国際ジャーナリスト・前田康博氏の動画ニュース解説「昇竜中国と落日日本・APEC,安倍‣習会談の真相とは?」(30分)
2015/01/01
日本リーダーパワー史(535)
国際ジャーナリスト・前田康博氏の語る➁「昇竜中国と
落日日本・APEC,安倍‣習会談の真相とは?」(12/17)
12月17日、国際ジャーナリスト・前田康博氏と前坂俊之との間で「総選挙後の日中韓の安倍外交の課題」についての緊急座談会を行った。
これは第2部の「昇竜中国とAPEC,安倍‣習会談」(30分)の内容です。
前田氏の話のレジメは以下の通りである。
「APECと中国の積極外交」
♦日中中首脳、APECで握手、戦略的互恵関係で合意
(1)[APECでの25分間、日中首脳会談]
○14年11月、北京で開かれた「アジア太平洋経済協力会議(APEC)」で日中首脳の「会談」が3年ぶりに実現した。
実際はAPECホスト国、中国が参加国元首と会談したものの一つであり、単独の首脳会談として設定されたものではない。
通訳を交えてのわずか二五分たらずだったが、経済規模で第二位の中国と第三位の日本の握手に世界は注目した。
会談に先立ち安倍首相と習近平主席は記者団を前に握手を交わしたが、習主席が終始、硬い表情で無言のまま、一瞬左下に顔をそむける仕草もあり、とても和解と親善への第一歩とはいえないものだった。
中国国営新華社は、日本側の「求めに応じて」行われたとわざわざ解説、要望に応じて面会したという程度の“会談”だった。
首相同行筋も「会談中も習主席に一切笑顔がなかった」と明かした(毎日北京電11・⒑)。
[25分間の“首脳”会談は内容なく]
日本側の活字メディアの報道を総合すると、
日中会談の冒頭、挨拶を交わした習主席は「先に安倍首相の考えを聞かせてほしい」と切り出し、首相の対中姿勢をまず見極めようとした。
安倍首相が国民の相互理解を推進することや深まる両国の経済関係を取り上げ、関係改善へ進めたいと答えたのに対し、習主席は「この2年間、両国関係に困難が生じた理由は明白だ」と述べ、尖閣諸島問題や首相の靖国神社参拝が関係悪化の原因と認識していることを強く示唆した。
○歴史認識について習主席は、「13億人の中国人民の感情に関わる」と述べ、日本の過去の植民地支配や侵略について謝罪した「村山談話」(1995年)にも言及し、この談話を無視しようとしている安倍政権をけん制した。
安倍首相が「海上連結メカニズムの早期運用開始」を提案したのに対し、習主席は「すでに合意はできている」と前向きな姿勢を示した。
その後のAPEC首脳を招いた夕食会では、習主席は首相と妻昭恵さんを笑顔で迎えるなど硬軟両様の顔をみせた。
一一日付の中国共産党機関紙「人民日報」は、「中国が日本の求めに応じて会談したことは中国の広い度量を示している」と主張した。
同紙は韓国やベトナムなど6か国の首脳と習主席が握手する写真六枚を並べたが、安倍首相の握手の時だけ背景に国旗がないことが一目でわかるようにしており、通常の首脳会談とは異なる意味合いを持たせようとしている(毎日北京電12付)。
習・安倍会談については「2012 年以来、日本側の誤った言行により、閉ざされていた両国の指導者が接触するための扉が少し開いたようだ」とコメントしている。
会談3日前の11月7日、両政府が発表した「4項目の合意文書」では、尖閣諸島や歴史認識について関係改善していく上で需要な認識が盛り込まれた。領土問題、歴史問題共に日中政府が国内に有利な解釈で説明できる“玉虫色”の表現となっており、具体的にはほとんど両政府を縛るものではない。
岸田外相は11月13日、参院外交防衛委で、この合意文書について、「法的拘束力はないが、日中間で尊重されるべきだ」と述べ、「日本が何かを譲ったとか、容認したということは全くない」と説明した。
11年前の2003年のAPECではホスト国日本は国内総生産(GDP)世界第二位、当時、その半分にも満たなかった中国はこの11年間で日中の位置関係は逆転した。中国は日本を抜いて第二位の経済大国としてAPECホスト国を務めた。
