前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(849)-『安倍首相の「国難突破解散」は吉と出るか、凶と出るか、いずれにしても「備えあれば憂いなし」③ 』★『戦後の日本人は「最悪に備える」態度を全く失ってしまった。』★『「ガラパゴスジャパン」(鎖国的、伝統的、非科学的、非合理的な日本思考)から脱さなければ、未来(希望)の扉は開けない』★『明治維新、倒幕の原因の1つとなった宝暦治水事件』

      2017/09/29

日本リーダーパワー史(849)

 安倍首相の「国難突破解散」の判断は吉と出るか、

凶と出るか、「備えあれば憂いなし」

 

民進党や一部のメディア(新聞、テレビなど)が「森掛疑惑隠し解散」「大義なき解散」などと主張、解散に反対していた。

しかし、これは「木をみて森をみず」の視野狭窄の態度である。狭い狭い「永田町政治」だけを見て、「第2次大戦以降最大の国際政治激変期」という世界情勢の地殻変動が見えないのである。というよりは、あえて見ない、目をつぶる。
江戸時代は『地震、雷、火事、オヤジ』が怖い順番だった。カミナリが鳴り出すと、いつもは威張っているオヤジどもは、急に震えだして、子供には「おへそ」を取られるよ、としかりつけ、一緒に『布団をかぶって、クワバラ、クワバラ」とブルブル震えていた、という。

(この解説*大宰府に流された菅原道真が、憤死して雷神と化し、復讐をしたと言われています。 この時、道真の故郷にあった「桑原」にだけは、雷を落とさなかったそうです。 後に、雷除けのおまじないとして「くわばらくわばら」と唱えるようになった、ことからきている。)

つまり、江戸時代の封建的な迷信『ガラパゴス思考』がいまだに日本では根強く生き延びている。

カミナリ,天気,気象については、ほぼ同時期の、米国の独立宣言起草委員のベンジャミン・フランクリンhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3

はもともと科学者であり、カミナリで電気が発生すること、そのカミナリよけの避雷針を1752年(宝暦2)に発明しているのです。つまり、アメリカでは科学的合理主義思想が発展していたのに、日本では鎖国思想、迷信の世界に埋没し非合理的な封建主義から目覚めていなかったのです。

ちなみに歴史的因果関係にふれますと、この2年後の1754(宝暦4)年には幕府の命令で薩摩藩は木曾川の堤防工事に従事させられます。 この難工事で、完成に10年以上を要して100人以上が死傷して、藩を揺るがす膨大な出費、経費が薩摩藩を揺るがす危機に陥ります。

宝暦治水事件https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9D%E6%9A%A6%E6%B2%BB%E6%B0%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6

これに恨み骨髄の薩摩藩は、この時、内心で『討幕の怨念に』に火が付いたのです。

https://bushoojapan.com/tomorrow/2016/04/14/74041

さて、話が脱線しましたが、日本全体にいまも抜きがたい「ガラパゴスジャパン主義」(鎖国的、伝統的、非科学的、非合理的な日本思考)があります。政治しかり、経済しかり、マスコミしかりです。

いうまでもなく、

日本は世界の中の日本で有り、アジアの中の日本である。日本だけの日本ではない。こうした日本しかみない思考が『ガラパゴスジャパン』そのものなのです。

政治家の最低の条件とは国家リスクを常に念頭におくことである。「森戸学園」「加計学園」などの問題は、総理側との金のやり取りや国の不正な関与の疑惑があれば、それは刑事事件であり、検察の捜査に任せばよい国内問題であろう。

北朝鮮問題は国の存亡に関する重大問題で、森戸学園、加計学園問題などとは比べものにならない。この自明な小問題にあくまで固執する民進党の知的狭窄症には、これまでもそうだったが、あきれ返る。

北朝鮮は水爆実験、核搭載ICBMの実験成功を世界中に誇示、豪語して、アメリカ本土を攻撃する、もちろん日本も壊滅させると脅迫してはばからない。

個人がこのような脅迫メール、言葉を吐けば、即逮捕されるネット社会である。国連安保理の反対、国際社会の反対を完全無視して、強行する『テロ国家」「ならず者国家」の暴走、脅迫を、回りは『ハラハラ、ドキドキ」、右往左往しながら見守っている。

日本はさしずめ『布団をかぶって、クワバラ、クワバラ」とブルブル震えて、雷が通過するのを神頼みしている状態にちかい。

「ホントか、ウソか」『本気か、クレイジーか』-北朝鮮のいつもの誇大宣伝、大風呂敷ではないのか、いや既に核搭載ICBMをもったのは事実である、とかメディアでも侃々諤々の論議が続いているが、テレビの芸能ニュースのノリで、お茶の間のゴシップにしていて、いい問題ではない。

