前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『Z世代への歴史の復讐問題③』★『明治維新・大政奉還は西郷隆盛と勝海舟の話し合いで平和裏(江戸城無血開城)に解決した』★『明治維新は世界にも例のないほどの「話し合いによる民主的、平和革命」★『明治維新(1868年、死者約3万人)、米南北戦争(1861 ―65 、約 62 万人)、米第2次世界大戦(約40万人)、フランス革命(1789 ―99、約200万人と比べる』

      2024/10/26

  
2024年10月7日、パレスチナガザ地区、ハマス対イスラエル戦争が1年経過したが、イスラエル軍による病院空爆などで多数の市民に犠牲者が出ており、戦闘はイスラエルの隣国レバノンにも拡大している。イスラエル軍の発表ではこの1年間で、殺害した戦闘員は推定で約1万7000人に上る。一方、ハマスは7日、声明でイスラエル軍が凶悪な犯罪と虐殺を繰り返し、1年間で4万1000人以上を殺害し、そのほとんどが女性と子どもだと主張している。ガザ地区での死者について、地元の保健当局は4万1909人が死亡したという。
「ガザ戦争」の死傷者数は5月13日現在では、死者数は3万5034人、負傷者数は7万8755人に上る。

●各国での革命、内戦の死者数を比較するとー。

明治維新(1868年)の犠牲者数は戊辰戦争を通じて約1万2千人、西南戦争で約1万5千人ほどだ。
一 方、ほぼ同時代の南北戦争(1861 年から 1865 年)の戦没者数はアメリカ史上最大の約 62 万人、第2次大戦での米死者数は約40万人でその1,5倍となり驚かされる。
また、「自由・博愛・平等」の近代民主主義の理念を唱えたフランス革命(1789 – 1799)では、内乱やその後のナポレオン戦争も含めると、約200万人もの 多数の死者を出している。
こうして比較すると、明治維新は鉄砲やギロチンによる「流血の革命」ではなく、江戸城無血入場で江戸(当時の住民は約100万人)を火の海にすることもなかった、世界にも例のない「話し合いによる平和的・無血革命」であることが分かります。
以下、勝海舟が「氷川清話」でその内幕、西郷隆盛の言動を語る。めちゃ面白いよ。

西郷隆盛の人間性

□坂本竜馬が、かつておれに、先生はしばしば西郷の人物を賞賛されるから、私も行って会って来るから、添書をくれといったから、早速、書いてやったが、その後、坂本が薩摩(鹿児島)からかえって来ていうには、なるほど西郷という奴は、わからぬ奴だ。少しく叩(たた)けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く。もし馬鹿なら大きな馬鹿で、利口なら大きな利□だろうといったが、坂本もなかなか鑑識のある奴だよ。

西郷に及ぶことのできないのは、その大胆識と大誠意とにあるのだ。おれの一言を信じて、たった一人で、江戸城に乗込む。おれだってことに処して、多少の権謀を用いないこともないが、ただ、この西郷の至誠により、おれをして西郷を欺(あざむ)くことができなくなった浅はかな策略をするのは、かえってこの人のために、 腹の中を見すかされるばかりだと思って、おれも至誠をもってこれに応じたから、江戸城受渡しも、あの通り立話の間に済んだのさ。

西郷は、今いう通り実に漠然(ばくぜん)たる男だったが、大久保は、これに反して実に「截然」(せつぜん=区別が付く、はっきりした)としていたよ。官軍が江戸城にはいってから、市中の取締りがはなはだ面倒になってきた。これは幕府は倒れたが、新政が未だできていない、ちょうど無政府の姿になったのさ。しかるに大器量のなる西郷は、意外にも、実に意外にも、この難局をおれの肩に投げかけておいて、行ってしまった。どうかよろしくお頼み申します、後の処置は、勝さんがなんとかなさるだろうといって、江戸を去ってしまった。

 

この漢然たる「だろう」にはおれも閉口した。実に閉□したよ。これがもし大久保なら、これはかく、あれはかくと、それぞれ談判しておくだろうに、あまり漢然ではないか。しかし、考えてみると、西郷と大久保との優劣は、ここにあるのだよ。西郷の天分が極めて高いゆえんは、実にここにあるのだよ。

「Z世代のための日本最強リーダーパワーの勝海舟(75)」
 

西郷は、どうも人にわからないところがあったよ。大きな人間ほどそんなもので……小さい奴ななら、どんなにしたってすぐ肛の底まで見えてしまうが、大きい奴になるとそうでないの―。

西郷のことはこれまでたびたび話した通り、その胆量の大きいことは、いわゆる「天空海濶」(てんくうかいかつ)= 天や海が無限に広いことから、広い心をもっていることをたとえ)で、見識ぶるなどいうことは、もとより少しもなかった。

あの人見寧(本名人見 勝太郎)(1843-1922)が若い時分に、おれのところへやって来て、「西郷に会いたいから紹介状を書いてくれ」といつたことがあった。ところが、だんだん様子を聞いてみると、どうも西郷を刺しに行くらしい。そこでおれは、人見の望み通り紹介状を書いてやったが、中には『この男は足下を刺すはずだが、ともかくも会ってやつてくれ』と認めておいた。

 

