前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『オンライン講座/近藤康男(106)の100歳突破実践法を学ぶ』★「七十歳は一生の節目」「活到老 学到老」(年をとっても活発に生きよ 老齢になるまで学べ)』★『簡単な健康法を続ける。大切な点は継続することだ』

      2022/04/26

 
 2018/07/21百歳学入門(237)ー『簡単で効果のある健康法でなくては続けられない。』

近藤康男(106) 1899・1・1~2005・11・25

農業経済学者。東京帝国大学農学部助教授、一九四三 (昭和十八) 年、思想弾圧で大学を追放される。戦後、東大に復職。定年退官後は武蔵大学教授、農文協図書館理事長などを歴任。
農村に分け入り、農業生産者の立場から農業経済学を専門とした近藤は、実証的研究を持続した学者であった。戦前、早くも著書『農業経済論』において、マルクス経済学の視点から農業問題を社会科学として確立。東京帝大教授をへて退官後は武蔵大学に移り、特任教授を退職したのが七十六歳だった。
武蔵大在任中の六十九歳のとき、胃のポリープ摘出手術を受け、このころから視力や聴力、体力の衰えを目覚したが、ここから徹底した健康管理を維持し、旺盛な研究活動を続けて、七十歳以降にも四十冊を超える編著書を出版した。
「申すまでもなく、七十歳は人の一生の大き節目であります」と近藤は語る。
しかし、老いは容赦なく襲いかかり、右目は白内障、左目は眼底出血となり、七十七歳を境に視力は概端に落ちた。エレベーターの数字が読めず、1人でエレベーターることができなくなり、電車の切符を買うのにも苦労した。
当時の心境を、「体調が悪くなると消極的になります」と述べていたが、それでも自分の研究をおろそかにすることはなかった。視力の衰えに対しては、拡大読書器を使い、午前中一時間ほど、午後は二時間半ほどの読書を日課とし続けた。
自宅から自身が関係する農文協図書館など、慣れ親しんだ場所へは杖なし、付き添いなしで、バスや電車を乗り継いで通い続けた。
当時の写真が残されているが、カバンをたすきがけにかけ、ネクタイをきちんと締めたスーツ姿だった。もちろん、外出を続けたのは、執筆のためだった。
 
一九九七(平成九)年、白寿を迎えた折の色紙には、次のように揮豪した。

「活到老 学到老」(年をとっても活発に生きよ 老齢になるまで学べ)』

簡単な健康法を続ける。健康のためにはラジオ体操などいろいろあるが、簡単で効果のあるものでなくては続けられない。大切な点は継続すること。

 

研究を維持するため健康が何より重要だと考えた近藤が、晩年、常に心がけていた一つが睡眠時間の確保であった。
規則正しい生活を送るため、夜九時には就漉し、朝は七時に起床して体調の維持に努めた。だが、年齢を重ねるにつれ、夜中に眼が覚め眠れなくなることが多くなった。
そんなときに欠かさず有ったのは、中国で覚えたという十分間の全身指圧だった。わずか十分間だが、この指圧で再び眠りに入ることができた。しかも、朝、行えば快便効果もあり、「私の睡眠術兼健康法」にしていたという。

この健康法を知ったのは、中国との関わりからだった。

1957(昭和三十二)年、当時、気鋭の農業経済学者であった近藤は農業経済学会会長として、中国を訪問した。以来、中国から友好の印として贈られていた雑誌『北京週報』の中で、腰痛予防法の記事を偶然、見つけた。さっそく、試してみると、「実に効果があった」。とりわけ実感したのが、胃のポリープ手術前だった。
 
その後、毎晩、全身を十分間、指圧することを欠かさなかった。
農業生産者の立場から実証的研究を中心とした。自宅の庭を畑として自給自足に近い生活を送ってきただけに、実質的に役立つものが何であるかを重視した。
 
