前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(802)ー『明治裏面史』★ 『「日清、日露戦争に勝利』した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、インテリジェンス⑱『10年以上続く北朝鮮核開発疑惑の無軌道行動に、国連安保理は手を焼いているが、100年前のロシアの極東への侵攻経緯,日露戦争の原因となった満州撤兵の約束無視と朝鮮への侵攻とダブって見える』★『『ロシアの恫喝外交』対『日本の交渉下手、我慢我慢外交』のすれ違いから、ついに堪忍袋を緒をきって、先制攻撃するパターンが日本の戦争のやり方』

   

 日本リーダーパワー史(802)ー『明治裏面史』★

『「日清、日露戦争に勝利』した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、

インテリジェンス⑱

 

1903年(明治36)年6月23日、対ロシア交渉についての第一回御前会議が開かれたが、これから開戦(翌年2月)までの半年間の経緯を詳細にみていくことにする。

『ロシアの恫喝外交、強圧外交』対『日本の交渉下手、面と向かって相手を罵倒しない外交、我慢外交』のすれ違いから、隠忍自重をかさねてついに堪忍袋を緒をきって、先制攻撃するのは、満州事変、真珠湾攻撃とも同じパターンで日本の戦争のやり方なのである。

ケンカの仕方、果し合い、決闘のル方法については、各民族や国によってそれぞれ異なるが、日本の戦争のやり方は『日露交渉』によく表れている。ユーラシア大陸の上半分を侵略して、植民地にした『大膨張ロシア帝国』の外交、戦争法もこの中に見て取れる。

現在進行中の米・北朝鮮対立のチキンレースをみても、北朝鮮のわめきちらし外交(害交)、弱者が凶器を振り回し

、核を持っているぞ、そちらが攻めてくると核兵器で殲滅するぞと怒鳴り散らして、威嚇してくる倒錯風景が続いている。

この10年以上続く北朝鮮の野放図、無軌道ぶりについては、国連安保理も手を焼いているが、100年前のロシアの極東への侵攻、満州撤兵の約束無視の行動とダブって見える。

米国・トランプ大統領は北朝鮮の暴走を現段階では我慢しているが、いつまでこの「チキンレース」が続くのか、目が離せない。

 

話を戻す。

 ロシアが満州に軍事進攻し、事実上の占領を行い、さらに韓国内に侵入した結果、日本の権益を侵害し、わが国の存立基盤に重大な脅威となったことを国民はひしひしと感じた。対ロシアに対する批判的な国論はいよいよ高まりし、政府の軟弱外交への非難もエスカレートした。

このため、1903年(明治36)年6月23日、対ロシア交渉についての第一回御前会議が開催され、

、露国が約束に背き、満洲、遼東半島の兵力を撤兵しないので、この機を利用して数年来解決することの出来なかった韓国問題を解決すること。

韓国問題は如何なる事情があっても、その一部でも露国には譲与しない。

満州問題はロシアがすでに優勢の位置にあるので、多少これに譲歩すること。談判は東京で開くこと。

 

の三項目の基本方針を決定した。その最後には「万難を排し、あくまでわが目的を貫徹する決心であることが最も肝要なり」とし「巳むなくは対露開戦を辞せず」との決定を下した。

 

 日本リーダーパワー史(797)ー「日清、日露戦争に勝利』 した明治人のリーダーパワー、リスク管理 、インテリジェンス』『 未曾有の国難来る。ロシアの韓国侵攻に対して第一回御前会議が開かれた』●『巻末に連載9回-13回までの掲載リンクあり』http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/24428.html

 

 このあと、伊藤博文が枢密院議長に祭り上げられて、桂改造内閣が誕生し、挙国一致の体制が固められたのは、その廟議を貫徹するために外ならない。

 イギリスの内諾を求む

小村寿太郎外相は対露交渉を開始するにあたって、まずイギリスの内諾を得ることが日英同盟の精神から照らして、第一に必要と考えた。そこで、七月一日、必要な訓令を林董在英公使に発した。その訓令の最後には「ロシアが、わが提議を拒否するような場合の対策は後日のこととして、この商議の結果、生ずるあらゆる事態の責任はにロシアにある」と書いていた。

林公使は、イギリス外相ランスダウンと会見し日本政府のこの趣旨を説明した。イギリス政府は閣議を開催し日英同盟によってこの趣旨を了承したことを林公使に回答した。

駐露粟野公使に電訓と口上書を送る

 イギリスの了承を得たので、小村外相は七月二十八日、駐露公使栗野慎一郎に電訓を発した。その電訓の全文は次のとおり。

 「ロシアが満州撤退の件に関しておこなった清国に対する約定と、列国に対する証言を履行するものと希望した限りは、帝国政府はひとえに、注視、寡黙の態度を守ってきた。

ところが、ロシアのその後の行動は北京において新たな要求を提出し、満州では、いよいよその占領を拡大し、日本政府にはロシアは満州から撤退する意思を放棄したるものと思わせると同時に、韓国国境での活発なる行動は、ロシアの野望がどこに向かうかを示したものである。

 もし、ロシアが満州を無制限にかつ永久に占領すれば、その結果、日本の安全と利益とを損なう結果を引き起こす。いわゆる機会均等の主義はこれに因って破壊され、清国の領土保全もまた毀損される。ここにわが日本政府に取ってさらに重大な点がある。

