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日本リーダーパワー史(161)『3・11<第3の敗戦>からの復活は可能か?②歴代総理ランキングは賢相、悪相、凡相、愚相、病相、劣相・・』

      2015/04/23

日本リーダーパワー史(161)
『3・11<第3の敗戦>からの復活は可能か?②
歴代総理大臣はランキングー賢相、悪相、凡相、愚相、病相、劣相
・・そして誰もいなくなった亡国の悲劇!?』

                      前坂 俊之(ジャーナリスト)
<Q>じゃ、政治家の品定めと行きましょう。日本の総理大臣は菅首相で、歴代94人おります。その在任期間は平均でも2年間弱、この20年ほどでみると小泉首相以外は安部、福田、麻生首相はいずれも1年前後で目まぐるしく交代して政治の混乱、低迷が続いていますよね。
『昭和10年代1935年から太平洋戦争の敗戦1945年の10年かんでみると、岡田啓介(海軍)、広田弘毅(外交官、10ヵ月)、林銑十郎(陸軍、4ヵ月)、近衛文麿(貴族、第一次、1年半)、平沼騏一郎(検事、7ヵ月)、阿部信行(陸軍、4ヵ月)、米内光政(海軍、6ヵ月)、近衛文麿(第2次、1年)、近衛文麿(第3次、3ヵ月)、東條英機(陸軍、2年9月)、小磯国昭(陸軍、8ヵ月)、鈴木貫太郎(海軍、5ヵ月)と平均⑧ヵ月で変わっている。これが戦争下の亡国の政治状況です』
「国力の低下、国際社会での日本の地位の低下は国際競争力ランキングの大幅ダウンに比例しています。かっての経済は一流、政治は二流といわれましたが、いまや経済も3流以下、政治は5流に転落して、先進国では落第生になりました。その第一の政治家のリーダーシップを採点しましょう。日本の歴代宰相の名宰相、凡宰、愚宰、奇人宰相・・、もともと「和を持って尊ぶ」気風、年功序列、派閥談合の中では、リーダーシップのある指導者は選ばれない仕組みが出来上がっている、凡宰、愚宰のオンパレードですよ。問題先送り、解決能力なし、難しい問題、とくに国際的な問題、外交の解決能力をもった政治家がいない、育たな日本の風土、国民性そのものがのが「日本の悲劇」なのですね。

当然、国家としての指導力、決断力が一番必要とされる戦争では必然的に失敗しやすい。太平洋戦争のように自滅の戦争に特攻隊よろしく突入する。」
「戦争はあくまで外交の延長戦なのですが、日本は戦争の1つの手段としてしか外交をみなしてこなかった。今再び、「グローバリズムと言う名の世界経済戦争に突入して、この20年間敗北に次ぐ敗北で、いうおいうお国家倒産、第2の敗戦が目の前に迫っている状態ですね。
大敗北が迫っている国難なのに、国会では鳩山首相は母親から何十億円の子供手当をもらい、小沢は父親から何億円の子供手当をもらうあきれ果てた2世3世の甘えの構造議員(リーダーシップのかけらもない)連中が「小田原評定」を国会中継で危機意識もなくやっているのですから、太平洋戦争末期の軍閥無能政治と全く同じ構造ですね。(この原稿は鳩山首相時代のものをそのまま掲載)本当に、国の将来を思うと暗たんたる気持ちになってきます。問題山積みですが多数決の中でリーダシップのある指導者は欠如、国力の低下、国際社会での日本の地位は低下はもはや止めようがない水準に転落中ですね。」

じゃ、気を取り直して政治家の年令比較と行きましょう。
総理就任時の年齢の若い順は
①    伊藤博文 44歳
②    近衞文麿 45歳、
③    黒田清隆 47歳
④    山縣有朋 51歳
⑤    安倍普三 52歳
⑥    桂 太郎 53歳
⑦    田中角榮 54歳、
⑧    細川護煕 55歳
⑨    西園寺公望 56歳
⑩    東條英機 57歳
⑪    海部俊樹 58歳
⑫    片山 哲 59歳
これを見ると、なんといっても初代の首相の伊藤博文44歳が一番若い。2番目は近衛文麿の45歳、この時は期待されて登場した近衛の第一次内閣のときで、日中戦争の勃発の時期に登場して、大政翼賛会、国家総動員法などで、太平洋戦争への道を開くことになり、最大の失政を行った。経験不足であり、指導力の欠如です。三番目に若いのは酒乱で、妻を切り殺したといわれる黒田清隆(第2代首相)が47歳です。
陸軍を創設し、藩閥政治の親玉・山県有朋が51歳、それについで登場するのが安倍晋三で52歳です。かれはリーダーシップという点では、経験不足で荷が重過ぎて、結局若気の至りで総理の重いイスに押しつぶされた感じですね。日露戦争を指揮した桂太郎は53歳で就任、田中角栄は54歳、細川護 55歳といったところです。
あとは、60歳過ぎで年功序列的に、派閥順送りで総理大臣になっていたケースがおおいですよね。
逆に、就任年齢の高い総理大臣を見ていきましょう。
   鈴木貫太郎     77歳
   犬養 毅       76歳
   大隈重信(2度目)  76歳
   清浦奎吾      73歳9ヵ月
   齋藤 實        73歳5ヵ月
   幣原喜重郎      73歳1ヵ月
   石橋湛山      72歳
   宮澤喜一       72歳
   福田赳夫        71歳
   福田康夫        71歳
では歴代首相の長生きした順では①東久邇稔彦102歳②鈴木善幸93歳③清浦零語92歳④西園寺公望⑤91歳福田赳夫、片山哲の90歳⑦吉田茂、松方正義89歳⑨石橋湛山88歳⑩宮沢喜一87歳だが、政界引退ごも、西園は最後まで元老として、首相の任命権をもって活躍したが、戦後では吉田茂が大磯でリモートコントロールした。それ以外の首相は引退しかつ、そのごの政治的な影響力は残さなかった。今や昭和の元老的な存在になりつつある中曽根康弘は87歳で迫っているよね。
問題はこの 在職日数ですよね。
通算在職日数
① 桂太郎            2886日、
② 佐藤栄作        2798日、
③ 伊藤博文         2720日、
④ 吉田茂          2616日、
⑤ 小泉純一郎       1980日
⑥     中曽根康弘        1806日
⑦     池田 勇人       1,575日
⑧     西園寺 公望      1,400日
⑨     岸 信介         1,241日
⑩     山県 有朋        1,210日
⑪     原 敬          1,133日
政治家の長寿者は次の通りである。
102歳 東久邇宮稔彦王
93歳 鈴木善幸
92歳 清浦奎吾
91歳 西園寺公望
90歳 岸信介
90歳 福田赳夫
89歳 松方正義
89歳 吉田茂
89歳 ★中曽根康弘
88歳 片山哲
88歳 石橋湛山
87歳 宮沢喜一
84歳 岡田啓介
84歳 平沼騏一郎
83歳 山縣有朋
83歳 大隈重信
83歳 若槻礼次郎
82歳 ★村山富市
81歳 山本権兵衛
81歳 三木武夫
80歳 鈴木貫太郎こうしてみるとやっぱ政治家って長生きなのかね

政治家のリーダーシップは国力を発展させ、国民の幸福を増進することです。その点で名宰相をあげて
いただきますか。こちらで独断と偏見で採点しましょうよ
順番に言えば、明治国家を建設、日露戦争の勝利を勝ち取った伊藤博文、桂太郎、加藤友三郎も評価したいね、かれは首相としては短命だったので陽炎内閣といわれて業績を残していませんが、ワシントン軍縮条約で海軍を抑えきった亮力はたいしたもの。 

原敬も暗殺されたので、そうでなければ大正デモクラシーはもっと違ったものにもっと高めたことでしょうね。彼の暗殺の原因は言葉の勘違いなんですね。犯人・中岡良一は鉄道の踏切手ですが、上司との政治談議の中で「お前は腹を切れ」と叱られたのを「原〔敬〕をきれ」と指示〔殺人教唆罪〕されたと勘違いして、東京駅で日本刀の小刀で体当たりして刺し殺したのです。この勘違い殺人で中岡は無期懲役で、13年で出ているんですね。「歴史の面白さ裏話です。
それから、浜口雄幸もテロで死にますが、かれはピストルで右翼に撃たれ、腹部の傷が治らず、そのなかでも長期の病床を赦さず、責任感が強いので、国会答弁できない体、立っておれない状態なのになのに顔面蒼白で、2時間も演説させたのですから、命を縮めたんですね。今の、無責任な2,3世議員と政治への志、責任感が違います。また、テロにいつ狙われるかわからないという危機意識はいまの政治家の比ではないですね。
続いては鈴木貫太郎ですね。かれなくしては終戦があそこまで見事に全兵をおくことはできなかったでしょうね。
ソレと戦後は吉田茂、かれが現在の政治体制の基礎をつくったのです。石橋も忘れられない、名宰相ですし、いかだ、佐藤は吉田政治の完成者。中曽根、細川はもう少しやらせたかったが、何といっても線が細い。
小泉は戦後保守政治の欠陥に世論を味方につけテレビポリティックスによってぶち壊した功績は評価に値する。150年間、日本の政治は藩閥政治、元老政治、官僚政治、田舎政治、老害政治から全く脱却できていませんね。
 
●「政治アナリスト・伊藤惇夫が混迷極める政治を斬る!「7月に入れば菅首相退陣、大連立実現の可能性も。大震災後の国民が望みを託す“ポスト菅”の条件」<ダイヤモンドオンライン2011614日>

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