前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(543)人質交換騒ぎで費やされる人的、政治的、経済的コストは天文学的

      2015/02/01

日本リーダーパワー史(543

サッカーアジアカップの準々決勝UAEでの敗北ぶり、

同時進行中のイスラム国人質事件での右往左往ぶり、

積年の病弊「農協改革」『TPP問題』に

『ガラパゴスジャパン病』(死に至る日本病)を考える(1/31

 

              前坂俊之(ジャーナリスト)

  • 1/31日、イスラム国人質事件が浮上してから約10日が過ぎた。この事件は日本のガラパゴスメディアが過剰報道しているグローバルメディア・Warゲームの様相を呈している。Wカップ、アジア杯のジャパンサッカーの報道と同じのり、応援団報道、チアーガル報道なのである。つまり、今起きている現象、事実の本質に迫り、事実に1歩2歩でも肉薄して真相に迫っていくという本来のジャーナリズムではなく、「サッカーでは勝ってほしい」「後藤さんを是非助けてほしい」という大合唱のジャーナリズム、期待過剰ジャーナリズムなのである。そして、太平洋戦争中の「大本営発表」報道と同じものである。

メディアは応援団席からの報道ではなく、事実を相手側からも多角的な視点で背景、原因、問題点本質に迫る報道が必要である。

アジア杯での日本の準々決勝敗退は「日本のスポーツジャーナリズムの敗退」であり、甘すぎる日本のサッカーフアンの問題にも帰着する。

 

アジアカップ敗退…セルジオ越後氏、露W杯出場を危惧「日本全体で自覚を」

http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20150124/274547.html

 

➁「後藤さんを是非助けてほしい」という大合唱のジャーナリズム、期待過剰ジャーナリズムー。

日本は「安全、安心」を国是にしている特異な国である。これ自体は悪いことではないが、世界の大半は危険に充ちており、戦争、テロ、貧困、死、生命の危機が日常茶飯事で、平和に暮らしていけない地域や国である。戦争地域ではいつ生命の狙われる、テロに襲われる、空爆そのたでなくなるかわからない地域であるが、世界の紛争地域をTV,ゲーム感覚でしか体感できないほど日本人は現実世界感覚を失っている。

F国際ビジネスマン」は「今度の事件は、個人の自由行動の結果と国家の救済という難題を浮き彫りにしたと思います」と次のようにコメントしている。(1/30)

http://www.maesaka-toshiyuki.com/blog/4404.html

「足許 人質交換騒ぎで日本中が沸騰しています。救出に費やされる人的、政治的、経済的コストは天文学的なものです。

個人の自由で私的な行動が、一国の内閣、官僚組織、そして国民に長時間、かなり深刻かつ精神的な打撃と苦痛を与え続けるのを見ますと、加害者のISILには当然ですが、二人の日本人に対しても 社会的未熟さ(責任感覚の欠如)、国際政治の不勉強、安直なヒロイズムなどを感じて内心腹立たしい気持ちに襲われるのは小生だけでしょうか?

人質交換の巧拙が一国の政治を転覆させる威力を持ち、自分がそれに関係する事も若しかしたらありうると予想していたでしょうか?

二人の行動は巨視的にも微視的にも著しく思慮を欠いたものと断ぜざるを得ず、その浅薄さを考えると国を挙げて救済する必要が本当にあるのだろうか、と考えるのは小生だけでしょうか?」

 

➂ さらに、『もともと縮みぐせの日本のペットTV,臆病ジャーナリズムはSNSや批判メール1つで、「ただの空気」に怯え、縮みあがって『いうべきこと』『いわなければならないこと』を言わず、ヘラヘラ笑い、食道楽番組のパレードになリ下がる。

  • 『イスラム国要求の死刑囚釈放の期限経過 「ゲーム終了」との見方も

http://jp.wsj.com/articles/SB12431244049710433766304580430304127077236?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

ヨルダンとイスラム国との交渉については、過激派グループを正当化し、さらなる誘拐を引き起こす恐れがあると懸念する向きもある。

過激派問題の専門家である米ノースイースタン大学のマックス・エイブラハムズ教授は「収監中の大物テロリストを釈放することは大変なことである。今後こうした要求が増える恐れがある」と懸念する。

