前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(49)『米兵を異常犯罪に走らせたTBI(外傷性脳損傷)』★『格納容器,排気塔にフィルター無し』

   

 池田龍夫のマスコミ時評(49)
 
●『米兵を異常犯罪に走らせたTBI(外傷性脳損傷)3・30』
★『 格納容器,排気塔にフィルター無し!(3,28)』

 
                 池田龍夫(ジャーナリスト、毎日新聞(OB
 
 
   米兵を異常犯罪に走らせたTBI(外傷性脳損傷)330
 
アフガン派兵の米軍兵士が3月11日の日曜日、カンダハール郊外の民家に押し入り、銃を乱射して女性・子供ら17人を殺害した。米兵の相次ぐ不祥事の中でも凄惨きわまる事件に驚愕した。オバマ大統領は直ちにパネッタ国防長官を現地に派遣してカルザイ大統領に謝罪、悪化した外交関係回復に努めている。
の兵士(38歳)はイラク戦線で3回勤務したあと帰国、昨年末に妻と2人の子供を残してアフガンに赴任した。長い戦地勤務でPTSD(心的外傷後ストレス障害)が原因とみられるが、さらに深刻な障害が米国内で指摘されているという。在米評論家・冷泉彰彦氏の3月17日付「USAレポート」に衝撃を受けたので、その一部を紹介して参考に供したい。
 
        爆風で脳内神経系統が麻痺
 「錯乱した兵士は、TBI(トラウマティック・ブレーン・インジャリー=外傷性脳損傷)であったという報道が事件直後にあった。ただ、その後は、PTSDという表現、あるいはもっと『ぼかした』表現に変わるなど報道が揺れ動いている。今まで、イラク戦争帰還兵のPTSDが大きな問題になっていた。悲惨な戦場での経験、特に殺す・殺されるという恐怖感の連続する環境が、多くの帰還兵を悲惨な症状に追い込んだのです。

TBIというのは比較的新しい概念です。同じTBIでも実際に頭部に目に見える外傷のある、例えば頭蓋骨陥没などを伴っているものは昔もありました。
ですが、イラク戦争以降で問題になっているのは道路脇の爆弾テロなどによる『音速を越える』爆風に兵士が晒された際の問題です。分厚いヘルメットや戦闘服で保護していれば良いとは言えず、比重の重いもので防御していても衝撃波は伝播して、脳内の神経系統を麻痺させるというケース(医学的にはまだ完全にメカニズムが解明されたわけではないのですが)が問題になっています」。

 
米政府の人道的責任は重い
 PTSD 患者は妄想や幻覚、不安感情といった症状が多いが、TBIでは言語障害や平衡感覚の異常など脳の基本的な機能障害がいっそう強くなるという。兵士に脳障害を発症させ、殺戮にまで走らせたのは誰か?…米政府の人道的責任は極めて重い。
 
       アフガン早期撤退の道筋をつけよ
オバマ政権は駐留米軍を段階的に撤収させ、2014年末までにアフガン政府軍と警察に治安権限を移譲する計画だが、米兵の相次ぐ不祥事によって、アフガン情勢は泥沼状態。いま米欧軍が大規模に撤退すれば、再び内戦になる危険性が極めて高い。

アフガンが再び国際テロの温床に逆戻りしないために、米欧軍の早期撤退には慎重さが求められる。米政府は派遣部隊の管理を徹底し、カルザイ政権との協力関係を再構築し、国際部隊の撤退が本格化する前に、タリバンとの対話を再開して停戦への道筋をつけねばならない。

 
 格納容器,排気塔にフィルター無し!(3,28)
 
 
 福島第一原発1~4号炉内は、高濃度汚染のため修復作業がいぜん難航している。原子炉格納容器の圧力を下げる排気(ベント)が遅れ、放射能漏れを拡大させてしまった。

この点につき、原子炉設計者だった後藤政志氏(芝浦工大非常勤講師)は事故後、「排気塔にフィルター設置を献言したが、採用されなかった」と指摘していた。フィルターが設置されていれば、外部への放射線物質排出を最小限にとどめることができたという。

 東京新聞3月27日付朝刊が1面トップで「国内全原発、フィルターいまだゼロ」と報じていたのに衝撃を受けた。事故から1年経っても、どの電力会社に取材してもフィルターを設置してなかったことが明らかになった。