ロシアにして韓国の側面に拠点、駐留すれば、韓国の独立はために絶えず侵迫を被むり少なくともロシアが韓半島で優勢力国になる。

 そもそも韓国はわが防護線における緊要なる前哨地である。したがってその独立は帝国の防衛と安全とのため、絶対的に必要条件である。

日本が韓国で有する政事上、商工業上の利益とその勢力とは、他国に卓絶するところがある。この利益と勢力とは、日本が自己の安全に鑑み、これを他国に交付したり、他国と分有することは決してできない。

 帝国政府は、ここにおいて深思、熟慮の後、わが憂慮の原因であるこの問題を解決すべき協商をロシアと締結するを期し、露国政府に謀ることに決めた。日本にとって今この協定を試みるには絶好の時機で、もしこれを逃せば、再び協商をする余地はなくなる。故に帝国政府は、貴官の判断と裁量とを信頼し、この機微なる折衝を貴官に委すことに決定した」(黒木勇吉『小村寿太郎』416-417P)

 

 別に小村は、粟野には次の口上書をロシア外相に提出させて、交渉の糸口を開いた。

 「日本政府は日露両国の関係上、およそ将来誤解の原由たるべきものを一掃することを希望し、ロシア政府もまた、これに同感すると信じる。これをもって極東における両国各自の特殊利益を画定することを期待し、ロシア政府と共に両者利益の接する方面における考察するは日本政府の喜ぶところなり。

  もしこの発案に対してロシア政府の賛同を得れば、日本政府は右協商の性質及び範囲に関しその意見をロシア政府に提出する」

 7月21日、栗野はラムスドルフに会見し、この口上書を手交した。

ラムスドルフは「日露の協商は、自分一個としては多年の宿論であって、その点、日本政府の所見と全く同一である、交渉開始については早速、皇帝陛下に奏上し、何分の回答をしたいが、陛下も必ずこれを嘉納されるであろう」と答えた。

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本リーダーパワー史(298)原発報道、対中韓歴史認識ネジレは『戦争報道の敗北』の教訓を活かせ、満州事変の報道検証⑤

  日本リーダーパワー史(298)   –3.1 …

no image
日本リーダーパワー史(257) ◎<まとめ>『日本を救った男とは・・空前絶後の名将・川上操六とは何者か(1回→10回)」

     日本リーダーパワー史(257)    ◎<ま …

no image
名リーダーの名言・金言・格言・千言集⑨『汗馬でなければ、千里の道はいかぬ』(中上川彦次郎)『徹底してやる』(本田宗一郎)

<名リーダーの名言・金言・格言・苦言 ・千言集⑨       前坂 俊之選 &n …

no image
『オンライン現代史講座/2・26事件とは何だったのか①』-「日本最大のクーデター」2・26事件でトドメを刺された新聞』作家・広津和郎の新聞批判「八百長的な笑い」★『2・26事件の3か月後に起きた阿部定事件、お定は<世直し大明神>と旋風を起こす』

『2・26事件とは何だったのか』(戦時下の愛のコリーダ」 前坂俊之×「2・26事 …

no image
速報(121)『日本のメルトダウン』『前原氏は論外、野田氏も不適格』『日本原子力学会という責任を逃れようとする人たち』

速報(121)『日本のメルトダウン』 『前原氏は論外、野田氏も不適格―次の首相に …

no image
百歳学入門(173)-『生死一如』★『百歳天女からの心に響くメッセージ』―60,70/洟垂れ娘への応援歌」★『108歳 蟹江ぎん、107歳きんギネス長寿姉妹』★『「人間、大事なのは気力ですよ。自分から何かをする意欲を持っこと」』★『悲しいことやつらいことをいつまでも引きづらない。クヨクヨしないことよ。』

 百歳学入門(172)-『生死一如』 『百歳天女からの心に響くメッセージ』―60 …

no image
日本リーダーパワー史(474)『不況、デフレで経営トップはどう決断したか➁ 』 (本田宗一郎/佐治敬三/小倉昌男)から学ぶ-➁

   日本リーダーパワー史(474)   『不況、 …

『オンライン講座/死に方の美学』★『中江兆民「(ガンを宣告されて)余は高々5,6ヵ月と思いしに、1年とは寿命の豊年なり。極めて悠久なり。一年半、諸君は短命といわん。短といわば十年も短なり、百年も短なり」★『森鴎外、一休禅師、大西良慶、熊谷守一の往生術』

  2010/01/21/百歳学入門②ー知的巨人たちの往生術 …

no image
記事再録/知的巨人たちの百歳学(132)『数百億円を投じ仏教を世界に布教した沼田恵範(97歳)

  2015年4月11日/百歳学入門(110) 世界が尊敬した日本人 …

no image
日本メルトダウン脱出法(796)「中国企業と国家:一段と厳しくなる締め付け (英エコノミスト誌)」●「古舘伊知郎、「報道ステーション」降板の理由 「12年を一つの区切りと思った」●「軽減税率というポピュリズムが政治を汚染する 200億円で新聞を「買収」した安倍政権」

 日本メルトダウン脱出法(796) http://jbpress.ismedia