天才経営者列伝①本田宗一郎の名言、烈言、金言ピカイチ『成功は失敗の回数に比例する』★『得手に帆を上けよ』
2019/08/31
前坂 俊之
ところが、世の中の技術屋は見たり、聞いたりが多くて『試したり』がほとんどない。僕は見たり、聞いたりするが、それ以上に試すこともやっている。その代わり失敗も多い。人間には二通りある。先にあるものがわからないから、やるというタイプと逆に、わかったからやるというタイプである。前者でないとアイデアはわいてこない、という。ホンダが大きく発展したのは、一人ひとりの創造力と得手や持ち味を十分伸ばしたからだった。
本田は「鍛冶屋」の息子である。父親が真っ黒くなって、機械づくりをしているところで幼ない時から一緒に真っ黒くなって遊んでいた。機械いじりが飯より好きなのはこのためだ。生涯の仕事としても、この機械いじりを選んだ。
本田の持論は「得手に帆を上げよ」である。人間には得手、不得手がある。得手なものなら、進んでやるし、やればできるが、不得手や苦手なことは、やりたくないし、やってもうまくいかない。やはり「好きこそ物の上手なれ」である。
本田が社長になっても、ナッパ服で、真っ黒くなって工場で機械と取り組んでいると、人は陣頭指揮などと誤解する。本田は好きだからやっているだけの話である。
得手に帆を上げるために、本田は「社員は得意分野で能力を発挿せよ」といい「能ある鷹は爪を隠すな」とハッパをかけた。どのような能力があるのか、積極的にアピールしてくれなければ、上司だってわからないではないか。
会社も人間も「得手に帆を上げる」のが成功の道なのである。
「自分はこういう考え方をしている」とはっきり意思表示し、「自分は鷹だ」「自分は鳩だ」と、堂々と主張してほしい。
とは本田の名語録の一つである。
人は座ったり、寝たりしている分には、倒れることはないが、何かやろうとして立ったり、歩いたり、駆け出したりすれば、石につまづいてひっくり返ったりすることもある。例え、膝小僧をすりむいても、少なくとも前進である。「失敗するのが怖いんだったら、仕事をしないのが一番だ」
「どんな発明発見も他人より一秒遅れれば、もう発明でも発見でもなくなる。このような例は多い。だから寸秒の時間もおろそかにできない。寸秒の時間が、偉大な価値を左右する。現代では時は金以上の価値であり、すべての生命である」
本田は言う。
「私と副社長は創業者で、途中からすべり込んだ経営者とは適って、偉大な権力を持っている。この偉大な権力を持って役員会に臨んでごらんなさい。役員たちはぼくらの話を聞いていて、どう発言すれば喜ばれるか、と考えるでしょう。はじめから筋書きはわかっちゃっているんですよ。
放っておきさえすれば、役員は経営に一生懸命になりますよ。役員会で決めた結果を聞いて、悪ければもう一度練り直してくれと、ひとこと言えばそれですむことですから」
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