前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(125) 『安保法案「国民をバカにしないで下さい」』大学4年生の訴え(9/21)

      2015/09/23

 

池田龍夫のマスコミ時評(125)

 安保法案「国民をバカにしないで下さい」』 大学4年生の訴え(9/21)

〝初めに結論ありき〟とばかりに、安全保障関連法案は安倍政権の強引な戦術によって衆参両院で可決成立した。集団的自衛権行使が可能になるわけで、自衛隊の海外活動が拡大する危険性がある。野党や憲法学者から「違憲」との指摘が相次ぎ、メディア各社の世論調査でも反対が多い中、政府与党が押し切ってしまった。

9月15日の参院特別委員会公聴会で、明治学院大学4年生・奥田愛基さんが意見を述べた。一般紙には見当たらなかったが、ニコニコ生放送が全文を流していた。奥田さんは「SEALDS」(Student Emergency Action for Liberal Democracys)=自由と民主主義のための学生緊急行動=を仲間数十人と立ち上げた。立憲主義の危機や民主主義の問題を真剣に考え、5月から活動を開始し=たという。

全国に拡大する抗議集会

率直な若者の叫びに感銘したので、以下に要旨を掲載し参考に供したい。

「私たちが訴えたいことは3つあります。1つは、いま全国各地でどのようなことが起こっているか。2つ目は、この安保法制に関して、国会はまともな議論をしているとは言いがたく、あまりに説明不測ということ。端的に言って、このままでは私たちは、この法案を納得できません。3つ目は、政治家たちへのお願いです」。

「私たちが独自にインターネットや新聞で調査した結果、日本全国で2000カ所以上、数千回を超える抗議が行なわれ、130万人以上の人が路上に集まって声をあげています。声をあげずとも、法案に疑問を感じている人はその数十倍もいるでしょう。我々の行動への誹謗中傷もありますが、私たちはこの国の民主主義の在り方について、真剣に取り組んでいます」。

「第2に各世論調査の平均値を見たとき、始めから過半数に近い人々が反対していました。『政府はきちんと説明していく』言うけれども、反対世論は盛り上がり、月日を追うごとに反対世論は拡大しています。政府は先に言った答弁とは全く違う説明を、翌日に平然と取り消している有様。このため政府の国会答弁を聞いて不安になり、抗議集会に足を運んでいるのです」。

自由で民主的な社会を望む 

「最後に、私個人の、1人の人間としてのお願いです。政治家はどうあるきかを考え国民の意見を聞いてください。・・困難な時代でも希望があることを信じて、私は自由で民主的な社会を望み、この安全保障関連法案に反対します」。

以上、明治学院大学4年生の的確・純粋な意見を紹介したが、このような若者の発言は鮮烈である。「18歳選挙権」時代への期待が膨らむ。

                                                                         (いけだ・たつお)毎日新聞OB。

 - 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
<裁判員研修ノート③>全告白『八海事件の真相(下)』<昭和戦後最大の死刑冤罪事件はこうして生まれた>③

  全告白『八海事件の真相』(下)   <死刑冤罪事件はこう …

no image
日本メルトダウン脱出法(574)◎「アベノミクス持続の条件」(浜田宏一)●「アリババ」 創業者・馬雲の不屈を見抜いた孫正義の慧眼

  日本メルトダウン脱出法(574)アベノミクスはいよいよ土壇場局面! …

★『世界漫遊・街並みぶらり散歩』★『ハンガリー/ブタペスト点描』★『世界遺産としてのブタペストの街はリスボン、パリ、プラハ、ワルシャワの美質を集約した深い憂愁さが漂う』

  2017/08/26  『F国際ビジネスマンの …

no image
『リーダーシップの世界日本近現代史』(283)★『新型コロナウイルス戦争について歴史的に参考にすべき日本インテリジェンス』★『日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(22) 『川上操六は日清戦争は避けがたいと予測、荒尾精の日清貿易研究所を設立しで情報部員を多数養成して開戦に備えた』

    2015/12/27日本リーダーパワー史( …

no image
日本メルトダウン脱出法(748)「コラム:大筋合意のTPP、経済効果は限定的か」●[FT]クリントン氏TPP反対、信用に傷(社説)●「米海軍、南シナ海での中国の領有権主張に対抗へ 人工島の12カイリ内に軍艦派遣(FT)」

日本メルトダウン脱出法(748)   コラム:大筋合意のTPP、経済効 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(104)/★『記事再録/<まとめ>日本最強の外交官・金子堅太郎ーハーバード大同窓生ルーズベルト米大統領を説得して、 いかに日露戦争を有利に進めたか、その驚異のディベート・テクニック』★『『ルーズベルト大統領は「旅順陥落」に大喜びー黙っていると”Silence is Consent”。 どしどし反論せよ』⑤』

     2015/01/22の連載記事 …

『Z世代のための日本の超天才人物伝③』★『約120年前に生成AI(人工頭脳)をはるかに超えた『世界の知の極限値』ー『森こそ生命多様性の根源』エコロジーの世界の先駆者、南方熊楠の方法論を学ぼう』★『「 鎖につながれた知の巨人」熊楠の全貌がやっと明らかに(3)』

前坂 俊之(静岡県立大学名誉教授)     奇人貴人2人の裸 …

『史上最大のジャーナリスト・徳富蘇峰(94歳)の研究』★『近世日本国民史』(戦国時代から徳川時代末(全100巻)と明治期の人物伝などは約500冊近い本を出版』★『その長寿人生作家論の秘密』★「体力養成は品性養成とともに人生の第一義。一日一時間でも多く働ける体力者は一日中の勝利者となり、継続すれば年中の勝利者、人生の勝利者となる』

    2018/6/01  知的巨人の百歳学(1 …

no image
日本メルトダウン( 974)『トランプショックの行方!?日本人は、「トランプ大統領」を甘くみている過去の「トンデモ発言」には信念がある』◎『トランプ当選で日米安保が直面する重い課題、異色の新大統領が進める外交政策に募る不安』●『  中国とロシアは、なぜ「トランプ支持」なのかー日本と米国の関係は非常にデリケートになる』●『日本人が知らない「トランプ支持者」の正体、米国人が「実業家大統領」に希望を託した理由』●『なぜドナルド・トランプは勝利し大統領になれたのかという「5つの理由」と「今後やるべき5つのこと」』●『中国・人民日報「歴史的な意義ある成果」 米・ニューヨーク・タイムズ 「反動への危機感強める習体制」』●『韓国で核保有論再燃 「自分たちで国守らねば」』●『自滅するフランス大統領:奈落の底へ  (英エコノミスト誌)』

   日本メルトダウン( 974) トランプショックの行方!?   日 …

『 F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(102)』★『パリ・モンパルナスぶらぶら散歩(2015/4/30-5/3)』★『モンパルナス地区の南方、メトロMouton-Duvernet 駅近くの食料品店は早起き、カラフルでアートな商店街とその陳列を楽しむ>』

逗子なぎさ橋珈琲テラス通信(2025/10/10/pm430) 2015/05/ …