさらに上を行く画家がいる。ティツィアーノ九十九歳である。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%AA%E3%82%AA

ティツィアーノは十六世紀に活躍したイタリア・ルネサン

ス期の画家で、没年はわかっているものの、生年については諸説あり、一説では八十六歳頃に世を去ったとも言われている。

日本を例にとると、長寿画家は山のようにいる。

Wiki 豊田三郎

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%8A%E7%94%B0%E4%B8%89%E9%83%8E_(%E7%94%BB%E5%AE%B6)

『片岡球子(日本画家)103歳』

http://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/11666.html

. ●「奥村土牛(101歳)」 http://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/3342.html

  • 『画家・中川一政、97歳』

http://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/2374.html

  • 「堀文子〈98歳で元気〉」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80%E6%96%87%E5%AD%90

まだまだいる。

森田 茂 102歳11ヶ月(1907-2009)…1993年 文化勲章

岩橋英遠 97歳6ヶ月 (1903-1999)…1994年 文化勲章

福沢一郎 94歳8ヶ月 (1898-1992)…1991年 文化勲章

秋野不矩 93歳2ヶ月 (1908-2001)…1999年 文化勲章(女)

佐藤太清 90歳11ヶ月(1913-2004)…1992年 文化勲章

伊藤清永 90歳3ヶ月 (1911-2001)…1996年 文化勲章

画家はボケずに長生きする?

http://goodbrains.net/syumi/gaka.html

 

『プロの画家のように芸術的な作品ではなくても、絵を描くという行為は左右大脳半球にまたがって多くの部位が使われます。

さらに、脳の司令塔といわれる前頭葉の血流量が増えて活性化します。そのため、アマプロを問わず絵を描く人はボケにくいということができます。』といわれる。

以上、画家は長生きの話をすると、延々長話になるので、ひとまずここで、本論に以下で入る

――――――――――――――――――

「われ幼少よりものの刑状を写すクセあり」

北斎は1760(宝暦10)年9月、江戸本所割下水で石工の子に生まれた。幕府御用の鏡師の子として生れたという異説もある。

北斎は本所はもともと葛飾郡に属しており、のちに葛飾の名のった。「われ幼少よりものの刑状を写すクセあり」で、5,6歳のころから絵心があり、19歳で浮世絵界の大物・勝川春草に弟子入り、役者絵などを学んだ。はじめは、絵はあまり売れず、貧乏暮しが続き、唐辛子や暦を売り歩いたりしたこともあった。

ちょうどその頃、北斎は三十代の半ばに達していたが、

画狂への道を歩むことになるエピソードが伝えられている。

「ある人から子供の端午の節句のお祝いに鯉職の絵を頼まれて描き、金2両を得た。貧乏暮しの身にこれを無上の宝物と受け取り、ここで一念発起したと言うのである。

1日中、一心不乱に画業に励み、夜食にソバ二杯を

食べて寝るだけの生活を生涯続けた。

このエピソードを北斎を知る人からの話として伝える、飯島虚心著『葛飾北斎伝』によると、北斎はたちまち志を一転し、生涯画工として世を終ることを誓い、それからというもの、

朝はやくから筆をとって人の寝静まる夜更けにおよび、腕が萎え、眼が疲れるまで仕事を続け、ソバ二杯を食べてから寝るというぐあいで、この夜食のソバ二杯の習慣は死ぬまで続いたという(木原武一『人生最後の時間』(葛飾北斎)PHP文庫2002年192-193P)

つづく

 - 人物研究, 健康長寿

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
世界/日本リーダーパワー史(931)-(重要記事再録)日中韓パーセプションギャップの歴史(1)『日中韓150年戦争史の原因を読み解く(連載70回中1ー20回まで)★『申報、英タイムズ、ルー・タン、ノース・チャイナ・ヘラルドなどの外国新聞の報道から読み解く』●『朝鮮半島をめぐる150年間続く紛争のルーツがここにある』

日中韓異文化理解の歴史学(1)(まとめ記事再録)『日中韓150年戦争史の原因を読 …

no image
百歳学入門(96)「史上最高の天才老人<エジソン(84)の秘密>❹ 未来へのビジョンを持つ、将来に信仰を持ちなさい、前進しない

 百歳学入門(96) 「史上最高の天才老人<エジソン(84)の秘密>❹ …

no image
日本メルトダウン( 987)-『トランプ次期米大統領の波紋 』◎『トランプが招く「ドルの取り付け」のリスク 円安・金利上昇で「財政インフレ」は来るか(池田信夫)』●『ドナルド・トランプの世界:新たなナショナリズム (英エコノミスト誌)』●『『怒れる有権者は工場で作られた』-英米もどこも似た構図、 それでも答えは壁の建設ではない (英FT紙 )』●『「米国に深刻な結果呼ぶ」、TPP脱退で共和党重鎮』★『トランプを大統領にし、そして引きずり下ろす男―頑固で曲がったことの大嫌いなコミーFBI長官の素顔』★『ロシアでKGBが復活する公算大 2018年大統領選に向け、着々と布石打つプーチン』

   日本メルトダウン( 987)—トランプ次期米大統領の波紋  ト …

『F国際ビジネスマンの『世界漫遊・ヨーロッパ・カメラ・ウオッチ(18)』★『オーストリア・ウイーンぶらり散歩⑤』(2016/5) 『旧市街中心部の歩行者天国を歩く』★『ケルントナー通り、グラーベン、コールマルクトには有名ブランドやハプスブルグ家御用達の老舗、カフェの名店、高級スーパーが立ち並ぶ。』

  2016/05/18 『F国際ビジネスマンのワールド・カ …

F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(202)2017/4/5-東京ーサクラ名所めぐり➀ 上野公園のサクラは満開ー絢爛豪華なお花見風景

F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(202) 2017/4/5-東京 …

no image
世界/日本リーダーパワー史(967)-『トランプ大統領弾劾問題と米中テクノナショナリズムの対立(下)』★『米中通商協議の期限は3月1日』★『中国経済失速へ!「中所得国の罠」にはまったのか』★『中国の「テクノナショナリズム」「<中国製造2025>のスパイ大作戦』

世界/日本リーダーパワー史(967) 『トランプ大統領弾劾問題と米中テクノナショ …

no image
『オンライン講座/日本の食卓に長寿食トマトを広めた「トマトの父」・カゴメの創業者蟹江一太郎(96歳)の 長寿健康・経営10訓』★『徳川家康の遺訓『人の一生は重荷を負うて、遠き道を行くが如し』が経営理念』

2013年4月10日の百歳学入門(70)記事再録  前坂 俊之(ジャー …

no image
終戦70年・日本敗戦史(135の続)「国を焦土と化すとも」と国際連盟を脱退する外交大失敗を冒した荒木陸相、森恪、松岡洋右のコンビと新聞の不見識

   終戦70年・日本敗戦史(135の続) <世田谷市民大学2015> …

★10「日本の知の限界値」「博覧強記」「奇想天外」「抱腹絶倒」―南方熊楠先生の書斎訪問記はめちゃ面白いよ①

「日本の知の限界値」「博覧強記」「奇想天外」「抱腹絶倒」―南方熊楠先生の書斎訪問 …

『世界漫遊/ヨーロッパ・パリ美術館ぶらり散歩』★『ピカソ美術館編」(5/3日)⑥『「ピカソはオルガ・コクローヴァーの完璧な無表情と平静さを湛えた美しさを数多く肖像画に描いている』

  ‏  2015/06/01  『F国 …