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「2019年の世界はどうなる」ー『栄枯盛衰、勝者必滅は世の習い』★『地政学的不況から世界的不況へのミステリーゾンへ』突入か!? 

      2019/02/02

 

「2019年の世界はどうなる」ー栄枯盛衰は世の習い              

2018年12月末、ニューヨーク株式市場は1930年以来の第2番目という大暴落「トランプ株安」となった。年間下落幅は金融危機が起きた2008年(33・8%)以来10年ぶりの大きさ。正月明けにやっと株価は上昇に転じたが、その後も疑心暗鬼の不安定な値動きが続いている。

米中貿易戦争の交渉の結果,米国の関税25%引き上げるかどうかの決定期限は3月1日。英国ブレグジットのEU離脱期限も3月末と刻々と迫っている。果たして2019年はどんな年になるのか。

「Gゼロ」(G7を構成する主要先進国が指導力を失い、G20も機能しなくなった国際社会)後を予測した米政治学者イアン・ブレマー氏は2019年の世界10大リスクを発表した。

  • 悪い種子

(2)米中関係

(3)サイバー空間での抗争激化

(4)欧州で広がるポピュリズム

(5)米国の内政混乱

(6)イノベーションの停滞

(7)リベラルな世界秩序に反対する連合体

―なとなっている。

 

近い将来に世界を崩壊に導きかねない危機の「悪い種子」が各国・地域に植え付けられていることが第1位になった。地政学的環境は「ここ数十年間で最も危険」な状況で「地政学的不況」に襲われると指摘する。

「ブレグジツト(英国のEU離脱)や欧州の弱体化、中国の台頭など、中長期的には極めて懸念すべきリスクだ。今後、経済不況になれば、地政学的にも最悪の事態が訪れ、本当のリスクが顕在化する」(毎日1月8日朝刊)

英下院は1月15日夜、メイ首相が提案したEUからの離脱協定案を圧倒的大差で否決した。新たな交渉、再国民投票など残された選択肢はあるもの、英国議会の「決められない政治混乱」では3月29日期限の「合意なき離脱、漂流」は秒読み段階に入ったといえる。栄枯盛衰は世の習い。19世紀に世界を支配した大英帝国の決定的な没落の瞬間である。結局、離脱派の勘違いはEUを離れてより条件のよい貿易協定を世界各国と結ぶことだったが、いまや人口6500万人しかなく、EUを失う英国の孤立無援は、どの国にとっても魅力度、優先度の低い相手になってしまったことに英国人は気づいていない。

 

一方、1月3日に米連邦議会が招集されたが、ねじれ議会で、メキシコの壁建設予算をめぐって下院を握った民主と共和党が激しい舌戦が展開されている。スキャンダルまみれのトランプ大統領に対しては、ムラー特別検察官からのロシアゲート事件の捜査報告書は3月までに下院に提出されると見込みで、民主党の徹底追及で弾劾訴追の審議は延々と続き、米政府と議会の機能不全で米政界は再び「決められない政治」に逆戻りして、一層の外交の停滞は必至である。トランプ政権は米国の没落、転落の道を歩み続けている。

 

米中貿易戦争と並行してファーウェイ事件の米中5G覇権争いが起きている。

「ファーウエー」(華為技術)は5G、スマホの世界トップ企業で、すでに世界の5G市場の主導権を握っており、これまで米国が独占していたハイテク、IT,4Gの世界が脅かされている。

習近平主席の「一帯一路」計画(世界経済圏構想)の情報インフラ整備はファーウェイなどが担当、グーグル、アップルなどの外国勢を排除し、中国13億人と親中国とが連携して、米国の覇権に対抗。スマホ、監視カメラ、顔認証システム、キャッシュレス社会を構築、すべての個人情報を収集する閉じられた「超監視社会」をつくり、欧米覇権の世界秩序に対決している構図である。

3月1日期限の米中貿易戦争に対しては習近平氏は『中国製造2025』の見直しを指示、外国企業の参加を認めるなどの修正案をつくっている。苦境に立たされた習主席は「毛沢東の自力更生の精神を見習って奮闘せよ」と国民、企業にハッパをかけているが、米国との妥協が成立するかどうかは不透明だ。

結局、英国の没落、米中2大覇権国の争い、ロシア、EC,日本などの周辺国のせめぎあい、興亡史を眺めていると、先人たち、賢人たちのことわざが蘇ってくる。

➀万物は流転する②栄枯盛衰は世の習い②国も企業も内部から崩壊する。➂金の切れ目が縁の切れ目④「最も力の強いもの、頭のいいものか生き残るのではない。変化に対応できるものだけが生き残る」(ダーウィン)④いつまでも、あると思うな親とカネと若さ。いつまでも、ないと思うな、死病、借金、苦労―などなどの格言である。

果たして、2019年はどんな年になるのか。世界経済に暗雲が立ち込める今年は安倍地球儀外交の総決算の年となるだろう。G20が6月28,29日に大阪で開かれる。TPP11は12月30日発効した。2月l日にEUとの経済連携協定(EPA)も発効、世界の国内総生産(GDP)の4割弱を占める巨大貿易圏が誕生し、保護主義の大波を食い止める防波堤の役割を果たす。

G20では日本がはじめて議長国を務めてまとめ役の重責を担う。安倍首相が議長国としてEUと手を組んでリーダーシップを発揮するチャンスであろう。トランプ大統領との親密な関係をテコにして米中の間の仲介、説得役に成功すれば「世界経済のリセッション入り」を防ぐこともできる。貿易不均衡は2国間の交渉では解決できない点が多いため、多国間、世界全体で問題を捉えて見直すという構造面の改善、WTOの改革に取組に議長声明を出すなど安倍首相の腕の見せ所だ。

 - 人物研究, IT・マスコミ論

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