池田龍夫のマスコミ時評(115)「国の借金」、過去最大の1024兆9568億円(8/14)●「雇われ日本人、ベトナム戦争で犠牲に」 (8/11)
2015/01/01
◎「国の借金」、過去最大の1024兆9568億円(8/14)
●「雇われ日本人、ベトナム戦争で犠牲に」
の報道に驚愕(8/11)
池田龍夫(ジャーナリスト)
「国の借金」、過去最大の1024兆9568億円(8/14)
日本の累積赤字国債は増え続けている。5月9日、財務省は、国債や借入金を合わせた「国の借金」が2013年度末で過去最大の1024兆9568億円となったと発表した[。「国の借金」のうち、国債は853兆7636億円、借入金は6454億円増の55兆5047億円、政府短期証券は4208億円増の115兆6884億円となった(財務省HPの統計による)。
他の先進諸国も財政赤字状態にあり、ワースト2位ギリシャ、イタリア5位、米国は11位だった。この中で唯一の黒字国であるドイツがGDP比0.1%(2012年)となっている(2012年、対象国は176か国)。
社会保障費増大のため公債残高は爆発的に増加していった。日本国債を買い支えてきたのは主に日本国民による貯蓄であるといって、国債増発を何時まで続けるつもりなのか。
「安倍首相の政治責任を問う」
朝日新聞8月3日付「オピニオン面」に、「財源は赤字国債という無責任」という投書(東京都稲城市・86歳男性)が載っていた。「消費税率を10%に引き上げ、経済が成長した場合でも国と地方の基礎的財政収支は2020年度に11兆円の赤字になるという
。お先真っ暗とはこのことではないか。
ところが、安倍晋三首相は世界を歴訪して相も変わらず、政府開発援助を乱発し、国内でも日本再興戦略の名の下、首をかしげたくなるような施策に多額の出費を約束して得意顔だが、財源には触れようとしない。しかし、すべて赤字国債に依存せざるをえないことは素人でも看破できる。(中略)国益を損なうような行為を続ける安倍首相など当然、辞任させるべきだと思う」との批判は的を射ている。
国際収支速報も最悪
財務省が8月8日発発表した2014年上半期(1~6月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は、前年同期の3兆3131億円の黒字から5075億円の赤字に転落した。
上半期の赤字転落は初めて。円安や消費税前の駆け込み需要で輸入が増えた一方で、輸出が伸び悩み、貿易赤字が1996年以降で過去最大になったことが主因だ。
毎日新聞のコメントで「問題は、日本が先進国最悪の財政赤字を抱えていることだ。現在は預貯金など国内資金で国債発行をさばけるが、経常赤字が膨らむ一方で、高齢化で預貯金が取り崩されれば、海外資金への依存が高まる。
海外の投資家が『日本政府は借金を返済できなくなるのではないか』と心配すれば、高い金利を付けないと、借金できなくなり、企業の設備投資や家計の住宅ローン金利も上昇して、経済に悪影響をもたらす」と警告していた通りで、アベノミクスは崖っぷちに立たされいる。
「雇われ日本人、ベトナム戦争で犠牲に」の報道に驚愕(8/11)
日本敗戦の8月15日から69年の歳月が流れた。原爆の日の紙面に「日本は69年間
戦死者を出していない」との見出しが躍ったが、平和憲法の支柱を日本人が守り抜いた成果を喜びたい。しかし、「雇われ日本人、ベトナム戦争で犠牲に」との報道に驚かされた。
毎日新聞がスッパ抜く。
毎日新聞が8月4日付朝刊で始めた連載企画「平和のとなりで」第1回に、「米軍に雇われた日本人1000人超がベトナム戦地へ」を掲載したのだ。
「当時の関係者を訪ね、資料を集めるうちに、(日本人の)戦地派遣が想像以上の規模だったことが分かってきた。佐世保(長崎)横須賀(神奈川)の米軍基地から米軍艦船に乗り組み、総数は1000人を超すとみられる。(中略)危険と隣合わせだった実態も分かってきた。68年9月、軍の下請けの米民間輸送船がメコン川で攻撃され、中国人船員が死亡し、沖縄の船員が負傷した。死亡した日本人もいた。
