日本リーダーパワー史(448)「安倍靖国外交④」日清戦争、日中戦争の経過に学び、オウンゴール・孤立外交は避けねばならぬ」
「安倍靖国外交を検証する④」
◎<アベノミクス>で日本経済がやっとテイクオフしはじめた
2014年に最悪のシナリオの日中軍事衝突を決して
起してはならない。
そのためには日中パーセプションギャップとその結果起きた
日清戦争、日中戦争の経過に学び、オウンゴール外交、
孤立外交は絶対に避けなければならない」
前坂俊之(ジャーナリスト)
① 世界のメディアは「2014年は1914年の第一次世界大戦からちょうど100年目にあたり、日中韓の対立、紛争のエスカレートがアジアの世界大戦に発展する恐れを心配している。
●『第1次世界大戦:不安を胸に振り返る100年前の世界
(英エコノミスト誌 2013年12月21・28合併日号)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39518
② ―海外のメディアは「(最悪の事態)として中国の習近平国家主席が安倍氏と会う気にさえなれないとすれば、想像を絶する事態がない限り、解決を期待することはとてもできない。その事態とは軍事衝突である」と書いている。
「社説:西太平洋での日中のシャドーボクシング」
(2013年12月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39576
③ 日本のメディア 各紙の今日の社説は産経新聞1社を除いて全て安倍首相の靖国神社参拝を徹底的に批判している。《読売新聞》アメリカの「異例な声明」に危惧感を抱き、外交の立て直しに全力をあげよと安倍首相に注文。「A級戦犯の合祀が問題」だから「無宗教の国立追悼施設の建立」をせよと提言している。
●「首相の靖国参拝 支持したのは産経新聞だけ
http://blogs.yahoo.co.jp/tom8888farm/32812672.html
首相靖国参拝 外交立て直しに全力を挙げよ (12月27日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20131226-OYT1T01358.htm
④ 日中韓国関係150年の歴史はその3分の2が戦争と対立の歴史である。中国、韓国が「侵略戦争」であると主張する日清戦争は戦前は、軍事的には中国側が日本を圧倒しており、小日本など簡単に勝てると思っていた中国側の慢心、おごり(中華思想)と日本側のこのままでは中国・韓国・ロシア連合にやられてしまうという危機感の相互の認識ギャップが日清戦争に発展し、ふたを開ければ日本側の圧勝、中国側の完敗だったのである。
⑤そして、日清戦争の対立は国際主義(国際法)を順守した日本側と国際法を無視した中華思想の大清帝国の衝突であり、戦争のきっかけは国際法を徹底して順守してイギリスから絶賛された東郷平八郎による「高陞号事件」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%8A%E5%B3%B6%E6%B2%96%E6%B5%B7%E6%88%A6
である。「日清戦争とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/日清戦争#.E5.89.8D.E5.8F.B22.EF.BC.9A.E6.9C.9D.E9.AE.AE.E3.81.AE.E6.B7.B7.E4.B
日中韓150年三国志『日清戦争勃発に至るパーセプション・ギャップの研究―海軍力増強と長崎清国水兵事件の勃発①
http://maesaka-toshiyuki.com/detail?id=1833
⑥この日清戦争の教訓から学ぶべきは国際法の順守であり、国際社会から(欧米)支持である。A級戦犯の合祀問題がキーワードであり、岸信介への思い入れからなかなか脱皮できない安倍首相の個人的な心情は一国の宰相であり、積極的な平和主義を唱えて、行動する限り国際的な反響を事前に正確に予測するインテリジェンスと、日本版NSCのアドバイスに耳をしっかり傾けて、「火中の栗」を拾う〈宰相の器>とならねばならない。
⑦日中戦争での近衛声明の外交的大失敗の教訓をいまからでももう一度勉強する必要がある。「幻の東京オリンピック」(1940年、昭和15年)が決まったのは、1935年(昭和10年)であり、日中戦争勃発(1437年7月)の2年前である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/東京オリンピック_(1940年)
アジで初の開催決定にわいた当時の日本でまさか、日中が戦争して開催返上になるなどだれが予測しただろうか。歴史は変転する。そのスピードは「スローモーな日本」などあっという間に置いてきぼりにして、孤立化させる。
⑧2020年東京オリンピック開催に尽力した猪瀬前都知事がわずか4ヵ月後に失脚するなど本人も考えもし中ttであろう。歴史の変転は限りなく早い。第2回東京オリンピックが再び幻のオリンピックにさせてはならない。
⑨そのためにも、安倍首相の行為が「日本を孤立化させた」こと、中国韓国に欧米世論まで敵に回わす結果となったことを恐れる。戦争を避ける平和外交ではなくて、孤立外交である。
関連記事
-
-
★『Z世代のための日本政治史講座㉒』★『歴代”宰相の器”とな何か!』★『日本の近代化の基礎は誰が作ったのか』★『わしは総理の器ではないとナンバー2に徹した西郷従道』★『なんでもござれと歴代内閣に重宝されて内務大臣三回、海軍大臣七回、陸軍大臣(兼務)一回、農商務大臣などを歴任、縁の下の力持ちに徹し、有能人材を抜擢した』
2012/09/09 &nbs …
-
-
『Z世代のための最強の日本リーダーシップ研究講座】㉝」★『120年前の日露戦争勝利の立役者は児玉源太郎、山本権兵衛』★『日露開戦4ヵ月前、前任者が急死したため児玉源太郎は二階級(大臣→参謀次長)降下して、決然として立ち、日露戦争全軍を指揮した』★『わが戦略が失敗すれば、全責任を自己一身に帰して、内閣にも、参謀総長にも分たず、一身を国家に捧げる決意で取り組む」と決意を述べた』
児玉源太郎副総理(内大臣、台湾総督)は二階級(大臣→参謀次長)降下 …
-
-
『新型コロナウイルス/オミクロン株のスピード動向①』★『オミクロン株が世界的に猛威を振るう』★『オミクロン株は2ゕ月遅れで日本に襲来』★『ブースター接種率は米EUは3,40%なのに、日本は先進国ダントツの最低0,5%にとどまる大失敗』★『再び、後手後手の対応のスローモー岸田政権』
オミクロン株が世界的に猛威 前坂 俊之(ジャーナリスト) 世界中で再び新型コロナ …
-
-
『Z世代のための日本の超天才人物伝⑤』★『生成AIをはるかに超えた『世界知の極限値』・南方熊楠先生の書斎訪問記(酒井潔著)は目からウロコ②』★『大英博物館をわが書庫にして8年間、研究三昧で世界一の読書家に』★『東大あたりの官学者が、わしをアマチュアだ言うが馬鹿な連中だ。アマチュアではなく、英国でいうリテラート(独学で叩き上げた学者)で英国では大いにもてたよ』
2015年4月29日の記事再録、編集 酒井潔著の個人雑誌「談奇」( …
-
-
片野勧の衝撃レポート(78)★『原発と国家―封印された核の真実⑫(1985~88) 』-チェルノブイリ原発事故30年(上)
片野勧の衝撃レポート(78)★ 原発と国家―封印された核の真実⑫(1985~8 …
-
-
● 『まとめ日本世界史』(世界史の中の『日露戦争』)➡英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」は 「日露戦争をどう報道したか」を読む(22回連載)
世界史の中の『日露戦争』(22回シリーズ) <英国『タイムズ …
-
-
中国への旅―新旧中国の歴史・現在・将来への3Dの旅
中国への旅―新旧中国の歴史・現在・将来への3Dの旅 前坂 俊之(ジャーナリスト) …
-
-
終戦70年・日本敗戦史(107)英国、ロシアの侵攻で「日中韓」は「風前の灯火」に! 国家危機管理能力が「日本興隆」と「中韓亡国」を分けた②
終戦70年・日本敗戦史(107) <歴史とは現在への過去形である>70年前の太平 …
-
-
『リーダーシップの日本世界近現代史』(301)★『日本には元々「情報戦略」という場合の「情報」(インテリジェンス)と『戦略(ストラジティ)』の概念はなかった』★『<明治の奇跡>が<昭和の亡国>に転落していく<戦略思想不在>の歴史を克服できなければ、明日の日本はない』
2017/12/01「戦略思想不在の歴史⑿」記事再録 「戦略思想から …
