近現代史の重要復習問題/記事再録/「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、インテリジェンス⑦」★『人間、万事金の世の中、金の切れ目が縁の切れ目、これが資本主義のルール』★『米中覇権争いもGAFA、国家、企業、個人の盛衰、格差拡大、階層の二分化もこの原則に従う』
「国難日本史の歴史復習問題」ー 『山座円次郎の外交力』●『山座が「伊藤公を叩き殺さにゃいかん」と吠え 伊藤はカンカンに怒った』★『即時開戦論に山本権兵衛海相は「貴様のいう通りだが、戦争には二十億の金が要る、金はどうしてつくるのか」と一喝され、ぎゃふんとなった」
「国難日本史の歴史復習問題」ー「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、リスク管理 、インテリジェンス⑦」
★『山座円次郎の外交力』山座が「伊藤公を叩き殺さにゃいかん」と吠え、伊藤はカンカンに怒った。
小村寿太郎外相は当時、山座と本多を最も信任し、対露問題については次官の珍田捨巳や通商局長石井菊次郎を相手とせず、対露交渉に関する閣議の模様をいちいち山座政務局長に話して聞かせていた。ある時、山座が小村から聞いた閣議の模様を上泉に語って、「山本権兵衛海相は弱腰だ、権兵衛はだめだぞ」といった。
「よしそれでは大臣を鼓舞しよう」と上泉は山本海相に談判する役目を引きうけ、訪問して、即時開戦論を力説すると、山本は、「貴様のいう通りだが、戦争には二十億の金が要る、金はどうしてつくるか」と逆襲した。
「そんなことは私達の知ったことではありません。戦費のことは貴方たちが工面するのが当然で、とにかく一日も早く戦争をやって下さい」「モウいいわかった、帰れ」と叱られた。それからは幾度訪問しても戦費の問題で追いかえされる始末だった。
●「伊藤公を叩き殺さにゃいかん」と吠えた。
一方、即時開戦論の山座も気が気じゃなく、旧藩主黒田家に何事かで招かれた際、伊藤の軟弱を憤慨し、酔ったまぎれに「伊藤公を叩き殺さにゃいかん」と吠えた。ところが、そこに居合わせたのが玄洋社はじめ福岡の豪傑連だからたまらない、伊藤を血祭りにしろのとの叫びは急に盛り上がった。
神戸市では伊藤の銅像を海に投げ込むという騒ぎがあった。それがどういう経路を通じてか伊藤公の耳に入ったのでたまらない。伊藤はカンカンに怒り、さっそく小村外相を呼びつけて「君の部下の山座は怪しからぬ男だ、吾輩を叩き殺さにやいかんといったそうだ」と激怒した。小村もこれには閉口して山座にただしてみると、
「事実そんなことをいったに相違ない」という答え、小村は、「それでは一度伊藤公のところへ行って謝まって来い」と命じた。山座は仕方なく相密院議長官舎へ伊藤を訪問した。伊藤は山座を応接間に通して、山座が例の問題で陳謝するのを予期しつつ平素のごとくワインを独りで傾け始めた。
しかし伊藤は自分だけ飲んでいっこう山座にすすめる風もないのでちょっと手持ち無沙汰していた山座が、やがて率直な本性を発揮して、「私もお相伴しましょう」と自分から手を出し遠慮なく飲んだ。やがて陶然と酔ったころ、今まで黙って飲んでいた山座は彼一流のぶっきらぼうな調子で
「実は先日、ちょうどこんな気持であなたを叩き殺せといいました……」と失言問題を持ち出して謝罪して帰って来た。
外務省の役人でありながら、酔った勢いで「伊藤を叩き殺せ」との暴言を吐いた気持ちの底には、是が非でもロシア暴走を膺懲しなければという不退転の決意があった。そのために、玄洋社などの民間志士にも外交の秘密をもらし陸海軍の青年将校とも湖月会によって気脈を通じて外交をリードしていった。
山座は、外交官志望の東大に入ったばかりの郷土の後輩・広田弘毅(のちの首相)にいつもこう話していた、という。
「山座氏が先づ私たちに教へたことは支那とロシアの研究であった。我の外交の中心は、どうしても支那とロシアである、外交官たらんものは先づロシアと支那の事情を研究すべきである』と
関連記事
-
-
日本メルトダウン(957)『討論初戦はヒラリー圧勝、それでも読めない現状不満層の動向』●『「日本のせいで巨額の金を失った」とトランプ氏、ヒラリー氏と初の直接対決で日米安保に言及』●『戦略なき日本の「お粗末」広報外交』●『安倍首相の呼びかけで自民議員が一斉に起立・拍手 「北朝鮮か中国」と小沢一郎氏が批判』●『東大、またアジア首位逃す 世界大学ランキング』
日本メルトダウン(957) 討論初戦はヒラリー圧勝、それでも …
-
-
産業経理協会月例講演会>2018年「日本の死」を避ける道は あるのか-日本興亡150年史を振り返る①
<産業経理協会月例講演会> 2013年6月12日 20 …
-
-
日本の最先端技術「見える化」チャンネル(6/25-27)②ものづくり大国日本は3Dプリンタ のシェアは3.3%と完全に出遅れ
●<日本の最先端技術の「見える化」チャン …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(154)再録/『昭和戦前の大アジア主義団体/玄洋社総帥・頭山満を研究せずして日本の近代史のナゾは解けないよ』★『辛亥革命百年⑬インド独立運動の中村屋・ボース(ラス・ビバリ・ポース)を全面支援した頭山満』★『◇世界の巨人頭山満翁について(ラス・ビバリ・ボースの話)』
2010/07/16 日本リーダーパワー史(7 …
-
-
『Z世代のための<憲政の神様・尾崎咢堂の語る「対中国・韓国論⑦」の講義⑮』★『本邦の朝鮮に対して施すべき政策を論ず』★『朝鮮の独立を認め、日本を敵視せず、トルコ、ベトナム、清仏戦争の失敗に学ばねば、清国は滅亡する(尾崎の予言)』
2018/02/14 『本邦の …
-
-
日本リーダーパワー史(153)国難リテラシー⑩「「すべての生物は逆境の時だけに成長する」(糸川英夫)
日本リーダーパワー史(153) 国難リテラシー⑩「すべての生物は …
-
-
日本メルトダウン脱出法(710)「日本人だけが8月15日を「終戦日」とする謎」「日中関係改善は独仏の経験から学べ!」
日本メルトダウン脱出法(710) 日本人だけが8月15日を「終戦日」とする謎―― …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ(72)』「競争力の源泉は若者のアドベンチャー精神だが、 東大生の保守的現状は」
『F国際ビジネスマンのワールド …
-
-
日本メルトダウンの脱出法(546)「防衛を巡り同盟国が米国を非難リスク」(英FT紙)「国益を毀損させ続けてきた東大の重罪軍事」
日本メルトダウンの脱出法(546) <2 …