『日本人船員射殺される/ 南ベトナム /米舟艇の乗組員』。当時の毎日新聞の見出しだ。中部の港町で64年1月、南ベトナム政府の治安部隊に撃たれたという。記事は、犠牲者を『サイトウ・ケンゾウ(年齢、出身地不明)』と報じた。(中略)ベトナムで亡くなった日本人を探して、千葉県館山市の漁師町にたどりついた。
同市船形の斉藤賢三さん(死亡時28歳)。兄(82歳)の話によると、弟は日本の仲介業者と契約し、1961年ごろから米軍で働いていたという。別な情報によると、米軍横須賀基地では5000人の日本人が働き,うち2000人が艦船の修理に従事していたようだ」
日本政府に徹底調査を求める
毎日記者執念の特ダネと称賛したい。米軍の下請け日本人がいたに違いないが、犠牲者までいたことに驚く。ベトナム戦争でこうなら、イラク戦争でも日本人が徴用されていたのではないか。政府はこの実態を知りながら、口を閉ざしていたのだろうか。外交文書を徹底的に調べ上げ、真実を公開してもらいたい。また毎日新聞だけでなく、他メディアも、隠されている外交案件を粘り強く追及してほしい。
関連記事
-
-
『Z世代のための『バガボンド』(放浪者、世捨て人)ー永井荷風の散歩人生と野垂れ死考 ③』★『「人生に三楽あり、一に読書、二に好色、三に飲酒」』★『乞食小屋同然の自宅の裸電球のクモの巣だらけの6畳間の万年床の中で洋服を着たまま81歳で死去した。』
2015/08/02 …
-
-
『葛飾北斎の「富嶽三十六景」を追跡ー『外国人観光客のための新幹線からの富士山撮影法ー東京行きの上り東海道新幹線では「左側の座席」に座れば、窓越しに富士市の富士川鉄橋前から富士山のパノラマ全景が見える(動画)」★
12月23日(~27日まで)に故郷の岡山に新幹線で帰省した。この日は青空がクリー …
-
-
★Z世代へのための<日本史最大の英雄・西郷隆盛を理解する方法論>講義㉑』★『「米国初代大統領・ワシントンとイタリア建国の父・ガリバルディと並ぶ19世紀世界史の三大英雄・西郷隆盛の国難リーダーシップに学ぶ』★『「廃藩置県」(最大の行政改革)「士農工商・身分制の廃止」『廃刀令」「奴隷解放』などの主な大改革は西郷総理大臣(実質上)の2年間に達成されたのだ。』
2019/07/27 日本リー …
-
-
池田龍夫のマスコミ時評(35) 『迷走つづく「普天間移設」―「辺野古」にこだわる日米政府の無策』
池田龍夫のマスコミ時評(35) 『迷走つづく「普天間移設」―「辺野 …
-
-
『リモート京都観光動画』/『相国寺は京都五山第二位の名刹、室町幕府三代将軍の足利義満により創建された』
相国寺は五山文学の中心地であり、画僧の周文や雪舟は相国寺の出身である。また、京都 …
-
-
世界/日本リーダーパワー史(910)-米朝首脳会談(6/12日)は「開催されるのか」×「延期になるのか」②『米国と北朝鮮は激しい外交的駆け引きを展開中』★『金正恩の心変わりは習近平の後ろ押しでトランプ大統領は習近平氏を「世界レベルのポーカーの腕前の持ち主だ」(グローバルクラスのポーカー・プレーヤー)と皮肉った。』
世界/日本リーダーパワー史(910) 米、北朝鮮の非核化「リビア方 …
-
-
日本のメルトダウン(536)STAP細胞問題の小保方晴子氏会見をみて、感じた 「死に至る日本病」の正体とは・・・
日本のメルトダウン(536) STAP細 …
-
-
「Z世代のためのウクライナ戦争講座」★「ウクライナ戦争は120年前の日露戦争と全く同じというニュース➂」『開戦2週間前の『ノース・チャイナ・ヘラルド』(1904年1月8日付) 』★『ロシアは極東全体の侵略を狙っており、日本はロシアの熊をアムール川の向こうの自分のすみかに送り返して,極東の平和と安全を,中国人、朝鮮人,日本人のために望んでいるだけだ』
2019/11/22 『日本戦争外交史の研究』 …
-
-
『Z世代のための最強の日本リーダーシップ研究講座(51)』★『日本最強の外交官・金子堅太郎のインテジェンス⑦』★『ルーズベルトの和平講和工作―樺太を占領せよ』★『戦争で勝ち、外交戦で完敗した日本』
日露戦争は日本軍の連戦連勝のほぼ完勝に終わったが、その裏には、川上操六前参謀総長 …
