池田龍夫のマスコミ時評(46)●『普天間飛行場・固定化」を危惧―★急浮上の「グアム先行移転」計画―』
池田龍夫のマスコミ時評(46)
池田龍夫(ジャーナリスト・毎日新聞ОB)
7日の参院予算委員会で野田首相は「岩国基地への分散移転案は協議していない」と野党質問をかわしていたが、玄葉外相は「沖縄の負担軽減という意味で、国外という面と全国で負担を分かち合うという両面がある」と答えており、「国内移設」に含みを残している。このような重要案件につき、地元・沖縄はもとより防衛省との協議も経ないまま、日米外務当局だけで話を進めていたに違いなく、普天間問題の行方をますます複雑にしてしまったように思える。
日米が2006年に合意したグアム移転経費は総額102億7000万㌦で、日本側負担は融資を含め約60億9000万㌦に上る。日本側は12年度予算も計上しているが、米議会は財政難を理由に予算を削っており、移転経費の再検討も必要だ。当初予定より移転規模が縮小されたことに伴い、日本側は減額要求すべきだが、米側が応じるとは考えにくい。逆に、米側から「移転計画遅延の責任は日本側にある」との理屈で、減額どころか〝延滞料〟まがいの請求があるかもしれない。財政負担を考えただけでも、グアム先行移転の行方は険しそうだ。
野田首相がそれを知らないはずはない。日本政府は、辺野古への移設が困難になっている沖縄の政治状況を米国に正確に伝え、見直しを視野に入れて再検討するよう強く申し入れるべきである。辺野古への移設でなければ抑止力が維持できないというのは、今回の見直しの経緯を見ても説得力に欠ける。共同文書で辺野古への移設を再確認したのは残念だ。
同時に普天間問題の解決には時間がかかることを考慮し、その間周辺住民の危険性を除去するため、普天間機能の分散などの対策を講じるよう改めて求める」――毎日新聞2月9日付朝刊に掲げた〈『戦略なき安保』脱却を〉と題する社説の一部だが、「日米共同文書」の問題点をズバリ指摘している。
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