それから人見は、じきに薩州へ下って、まず桐野に面会した。桐野もさすがに眼がある。人見を見ると、その挙動がいかにも尋常でないから、ひそかにかの西郷への紹介状を開封して見たら、果たしてこの始末だ。さすがに不敵の桐野も、これには少しく驚いて、すぐさま委細を西郷へ通知してやった。

 

ところが、西郷はいつこう平気なもので、「勝からの紹介なら会って見よう」ということだ。そこで人見は、翌日、西郷の屋敷を尋ねて行って、「人見寧がお話を承りにまいりました」というと、西郷はちょうど玄関に横臥していたが、その声を聞くと悠々と起きなおって、「私が吉之助だが、私は天下の大勢なんどいうようなむつかしいことは知らない。まあ、お聞きなさい。先日、私は大隅の方へ旅行したその途中で、腹がへってたまらぬから、十六文で芋を買って食ったが、たかが十六文で腹を食うような吉之助に、天下の形勢などいうものが、わかるはずがないではないか」といって大口を開けて笑った。

ところが、血気の人見も、この出し抜けの話に気を呑まれて、殺すどころの段ではなく、あいさつもろくろくせずに帰って来て、「西郷さんは、実に豪傑だ」と感服して話したことがあった。

知識の点においては、外国の事情などは、かえっておれが話して問かせたくらいだが、その肝っ玉の大きいことは、この通りに実に絶倫で、議論もなにもあったものではなかったよ

『勝海舟(76歳)の大国難(徳川滅亡→明治維新を平和裏に遂行)突破力を学ぶ

 - 人物研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『オンライン講座/ロケットの父・糸川英夫の加齢創造学』★『人間の能力は6,70歳がピーク』★『基礎体力と生産効率は関係がない』★『老人を食いものにする老人産業は日本だけ』 ★『若い内から継続的に自己啓発の習慣を身につける』★『若さの秘訣は自分に適当な負荷をかけること』★『人生の針をゼロに戻して、謙虚になること』

    2012/04/11 &nbsp …

no image
日本リーダーパワー史(880)-『明治裏面史』★『幕末から明治の日露戦争勝利までの約50年間は「西郷隆盛・従道兄弟政権時代」であり、日本大発展の『坂の上の雲」を築いた。

  日本リーダーパワー史⑤ 明治以来、最高のリーダーは誰だ!?西郷従道 …

『オンライン天才養成講座/エジソンの発明術を学ぶ』① 『エジソン、福沢諭吉からの警告』★『天才、リーダーは学校教育では作れない』★『秀才、優等生よりは、落ちこぼれ、落第生の方が天才になれるのよ』 

2014/07/17     2018/ …

no image
世界リーダーパワー史(40) 『世界の偉人の最期/中国共産革命を実現した毛沢東と周恩来のコンビの最後の葛藤』★『人民に愛され現役総理 のまま逝った不倒翁/周恩来』★『周恩来は「死んだら火葬にして、その灰を全国土に撒いてほしい」と遺言した』

    2010/02/19 「 リーダーパワー史 …

『Z世代のための  百歳学入門』★『日本超高齢者社会の過去から現在の歴史②』★『80年前までは人生わずか50年だった日本』★『創造力は年齢に関係なし、世界の天才老人、夭折の天才少年の年齢調べ』

2024/10/18/記事再録再編集    百歳学に学ぶ健康 …

no image
『 明治150年★忘れ去られた近現代史の復習問題』―『治外法権の国辱的な条約改正案』●『長崎』清国水兵事件に続いてノルマントン事件が連発

 『忘れ去られた近現代史の復習問題』―   国辱的な条約改正 ノルマントン号事件 …

no image
『釣れなくてよい日記②』―カヌーはミズスマシ、初夏の早朝ジョギングは最高じゃ、鎌倉沖プライベート・シーを楽しむ

『釣れなくてよい日記②』―カヌーはミズスマシ、初夏の早朝ジョギングは最高じゃ 『 …

『60,70歳のための<笑う女性百寿者>の健康長寿名言集①』★『世界一の女性長寿者はフランス人のジャンヌ・カルマン(122歳)さん』★『その食事は野菜が嫌いで「赤ワイン」と「チョコレート」が大好き。この2つを生涯欠かさず食べ、1週間に1㎏近いチョコレートを食べていた。』

ジャンヌ・カルマン(1875年2月21日ー1997年8月4日、122歳) ところ …

★『Z世代のための日本政治史講座㉒』★『歴代”宰相の器”とな何か!』★『日本の近代化の基礎は誰が作ったのか』★『わしは総理の器ではないとナンバー2に徹した西郷従道』★『なんでもござれと歴代内閣に重宝されて内務大臣三回、海軍大臣七回、陸軍大臣(兼務)一回、農商務大臣などを歴任、縁の下の力持ちに徹し、有能人材を抜擢した』

     2012/09/09 &nbs …

『Z世代のための生き方死に方講座』★『生死一如ー 鈴木大拙師(96歳)の老生学』★『今日から明日へ、今年から来年へと、将来に希望をかけることが私の九十三歳の健康法だ』●『特別に健康のことを考えて暮らすわけではないが、過去のことは考えんな。いつも未来のことを考えておる。あれをしなくてはならぬ、これをしなくてはならぬとな』

2017/03/30   百歳学入門(171)-「 …