前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

知的巨人たちの百歳学(114)長谷川如是閑(93歳)「他からわずらわされぬ悠々自適の暮しが健康法」「「老人になって子供に帰ったのではなく、20歳前後の気持を持ち続けているだけ」

      2015/08/26

 

知的巨人たちの百歳学(114)

長谷川如是閑(93歳)の悠々自適

「他からわずらわされない悠々自適の暮しが健康法」

「老人になって子供に帰ったのではなく、20歳前後から

同じ気持をもちつづけてきていて、それに帰っただけの話」

 

長谷川如是閑(93歳)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E5%A6%82%E6%98%AF%E9%96%91

 
自適

私は生来虚弱な体で、80をすぎるまで、大の患(わずらい)つづきで、医者にかからぬ年というは、ただの一年もなかった。

ところが、八十を越してこのかた、医者の厄介にならぬ年が何年もつづいている。若いころにいろいろな病気をやりつくして、もうやる病気がなくなったせいかも知れぬが、あるいは見方をかえ、若いころに用心に用心をかさねて医者の手をわずらわしたおかげで、八十すぎてやっとl人前の文夫になれたのだともいえようか。

もっとも、もう一つの理屈として、老境に至って始めて、私の理想としていた健康法が実際に行なえ出したからとも考えられる。それは、「自分の生理と心理」とにかなった日常生活をする」ということで、いわば他からわずらわされない悠々自適の暮しである。

これはやはり隠居の身の上にならなければできぬことで、健康長寿でなければ実行できぬ健康法とでもいおうか。

       

子供にかえる 

年をとるということには、生理的の作用と心理的の作用との両面があって、前者の生理的必然も、後者の心理作用によって加減されるらしい。老人といえども、後者の、心理的作用の効果によって、青年にかえることもできる。

結局、きわめて平凡な、そのような事実を頭だけで受け取らないで、五体をもって「体得」することが長寿法の秘訣にはかならない。

こういうのも、まったく私自身の体験によったことで、今は米寿(88歳)をこした私が、われながら子供らしいと思われることをいったり、行なったりしている。

それを人は「子供に帰った」というが、老人になって子供に帰ったのではなく、私は丁年(20歳)前後から同じ気持をもちつづけてきていて、いわばそれに帰っただけの話である。

昔は匠気(しょうき)=好評を得ようとする気持ち。芸術家などが、自分の作品の出来栄えを見せびらかそうとする気どり。)「といったものをそれにまじえていたであろうが、今はもうそれもなく、純粋に若返ったとでもいおうか、それがつまり年老いたというなら、それでよしよし。

 - 健康長寿 , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
百歳学入門(184)ー「六十、七十 はなたれ小僧、はなたれ娘、人間盛りは百から、百から」 平櫛田中(107歳)』★『人間は過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。老人は過去から、未来に生きるスイッチに切り換えなさいとの鈴木大拙師の教え』

 百歳学入門(184)  『六十、七十 はなたれ小僧、はなたれ娘、人間盛りは百か …

no image
日本メルトダウン(926)『資本主義の成熟がもたらす「物欲なき世界」』●『仲裁裁判所の裁定に反撃する中国の「情報戦」の中身 本格的灯台の設置で人工島の軍事基地化に拍車』●『沖ノ鳥島問題で露呈した日本と中国の共通点』●『「自動運転バブル」はこのまま崩壊の道を歩むのか?』●『 土俵はできた~今こそ真正面から客観的な憲法論議を 中国、韓国、護憲派の懸念はお門違い(筆坂秀世)など8本』

   日本メルトダウン(926) 資本主義の成熟がもたらす「物欲なき世界」 ht …

「オンライン・鎌倉古寺巡礼動画』★『わが愛する『鎌倉五山の寿福寺』山門から本堂までの遠近法の静かな参道の杉木立の枯根と苔のわび、さびが美しく調和する、なごみと癒しのスポット』

           &nb …

『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ回想録③』★『パリ美術館ぶらり散歩』★『ピカソ美術館編④」★『ピカソが愛した女たちーその多種多様、創造的インスピレーションには本当に圧倒されますね』』

2015/06/15  『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッ …

no image
知的巨人の百歳学(149)ー人気記事再録/ 百歳学入門(30)『歴史有名人の長寿と食事①天海、御木本幸吉、鈴木大拙、西園寺公望、富岡鉄斎、大隈重信

     2011/07/19百歳学入門(30) …

「イタリア・ベネチアふらり、ぶらり散歩(2015/4/19-4/28)ベネチア観光をゴンドラで満喫した巻②」

    2015/05/24 &nbsp …

『オンライン/ベンチャービジネス講座』★『日本一の戦略的経営者・出光佐三(95歳)の長寿逆転突破力、独創突破力はスゴイよ②』★『眼が悪かった佐三は大学時代にも、読書はあまりしなかった。「その代わり、おれは思索するんだ」「本はよく買ってきては<積読(つんどく)>そして<放っ読(ほっとく)」だよと大笑いしていた』

  出光佐三は1885年(明治18)8月、福岡県宗像郡赤間町(現・宗像 …

no image
知的巨人の百歳学(151)ー 東西思想の「架け橋」となった鈴木大拙(95歳)―『禅は「不立文字」(文字では伝えることができない)心的現象』★『「切腹、自刃、自殺、特攻精神は、単なる感傷性の行動に過ぎない。もつと合理的に物事を考へなければならぬ」』

東西思想の「架け橋」となった鈴木大拙(95歳) 前坂 俊之(ジャーナリスト) J …

『Z世代のための日本近現代興亡史講座』★『米週刊誌「タイム」の表紙を飾った最初の日本人は東郷平八郎』★『日清戦争の英国商船撃沈事件「高陞号事件」で世界デビューした東郷平八郎』

2009/06/27 「日本リーダーパワー史②」記事再録  「タイム」 …

no image
100歳現役学入門―団塊世代は元気な百歳をめざそう<健康長寿の達人へ>

100歳現役学入門―団塊世代は元気な百歳をめざそう           …