フィルター設置には1基20億~40億円かかるそうだが、フランスやスイスなどでは当たり前の設備だという。安全管理の思想が日本の原子力政策から欠落していることを物語る証拠で、この調査報道を高く評価したい。

 
(いけだ・たつお)1930年生まれ、毎日新聞社整理本部長、中部本社編集局長などを
歴任。著書に『新聞の虚報と誤報』『崖っぷちの新聞』、共著に『沖縄と日米安保』。

 
    

 - 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
 日中北朝鮮150年戦争史(41)『日中歴史復習問題』★「日清戦争の内幕ー中国人民軍(清国軍)もらった「売命銭」分しか戦わない、汚職腐敗軍隊。 中国3千年の歴史は皇帝、支配者の巨額汚職、腐敗政治であり、「習近平政権」(1党共産党独裁)にも延々と続いている。①

 日中北朝鮮150年戦争史(41)   日清戦争敗北の原因「中国軍(清 …

『Z世代のための< 日本議会政治の父・尾崎行雄の日本政治史講義』★『150年かわらぬ日本の弱体内閣制度のバカの壁』★『 明治初年の日本新時代の 当時、参議や各省長官は30代で、西郷隆盛や大久保利通でも40歳前後、60代の者がなかった。 青年の意気は天を衝くばかり。40を過ぎた先輩は何事にも遠慮がちであった』

2012/03/16  日本リーダーパワー史(242)『日本 …

no image
日本リーダーパワー史(598)『安倍・歴史外交への教訓(5)』「大東亜戦争中の沢本頼雄海軍次官の<敗戦の原因>」を読む―鳩山元首相の「従軍慰安婦」発言、国益、国民益無視、党利党略、 各省益のみ、市民、個人無視の思考、行動パターンは変わらず

 日本リーダーパワー史(598) 『安倍・歴史外交への教訓(5) 「大東亜戦争中 …

no image
日本の「戦略思想不在の歴史⑯」―『元寇の役のヨーロッパ史での類似性』●『元寇の役では西国だけでなく東国からも武士たちが加わって、日本全体が一致協力して戦い、初めて国家意識が生れた』

 日本の「戦略思想不在の歴史⑯」 元寇の役(1254年)では2度にわたり、元軍の …

no image
2014年世界経済トレンド・ウオッチ②』「エリートの失敗が未来を脅かす」(英FT紙)「2014年市場は「退屈への反乱」に警戒せよ

  2014年ー世界経済トレンド・ウオッチ②』   …

no image
日本リーダーパワー史(727)★(記事再録)『アジアが世界の中心となる今こそ120年前の 大アジア主義者・犬養毅(木堂)から学ぼう 』一挙、25本の記事全部公開する!

日本リーダーパワー史(727)   アジアが世界の中心となる今こそ12 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(172)』『都知事 M氏のこと、雑感ですー久し振りにセコイ大陸系金権政治家の亡霊が現れた感じです。政治資金規制法の抜け道を狡猾に利用している様ですが・・』

 『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(172)』 『都知事 M氏 …

no image
「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など 外国紙は「日韓併合への道』をどう報道したか③<朝鮮は日本の評判を傷っけるようにプロパガンダ工作し、朝鮮人を日本の暴虐の犠牲者として印象づけている

「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など外国紙が 報道した「日韓併合への道』 …

no image
 日本リーダーパワー欠落史(744) 欧米が心配する『安倍ロシア朝貢外交の行方は!?、再びバラマキ外交で失敗するのか』『歴史復習応用編』-日清戦争後のロシアの三国干渉と遼東半島の武力、占領支配が日露戦争の原因なのである。★『  安倍政権に激震 日ロ首脳会談は北方領土“ゼロ回答”確実に』●『日露経済協力の目玉、サハリン・パイプライン プーチン大統領の訪日に何が期待できるのか』●『日露に総額1.5兆円強の共同計画』

 日本リーダーパワー必読史(744) 対ロシア外交は完敗の歴史、その歴史復習問題 …

no image
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(227)/『日米戦争の敗北を予言した反軍大佐/水野広徳(下)』-『その後半生は軍事評論家、ジャーナリストとして「日米戦わば、日本は必ず敗れる」と日米非戦論を主張、軍縮を、軍部大臣開放論を唱えるた』★『太平洋戦争中は執筆禁止、疎開、1945年10月に71歳で死亡』★『世にこびず人におもねらず、我は、わが正しと思ふ道を歩まん』

 2018/08/20 /日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリ …