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『Z世代のための明治大発展の国家参謀・杉山茂丸の国難突破力講座⑪』★『杉山茂丸・超人力の秘密「バカの壁」①」★『違ったことを違っていると言えない奴を「馬鹿」という」

      2024/12/03

杉山茂丸著「辛棒録(1911年、明治44年)」「其日庵の世界」(書肆心水 2006年刊に収録)より。
① 辛棒、我慢、忍耐ということー、

世に辛棒(しんぼう)といい、我慢(がまん)といい、忍耐ということは、その実行の意味においては少しずつ異なる。この文章はこれらを総括して書いたものだ。
辛棒、我慢、忍耐の行為は余り面白いものではなく、これを食物に例えれば甘味(おいし)くない、不味(まずい)いに相違ない。現に渋柿(しぶがき)、唐辛子(とうがらし)、青橙(あおだいだい)などを無闇に食わねばならぬとなったらイヤであろう。今〈1911年、明治44〉の若い人々にとって、ぜひ世の中の物事には辛棒せねばならぬと話すと、無理やり不味(まずい)ものをぜひ食えと勧めるのと同じであろう。
しかし、別の意味において、この不味(まずい)ものを辛棒して食べておくと、比較的に他のものが甘味(うま)く感じるものである。わたしの経験では、甘味(おい)しいものを食った人間の体は年を取るほどに破壊されて、ついにはグニャグニャの人間に堕落してしまう。
これに反して不味(まずい)ものを、若い時からウンと食べていると、身体、体力の発達は申すに及ばず、精神力、根性、気骨などは実に強靭(きょうじん)なものになる。だからといって朝から晩まで渋柿に唐辛子、青橙ばかりを食べなさいと勧めても、食えるものではない。これを食うにはこの不味いものを食うことを楽みとして、好きにならねばならない。
好きになるにはどうすれば、よいのかというと、 一番難しい学問をしなければならない。

それは馬鹿になる学問と阿房(あほう)になる修業をしなければならない。ここが「ミソ」だよ。

② 即ち、辛棒、我慢、忍耐というような不味ものを食うには馬鹿、阿房にならねばならぬのである。これが好きにさえなれば、別に勧告などをせずとも、上戸(酒好き)が酒を飲むように、下戸(酒が飲めない人)が団子を食うように、見さえすれば手を出して食べたくなるものじゃ。コウなれば人間、世の中に対して恐れるものがなくなる。恐れることが無くなれば勇気と根性がわいてきて、 ちょっとみても立派な人間になれるのである。

③ そこで馬鹿と阿房の研究が必要になる。

そもそも、この馬鹿、阿房(あほう)という事は、秦の始皇帝(しこうてい、BC259年2月 – BC210年9月,48歳)の子供の「胡亥」(こがい)」の故事である。
「胡亥」は始皇帝の2代目皇帝で何不自由なく贅沢三昧に育てられ。子供の時から大人になるまで甘味(うまい)ものばかりを腹いっぱい食べて育った。20歳で2代目皇帝を継いだが、甘味ものばかりを食った報いで、歯が一本もなく総入れ歯となった。身体も不味(まずい)ものを食ったことのないためにグニャグニャの病弱で身も心もむしばまれた体になり果てた。

④ 『バカ(馬鹿)』の語源はこれ

ところが、胡亥の側近に「趙高」と云う途方もない黒ネズミの悪者がいて、万事、このグニヤグニヤ皇帝にゴマをすって総て自分の思い通りに操っていた。
ある日、「趙高」はグニヤグニヤ皇帝をどこまでゴマ化せるか、試めして見ようと思って、鹿一頭を持って来て「馬一頭を献上いたします」と申し上げた。ところが、いかに「胡亥」皇帝でも鹿ではないかと不審に思って、左右の侍従に、「これは馬か?」と聞いて見た。ところが、皆んなへんな顔をして見合せて黙っている。側近の「趙高」がきっと怖い顔をして一堂をニラミつけており「もし鹿とでも返答したなら首がないぞ」と言わんばかりの形相だった。一同はやむなく「左様(さよう)です。馬でございます」と答えた。すると、グニヤグニヤ皇帝も趙高が怖かったので、「さようか、馬か!」と答えた、という。

そこで、「違ったことを違ったと言えない侍従の奴(やから)を「馬鹿」と呼ぶようになった。『バカ(馬鹿)』の語源はここから来ている。

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