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世界リーダーパワー史(935)ー『迷走中のトランプ大統領のエアフォースワン』★『米中間選挙の予備選挙は事実上、9月12日に終わったが、情勢はこれまでとは一変して民主党が上、下院を奪還する勢い!(世論調査の結果)』

      2018/09/16

  • 世界リーダーパワー史(935)ー

  • 中間選挙の情勢はこれまでとは一変して民主党が奪還か!

これまでは弾劾裁判を行う上院、下院のいずれも与党・共和党が過半数を握る現状では罷免のハードルは高いとみられていた。ごく最近でも「アメリカ中間選挙、民主党の上院奪還は「絵に描いた餅」か」(「ニューズウイーク」9月1日付)などの記事も出ているほどだ。

とくに、夏前までは「共和党が絶対多数の下院(下院(定数435)は、共和党236議席、民主党193議席などで、中間選挙では全議席が改選されるが、これをひっくり返すのは不可能」とみられていた。

ところが、情勢が一変してきた。

中間選挙とは新任大統領の信任投票である。いつの大統領選でも注目されるオハイオ州の補欠選挙が8月7日に行われたが、共和党が大接戦の末にわずか1%未満の僅差で民主党に勝利した。この地区は前回トランプ氏が11%の大差の支持を得ていた共和党の厚い地盤なので、共和党に衝撃を与えた。

この「共和党支持低下」の傾向は全米の世論調査でも明らかで、NBCとWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)が7月に実施した世論調査では、民主党支持が49%、共和党支持は43%と6ポイントの差がついた。

エコノミスト誌等の調査では26%の無党派層がいて、このうち民主党支持34%対共和党28%、また米政治Weサイトの「The Hill」によれば、トランプ氏の共和党内での支持率は90%だが、全国的支持率は43.1%。不支持52.9%だった。トランプ氏は共和党をまとめる力はあるが、それ以外の人々の反感が強く表れた。

9月12日、与野党の候補者を決める中間選挙の予備選は事実上終わった。

日経新聞(9月14日付)によると、米政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)の世論調査で民主党の支持率は47・6%(12日時点)。共和党は39・4%で、8ポイント上回る。民主党は一貫して優位を維持しており、米メディアの多くは全435議席が改選となる下院で「民主党は過半数の奪還を射程に入れている」

 

また、「ニューズウイーク電子版」(9月13日)「中西部でトランプ人気が低下、共和党も見放された──世論調査」によると、「中西部の世論調査では7月には40%だった大統領の支持率が今回は38%に低下、不支持率は55%まで上昇した。7月には共和党支持が42%、民主党支持が43%とほぼ拮抗していたが、今回は共和党の支持率が37%まで落ち込み、民主党なんと51%まで支持を伸ばした。原因はトランプ氏の中国などとの貿易戦争が中西部の農家や一部の自動車メーカーなどが大きな被害を与えていることだ、という

第二次大戦後の米大統領の中間選挙の歴史をみると、議会の共和党の議席を増やしたのは,2002年のブッシュジュニアしかいない。その理由は9・11とアフガン戦争から1年しか経っていなかったので、今回は民主党に振り子が大きく触れる現象が起きるのではないか、予測されるが、果たしでどうなるか、目が離せない。

 

トランプ氏支持、下落の兆し=無党派層が離反か-米中間選挙に影響も
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018091500371&g=use

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