[amazonjs asin=”B00S9D5A78″ locale=”JP” title=”イスラム国 テロリストが国家をつくる時 (文春e-book)”]

 - 戦争報道 , , , , , , , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
終戦70年・日本敗戦史(69)大東亜戦争開戦 「海軍航空隊、真珠湾の米艦船を猛爆」昭和16年12月9日 朝日(夕刊)

   終戦70年・日本敗戦史(69)  大東亜戦争開戦日の「朝日新聞紙面」 「海 …

『電子書籍 Kindle版』の新刊を出しました。★『トランプ対習近平: 貿易・テクノ・5G戦争 (22世紀アート) Kindle版』( 2019/09/23 ) 

  2019/09/23    米中二大大国の覇権 …

『Z世代のための90年前の<日本女性・子供残酷物語>の研究②』★『阿部定事件当時の社会農村の飢餓の惨状』女性の身売りが激増』★『売られた娘たち ~東北凶作の中で!』★『東北の農村などでは人身売買の悪徳周旋屋が暗躍した」( 玉の井私娼解放運動に取組んだ南喜一の証言)

2020/10/28 /記事再録再編集 「東北の凶作悲話ー娘の身売二百名」    …

no image
『オンライン/米日豪印対中国の軍事衝突は日清戦争の二の舞となるのか』★『日中韓の誤解、対立はなぜ戦争までエスカレートしたか」ー中国・李鴻章の対日強硬戦略が日清戦争の原因に。簡単に勝てると思っていた日清戦争で完敗し、負けると「侵略」されたと歴史を偽造する」

『 日本リーダーパワー史(614)』記事再録/日本国難史にみる『戦略思 …

no image
『中国紙『申報』が報道した『明治日本』―『朝鮮対策(上)朝鮮の壬午事変で、日本をどうなだめるか』(明治15年8月)❸

  『中国紙『申報』が報道した『明治日本』― 日中韓150年パーセプシ …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(58)記事再録/『日清戦争の引き金の1つとなった防穀令事件 <1889年(明治22)>とは』★『防穀令を布いて日本への穀物の輸出をストップし、朝鮮地方官がワイロを貪ったのが原因(林董の証言)』

  2016/04/24  /日本リーダ …

no image
『リーダーシップの世界日本近現代史』(292 )★『鈴木大拙は1945年『日本亡国の3つの『日本病』を上げた。そして、約70年後、大拙師のいう『日本病』を克服できなかったために、 3/11原発事故を引き起こし、日本は再び沈没中である。

  2012/06/19  日本リーダー …

★『 オンライン講座/世界一成功した外交術<日露戦争勝利の秘密> 金子堅太郎の最強のインテジェンス(⑨終』★『日英同盟なのに英国は日本のために働かない』●『ポーツマス講和条会議始まる』★『大統領に条約案をみせて相談、ー『償金やめて払い戻し金に』●『談判決裂を心配したル大統領―3人委員会をつくる』

2017/06/28日本リーダーパワー史(837)(人気記事再録) 『外交交渉の …

 日本リーダーパワー史(820)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、 インテリジェンス㉟『日本史決定的瞬間の児玉源太郎の決断力⑦』★『日英同盟によって軍艦購入から日本へ運行するまで、英国は日本を助けて、ロシアを妨害してくれたことが日露戦争勝利の要因の1つ』●『児玉、山本権兵衛の『先見の明』と『最強のリーダーシップ』の証明でもあった。』

 日本リーダーパワー史(820)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」し …

no image
『世界サッカー戦国史』②ー『W杯ロシア大会と日露戦争(1904)の比較』★『児玉源太郎参謀次長と西野新監督の戦略論は的確』★『W杯日露戦争で10対0で最強ロシアを破った児玉の戦略と東郷平八郎の決定力(1発必中の砲は100発一中の砲に勝つ)』

  W杯ロシア大会2018と日露戦争(1904)の戦略を比較すると、 …