前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

百歳学入門(149)『百里を行くものは、九十里を半ばにす』 ●『心は常に楽しむべし、苦しむべからず、身はつねに労すべし、 やすめ過すべからず』貝原益軒) 』●『老いておこたれば、則ち名なし』●『功のなるは、成るの日に、成るにあらず』●『 咋日の非を悔ゆるものこれあり、今日の過を改むるものすくなし」(佐藤一斎 )

      2019/06/19

 百歳学入門(149)

  • 『百里を行くものは 九十里を半ばにす』戦国策

徳川家康にもこの語があるが、彼もまたこの、戦国策を読んだのであろう。まことに人生の重大な秘訣を見抜いた語である。

人生行路は数学とはちがう。人生百里の半ばは九十里である。あとの十里が、今までの九十里に匹敵する艱難が待ち構えている。

『人々が、もう一息というところでくじけてしまって、大事が成功しないのは、まさにここにある。

『九仞の功を人々は一簣(いっき)に虧(か)く』のである。最後まで、決して力を抜いてはならない。マラソンレースの最後のトラックでぬかれはならない。この秘けつが九十里をもって半ばとするにある。

 

◎『心は常に楽しむべし、苦しむべからず、身はつねに労すべし、

やすめ過すべからず』   (貝原益軒)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%9D%E5%8E%9F%E7%9B%8A%E8%BB%92

大ていの人間がこの反対である。体の方はらくをして、心の方だけ苦しめている。

取越し苦労をしたり、すぎ去ったことを悔んでいる。また体をらくにしたために、あとで心を苦しめている。

人は体の労苦さえいとわなければ、自然に心はたのしくなる。日々の仕事に身体を労せよ、そして今日の仕事を明日にのこさない。そういう人はつねに心が朝日に向うように

晴れ晴れととさわやかである。

 『老いておこたれば 則ち名なし』呂氏春秋(中国秦の時代の史論)

人生一切の事、事業でも学問でも芸術でも何でも、最後の息をひきとるまで、真剣に努力精進しないものは、ついに名を得ることはできない。

難しいのは才能天分の発揮ではなく、それを最後までつづけるところにある。もう自分は老いたら、晩年はひとつ、のんきにおくろうなどと、考える人々は決して名を成すことはできない。たとえば牧野富太郎翁

など、あの『植物学の泰斗』の名を不朽にされたのは、あの高齢の最後まで精進されたところにあった。〔中国案時代の史論壱〕

  • 『功のなるは 成るの日に 成るにあらず』

蘇洵(老泉)

西洋の諺にも「ローマは一目にて成るにあらず」というのがあるが、すべて功というものはその時、突然にあらわれるものでない。

ニュースとなって突然、知られるのであって、それがそうなるのにはながい原因がある。いろいろな努力や精進があって、はじめて功はあらわれるのだ。

それを忘れて、ただ功のあらわれたそこだけを見てうらやんでも駄目である。不断の努力、かくれたる精進、忍耐、そういうものを日々、おこたることなく努力することによって結実する。それを忘れては人生の成功はあり得ぬ。〔中国宋の学者、1009-1069〕

  • 「咋日の非を悔ゆるものこれあり、今日の過を改むるものすくなし」 佐藤一斎

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%B8%80%E6%96%8E

世間に、後悔をしている人は多い、昨日、ああしたければよかった、あれが失敗だった、そう言って悔む人は多い。ところが、それほどにすぎ去った昨日のことは後悔している癖に、その昨日の今日、過ちを改める人はまことにすくない。

結局、そういう人は一生後悔ばかりしている。後悔ばなしを聞くと如何にも殊勝のようだが、今日その過ちを改めないでは何の価値もない。この過ちを改めるという事だけがその人を精神的にも物質的にも成功させる唯一の道である。

  • 『悔悟はこれ病を去るの薬たり。しかれどもこれを改むるもって 貴しとなす 』      王陽明

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E9%99%BD%E6%98%

この言菜の次に「もし中に留滞せばすなわちまた薬たよりて病を発せん」といっている。

悔悟というものは、ちょうど病気をなくする薬のようなもので、これなくては病気はなおらぬ。しかし悔悟しただけで、その後の行ないを改めないでいては何にもならぬ。

何にもならぬだけでなく、自己を内心で責めてばかりいると、それによってストレスがはまり、病気となる。

悔悟するときは、直ちにその行ないを改めるべし。そうすると心機一転して道を開くことが出来るのである。

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本リーダーパワー史(518)「明治大発展の国家参謀・杉山茂丸の国難突破力に学ぶ」➁ 日露戦争の決定的場面に杉山の影

    日本リーダーパワー史(518) &nbsp …

『Z世代のための次期トランプ米大統領講座⑳』★『忠誠心、身内で固めた第2期トランプ政権』★『米政府再編構想「プロジェクト2025」(政府関係者、官僚トップ、民主党支持者ら約6万人を削減)で対立激化!』

  イーロン・マスク氏はトランプ政権で「政府効率化省」のトップに座り、 …

『日本最強の宮本武蔵の<見える化>チャンネル』★「宮本武蔵が『五輪の書』を書いた熊本の霊厳洞を訪ねる」★『霊厳洞は五百羅漢が立ち並び迫力満点の超パワースポット』★『勝海舟の宮本武蔵評』

★『日本史最強の人物の現場を訪ねる動画チャンネル』   20 …

no image
広島マスコミ9条の会 講演会レジメ―『戦争(原爆)と憲法とメディアを考える』(資料データー満載)―

広島マスコミ9条の会 講演会レジメ     2008、7,5    前坂 俊之  …

no image
新刊『伊藤博文直話』(新人物往来社編) 新人物文庫(2010年4月刊)を刊行しました。政治家必読の教科書じゃ

暗殺直前まで語り下ろした幕末明治回顧録 新刊『伊藤博文直話』(新人物往来社編)  …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ ウオッチ(228)『イランの反政府デモはどうなるのか』★『ハメネイ師はローハニ大統領を更迭し再選挙に持ち込み、市民の怒りを抑えられるか?』★『革命軍を動員して流血の惨事となって更に事態が深刻化するか? 目が離せません。』★『見えぬ打開策…武力弾圧踏み切るか!』

  『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ ウオッチ(228)』 …

no image
日本リーダーパワー史(720)ー南シナ海裁定で完敗した中国の強硬姿勢の背景にある『China2049―秘密裏に遂行される世界覇権100年戦略』①『中国の夢』の恐るべき陰謀とはー 中国が世界の覇権を握った「帝国」は「自由より秩序、 法より倫理、民主主義と人権よりエリート による支配に価値を置く」①

  日本リーダーパワー史(720)  南シナ海裁定で完敗した中国の強硬姿勢の背後 …

no image
日本メルトダウン・カウントダウンへ(902)『安倍首相の退陣すべきを論じる】③『米WSJ紙「役に立たない一時的救済」』●『増税延期の安倍総理に必要なのは 二枚舌でなく「謝ること」』●『日本の財政は主要リスク、信認喪失なら世界経済に波及=OECD』 

   日本メルトダウン・カウントダウンへ(902) 『安倍首相の退陣す …

no image
日本リーダーパワー史(114)初代総理伊藤博文⑩ 外国新聞の人物評『外国人をこのみ、丁寧にあつかう人』

日本リーダーパワー史(114)   初代総理伊藤博文⑩新聞人物評『外国 …

no image
日本メルトダウン脱出は可能か(597)「経済の珍病には大胆な治療法必要」(英FT紙)◎「日本の総選挙:同レース、同馬」(英エコノミスト誌)

       日本メルトダウン …