しかも、指圧には道具も器械も必要としない。金もかからない。自分の指先だけででき、持続することこそが何よりの効果だと見抜いていた。全身指圧がいたく気に入り、周囲に持続の重要性を説いて、自ら実行し続けた近藤は百六歳の天寿をまっとうした。

 - 人物研究, 健康長寿, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(169)記事再録/『亀岡市レジ袋禁止条例ガンンバレ』★「30年間カヤック釣りバカ老人の鎌倉海定点観測」-『海を汚染、魚を死滅させる有毒マイクロプラスチックが食物連鎖で最終的に魚食民族・日本の食卓を直撃する』★『プラスチックを規制し、1人年40 枚にレジ袋を減らす規制をしたEU対1人が年300枚のレジ袋を使う日本はいまだ規制なし』

    2018/06/22 / 記事再 …

no image
人気リクエスト記事再録『百歳学入門』(221)荻原井泉水(92歳)の『天寿・長寿10ヵ条』「随」の精神で「天」に感謝し「天」に随い「天」を楽しめば【天寿】となる

2015/01/01の百歳学入門(47)   荻原井泉水(92歳)の『 …

鎌倉鶴岡八幡宮の「さくら」を見に行く。外国人観光客でにぎわう(4月2日午後3時すぎ)②』 ★『4月5日(土)-6日(日)がほぼ満開だよ』

鎌倉鶴岡八幡宮とは https://www.hachimangu.or.jp/

no image
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㊳興亜説について(榎本武揚の興亜会の設立)明治23)年8月

     『中国紙『申報』からみた『日中韓150年 …

no image
『百歳学入門(205』ー 日本の食卓に長寿食トマトを広めた「トマトの父」カゴメの創業者/蟹江一太郎(96)の長寿健康/経営10ヵ条』★『でんでん虫、そろそろ登れ、富士の山」』★『日本一 前後かわらぬ トマトかな」その理念は『正直、感謝、共存共栄、漸進主義』●『人の一生は重荷を負うて、遠き道を行くが如し(家康の遺訓)』★『長寿はトマトを売り歩いた苦労のおかげ』

  百歳学入門(70) 日本の食卓に長寿食トマトを広めた「トマトの父」 …

『オンライン動画・鎌倉稲村ケ崎サーフィン・10年間のベストセレクション集①」★『稲村ヶ崎モンスターウエーブ・2014年10月12日午前8時すぎ、ついにきたよ①』★『富士山、江の島をバックに「サーフィンパラダイス」は最高!』★『決定版!2012年10月19日の稲村ケ崎サーフィン/台風21号のモンスターウエーブはプロ級!』

鎌倉稲村ケ崎サーフィンGoGo!(2021/5/14am730)ー富士山、江の島 …

湘南随一の海辺のレストラン「なぎさ橋珈琲 逗子店」から見た絶景富士山はワンダフル!

          &nbsp …

no image
日本の最先端技術「見える化」チャンネル」/国際物流総合展2018(9/12)-DAIFUKU の「スマートエアポート(未来の空港)」

日本の最先端技術「見える化」チャンネル」/ 国際物流総合展2018(9/12)- …

『オンライン/日本リーダーパワー史講座』★『明治維新から152年ーこの間に最高のリーダーシップを発揮した人物は一体誰でしょうか?、答えは「西郷隆盛」ではない、弟の西郷従道ですよ!ウソ、ほんとだよ』★『『バカなのか、利口なのか』『なんでもござれ大臣」「大馬鹿者」と(西郷隆盛は命名)『奇想天外』「貧乏徳利」(大隈重信いわく)』

 2015/01/01日本リーダーパワー史(512)記事再録 ★「フリ …

no image
『F国際ビジネスマンのWサッカー・ウオッチ㊲』 【ミラン本田が初アシスト、本田がどう挑むか見物です」

   『F国際ビジネスマンのWサッカー・ウオッチ㊲ …