 1945年以来、戦後の日本人は、「最悪に備える」態度を全く失ってしまった。最悪を想定するのを怖がって、目をつぶり、忘却するのである。

忘却したからと言って、事故は必ず起こる。その結果、備えがなければ3・11の福島原発事故のように、最悪のケースに直面して、右往左往の大混乱をきたす。

政治家、リーダーの心得は、平素から万一将来起こるかもしれない不測の事態に備え、危機管理の原則、方法論を作って、最悪に備えることであろう。

そうした態度は今の政治家には全く消えてしまった。

≪危機管理の第一条≫

トップリーダー、首相の国家リスクの心得は「リスク計算して最悪に備える」「悲観的に準備し、楽観的に実施せよ」ということだ。さらに、もし、最悪の被害が生じたときには、それへの対応措置を講じてその被害を局限して,宰出来るだけ小さくとどめる措置を講じることーが必要であろう。

北朝鮮問題は今後どうなっていくのか、全く予断を許さない、核搭載のICBMの備えがなければ、対処を誤れば日本の被害は甚大なものになる。今回の選挙は『国家リスク』を考える選挙にしたい。

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究, IT・マスコミ論 , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本リーダーパワー史(618) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』 ⑫『福島安正のインテリジェンスが日清,日露戦争の勝利の主因①わが国初の国防書「隣邦兵備略」を刊行、清国の新海軍建設情報 を入手、朝鮮を属国化し大院君を強引に連れ去った

日本リーダーパワー史(618)  日本国難史にみる『戦略思考の欠落』 ⑫ 『福島 …

no image
『米中新冷戦時代に突入しているが、中国の思想・行動パターン(中華思想)を理解するためには清国新聞『申報』で150年前の日中韓対立戦争史の論説を読むとよくわかる』★『前坂俊之HPで「申報」の検索結果は 153 件あるので見てください。』

●前坂俊之HPで「申報」の検索結果 153 件ある、ので見てください。 http …

no image
日本メルトダウン脱出法(754)「仏学者エマニュエル・トッド「VW事件から見えてくるドイツ最大の弱点」 ●「世界で最も稼ぐ作家ランキング「年収110億円」の68歳がトップに」●「世界で最も稼ぐユーチューバー,1位は年収14億円」

日本メルトダウン脱出法(754)   緊急インタビュー!仏学者エマニュ …

『オンライン憲法講座/憲法第9条(戦争・戦力放棄)の発案者は一体誰か④』★「マッカーサーによって押し付けられたもの」、「GHQだ」「いや,幣原喜重郎首相だ」「昭和天皇によるもの」―と最初の発案者をめぐっても長年論争が続き、決着はいまだついていない』★『憲法問題の核心解説動画【永久保存】 2013.02.12 衆議院予算委員会 石原慎太郎 日本維新の会』(100分動画)

   2006年8月15日/『憲法第9条と昭和天皇』記事再録 …

no image
日本メルトダウン脱出法(589)『アベノミクスの挫折で深まる安倍政権の危機』「人口が急増する世界、日本が選ぶべき針路」

   日本メルトダウン脱出法(589)   &nb …

『Z世代のための日本の超天才人物伝⑤』★『生成AIをはるかに超えた『世界知の極限値』・南方熊楠先生の書斎訪問記(酒井潔著)は目からウロコ②』★『大英博物館をわが書庫にして8年間、研究三昧で世界一の読書家に』★『東大あたりの官学者が、わしをアマチュアだ言うが馬鹿な連中だ。アマチュアではなく、英国でいうリテラート(独学で叩き上げた学者)で英国では大いにもてたよ』

  2015年4月29日の記事再録、編集 酒井潔著の個人雑誌「談奇」( …

『Z世代への昭和史・国難突破力講座③』★『吉田茂の国難突破力』★『GHQ草案を受入れるかどうか「48時間以内に回答がなければ総司令部案を発表する』★『 13日、日本側にGHQ案を提出、驚愕する日本政府』

2021/06/24日本リーダーパワー史(356)<日本の最も長い決定的1週間> …

no image
日本メルトダウン脱出法(678)「2020年9.4兆円の赤字」を大幅に減らす方法」●「「想定外」を一蹴 IAEA報告書 「国際慣行に従わず」批判

 日本メルトダウン脱出法(678) 「2020年9.4兆円の赤字」を大幅に減らす …

★『大爆笑、メチャおもろい日本文学史』⑤『アイヌ「ユーカラ」研究の金田一京助はメチャおもろい』講義は人の3倍の情熱、純情一直線の金田一先生』

  2016/02/21 『大爆笑、メチャおもろい日本文学史 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールドウオッチ③』ー「原子力発電所の新設計画の英政府の狙いが頓挫」BBC NEWS(3/29) 

日本のメルトダウン(278) 『F国際ビジネスマンのワールドニュース・ウオッチ③ …