○習主席は晴れの舞台をフルに使い、オバマ大統領を国賓として迎える夕食会を催し、同大統領と長時間の首脳会談の場を設け、米中連携強化をアジア・太平洋諸国に誇示した。
○またBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の新興5か国の結束を求めるプーチン露大統領にもメンツを立て、オバマ・プーチン首脳会談を仲介し、昇竜中国の面目躍如のステージを作った。
関連記事
-
-
『Z世代への昭和史・国難突破力講座⑳』★『昭和経済大国』を築いた男・松下幸之助(94歳)の名言30選」★『松下の生涯は波乱万丈/『経済大国サクセスストーリー』● 『企業は社会の公器である』 ● 『こけたら立たなあかん』● 『ダム経営は経営の基本である』● 『経営は総合芸術である』●『無税国家」は実現できる』●『長生きの秘けつは心配すること』
2016/12/23 「日本歴代大経営者列伝」記事再録・再編集 『昭和経済大国』 …
-
-
日本リーダーパワー史(923)<世界サッカー戦国史(11)> -『W杯はフランスが優勝,日本大健闘!、新監督に森保氏…五輪代表監督と兼任』★『グローバルジャパン、「グローバルジャパニーズ」に脱皮できなければ、日本の強い、明るい未来はない』
日本リーダーパワー史(923) <世界サッカー戦国史(11) 監督に森保一 …
-
-
『Z世代のための日中韓外交史講座』⑩」★『1889年4月6日の『申報』☆『日本は東洋の一小国で.その大きさは中国の省の1っほど。明治維新以後、過去の政府の腐敗を正し.西洋と通商し.西洋の制度で衣服から制度に至るまですべてを西洋化した。この日本のやり方を,笑う者はいても気にかける者はいなかった』
2014/08/11 /★『中国紙『申報』からみた『日 …
-
-
片野勧の衝撃レポート(64)戦後70年-原発と国家<1955~56> 封印された核の真実(上)
片野勧の衝撃レポート(64) 戦後70年-原発と国家<1955~56> 封印 …
-
-
★『2018年は明治150年』- (記事再録)明治偉人の研究』『西郷どん』の『読める化』チャンネル ④』 ◎『金も名誉も命もいらぬ人でなければ天下の偉業は達成できぬ』●『坂本龍馬は「西郷は馬鹿である。大馬鹿である。 小さくたたけば小さく鳴り、大きくたたけば大きく鳴る]と。』●『一個の野人・西郷吉之助を中心とし、一万五千の子弟が身命を賭して 蹶起し、そのうち9千人までも枕を並べて討死するとは、じつに 天下の壮観であります。』 『情においては女みたいな人ですからね』(大久保の西郷評)』★『江戸城無血開城を実現した西郷 隆盛、勝海舟のウルトラリーダーシップ(大度量)』
★『2018年は明治150年。明治偉人の研究』- 『西郷どん』の …
-
-
◎『ITS世界会議東京2013(10/14-10/18)-世界中から150社が出展―参加国や地域は65か国、約2万が参加した。
◎『ITS世界会議東京2013(10/14-10/18)-世界中から150社が出 …
-
-
『Z世代のための日中韓外交史講座』⑭』★『中国紙「申報」からみた「日中韓150年戦争史」★『(日清戦争開戦2ヵ月後―「罪言―中国の敗因は旧弊の悪習を改め、汚職官吏を除くこと」(申報1894年10月5日)★『この130年後も習近平主席の終わりなき汚職撲滅の闘いが続く」』
2015/01/01「申報」からみた日中韓のパーセプシ …
-
-
片野勧の衝撃レポート(73)★『原発と国家』封印された核の真実⑩(1970~74)近未来開く「万博怪獣エキストラ」(下)
片野勧の衝撃レポート(73) ★『原発と国家』―封印された核の真実⑩(1970~ …
-
-
<まとめ> 日中韓150年戦争史の研究ー日韓近代史でのトゲとなった金玉均(朝鮮独立党)事件と日清戦争のトリガーとなった金玉均暗殺事件
<まとめ> 日中韓150年戦争史の研究 日韓近代史でのトゲとなった金玉均(朝鮮独 …
